一昨日の10月21日（土）は、「フォーシーズンズ〜四季折々のお酒を女の子だけで楽しむ会〜」（
http://blog.goo.ne.jp/fourseasons-sake/）の秋の会やったがぜよ。ちなみに前回の夏の会は「
7月25日」のブログを、この会についての詳しゅうは、去年の「
8月1日」のブログを参照してもらいたいがやき。
さて、今回の秋の会の会場は「橙家（daidaiya）・赤坂店」（港区赤坂3-1-6ベルビー赤坂9F 901
TEL:03-3588-5087
http://r.gnavi.co.jp/g145306 http://www.chanto.com）。赤坂見附の駅ビルの中にある全席200席の大型創作和食店は、交通の便もえいし雰囲気も良うて、なかなか使える店ながよ。参加人数は、蔵元4人と幹事4名を含めて55名。これっばあの人数を個室に区切ってイベントができ、価格も1人5000円程度で、しかもお酒の持ち込みもOKにしてくれる飲食店らあて、なかなかないがぜよ。
さて、まず第1部は、日本酒のミニお勉強会。今回は日本酒の温度についての第3弾で、ワシが講師を担当したがやき。約20分程度のミニ講義のタイトルは、「燗酒嫌いがファンになる！燗酒の楽しさの伝え方！」。まずは以下の「美味しいお燗のつけ方」っちゅう内容をお話しし、実際にその通りに実演さいてもうて、司牡丹「山廃純米かまわぬ」のぬる燗（40℃程度）を飲んでもうたがよ。
〈美味しいお燗のつけ方〉
●一番美味しいオススメのお燗のつけ方は湯煎燗酒。
●まず大きめの鍋にタップリのお湯を沸かす。
●お湯は沸騰させず、水面がゆらめいてきたあたり（６０℃あたり）で火を止める。
●お酒の入った徳利をお湯につける。
●温度計があれば、ぬる燗なら４３℃、上燗なら４８℃になったら徳利を引き上げる。
●温度計がなければ、ぬる燗ならつけてから１分程度。徳利の底を触ってみて、割と熱いなと感じる程度で引き上げると、だいたい４３℃程度。あとは慣れ次第。
●上燗ならつけてから７０秒程度。徳利の底を触ってみて、けっこう熱くて、これ以上熱いと２〜３秒も触っていられないなというあたり。あとは慣れ。
●お燗の温度には、「日向燗」（３０℃程度）「人肌燗」（３５℃程度）「ぬる燗」（４０℃程度）「上燗」（４５℃程度）「熱燗」（５０℃程度）「飛び切り燗」（５５℃以上）といろいろあるが、一般的には「ぬる燗」（４０℃程度）か「上燗」（４５℃程度）が理想的。
●日本酒の香味成分は、温度が上がると次のように変化する。
・甘味（小→大） ・酸味（爽やか→膨らみ） ・旨味（減→増）
・苦味（クレソン様の味→コク） ・全体（トーンが小→ボリューム大）
・香り（少→複雑性を増す）※ただし、吟醸香は飛んでしまい、効果減少。
・５５℃以上になると、酒のアルコール分が鼻や舌を刺す。
●注意点は、「ぬる燗」（４０℃程度）で飲みたい場合、口に含んだ時の温度が４０℃ということ。と、いうことは、４０℃に沸かして飲むと温度が少し低いということ。沸かす時には４３℃くらいにして、徳利からお猪口に注いで口に含んだ際に最初は４１〜４２℃くらい。徳利を飲み干す頃の温度が３８〜３９℃くらいになるようにするのが理想的な「ぬる燗」と言える。
続いては、京都のハクレイ酒造（株）中西社長にお手伝いしてもうて、ワシと二人の久々の漫才コンビ復活で、以下の寸劇をやらいてもうたがやき。ぶっつけ本番で幼稚園の学芸会並みの演技力が、割とウケたと思うがやけんど・・・？まあ寸劇の評価はおいちょいて、こん時に出した「得月楼の酒盗」は、こじゃんと評判良かったがぜよ。
〈これで貴女も日本酒の伝道師！燗酒が苦手という友人に、新たな悦びを伝えよう！〉
友人「私、日本酒は好きだけど、お燗酒だけはどうも苦手なのよね〜。」
貴女「それは本当に美味しいお燗酒と、まだ出会ってないだけなのよ。でもそれも無理からぬことだけど・・・。」（問題点の指摘）
友人「・・・と、いうと？」
貴女「現代の一般的な居酒屋なんかで出されているお燗酒は、ほとんどお燗のつけ方がデタラメなんだもん。江戸時代なんかには、専門のお燗番のオヤジさんなんかがいて、本当に美味しいお燗をつける優れた技術を持っている人が多かったんだって。それが近年は廃れてしまったもんだから・・・。」（問題点のあぶりたて）
友人「ふ〜ん・・・お燗番ねえ。どんな感じだったんだろうね？」（少し興味を持つ）
貴女「一種類の日本酒しかないのに温度を変えて出すだけで、何種類もお酒があるように錯覚させることができたそうよ。それから、ベストの温度でお燗を出すもんだから、くっちゃべっててしばらくお燗酒に手を出さなかったりしたら、温度が変わっちゃうから『もう飲むな！』って、お酒を下げられちゃったりもしたようよ。」（興味をひく話し）
友人「へえ〜それはスゴイ自信ね。相当な技だったんだろうね。」（興味を持つ）
貴女「・・・そんな『相当な技』を体験してみたい？」（解決策をほのめかす）
友人「え？○○さん、そんな技を持ってるの？スゴイ！」
貴女「実はちょっとしたコツさえ知ってれば、誰でも最高の燗つけが可能なのよ。」
友人「・・・私でもできるかな？」
貴女「もちろん！じゃあ今からちょっと実演してみようか。」
＜前記の「美味しいお燗のつけ方」を実演する。＞（解決策の提示）
貴女「今お燗をつけているお酒は、高知の司牡丹『かまわぬ』という山廃純米酒なんだけど、これのぬる燗を燗酒嫌いの女性に飲んでもらったら、なんと５０人中３８人が『これなら美味しい！』と言ったというお酒なんだって。常温の際に感じる山廃仕込み独特の酸味が、ぬる燗にすると旨みに変わって、その幅のあるコクはまさに旨みタップリの秋の旬の食材なんかにバッチリなのよね〜！」（美味しさの信憑性）
友人「へ〜・・・それは楽しみ！」
貴女「そろそろベストなお燗がつく頃だから、お酒の前にまずはこれを、ほんのチョコッとだけ食べてみて。」（解決策の提示�◆�
友人「なに？これ？」
貴女「土佐の珍味、『酒盗』よ。カツオの内臓の塩辛。これを食べると盗んででも酒が欲しくなるからこの名が付いたそうよ。しかもこの『酒盗』、宮尾登美子さん原作の『陽暉楼（ようきろう）』のモデルにもなった土佐随一の老舗料亭『得月楼（とくげつろう）』の自家製『酒盗』で、全日空の機内誌『翼の王国』にも掲載され絶賛されたというシロモノなの。高知県内でもごく一部でしか入手できない逸品を、特別に司牡丹さんに分けてもらったの。」
友人「・・・うん！これは美味しいわ。お酒を盗みたくなる気持ちがよく分かる！」
貴女「さあ、丁度ベストなぬる燗がついたようよ！では、どうぞ！」（実体験の勧め）
友人「・・・ほお〜っ！これは、これは！確かにこれなら私でも美味しいわ！香りもツンとしたりしないし、味もベタッとしたところがないし・・・！」（感動体験）
貴女「どう？・・・まだ燗酒は苦手だと思ってる？」（体験の確認）
友人「いったいこれまで飲まされてたマズイ燗酒は何だったのかしら！」（自ら再確認）
さて、下手な寸劇の後は、いよいよお待たせの第2部の宴会ながよ。今回は急遽欠席になってお酒だけの出席になってしもうた「若戎」（三重）と、いつもの「春鹿」（奈良）「白嶺」（京都）「司牡丹」（高知）の4蔵のお酒と、ゲスト蔵「奥の松」（福島）の、合計5蔵のお酒が出品され、秋の旬のお料理に合わせて出されたがやき。
●乾杯酒:「奥の松・全米大吟醸・伊兵衛」
自社の純米大吟醸酒を蒸留したアルコールを添加した、全て米だっけで造った「全米大吟醸」。香りも華やかで豊かな味わいもありもって、後口もスッキリと心地えいがぜよ。
●「白嶺・紅葉姫ひやおろし」（純米吟醸酒）
★前菜:鴨のロース煮・ママカリの黄身寿司・旬キノコのしろ和え
この酒の甘みとやわらかな酸味が、ママカリ酢漬の黄身寿司にバッチリやったがやき。
●「司牡丹・生鮮酒〈秋〉ひやおろし」（純米酒）
★刺身:秋刀魚と戻りガツオ
脂ののった旨みタップリの秋の魚の代表各、秋刀魚と戻りガツオ。「司牡丹ひやおろし」のリッチな旨みが、魚の旨みを倍増さいてくれるがぜよ。
●「若戎・真秀（まほ）・育てもと・ひやおろし」（純米吟醸酒）
●「春鹿・木桶造り」（山廃純米原酒）
★炊き合わせ:蕪と巻き湯葉の炊き合わせ 菊花あん
蕪と湯葉のナチュラルな甘みを菊花あんが包み込んで、やさしい甘みの二重奏を奏でてくれるがよ。「若戎」も「春鹿」も、ナチュラルな甘みとやさしい酸味を持っちゅうき、口中にじんわりと甘みと酸味が膨らみ、三重奏を奏でてくれるがやき。
●「春鹿・ひやおろし」（純米吟醸酒）
●「奥の松・全米吟醸酒ひやおろし」
★強肴:上州もち豚のしゃぶしゃぶ
ボリューム感のあるリッチな旨みが持ち味の2酒。もち豚の旨みを一層引き立て、旨みの余韻をたなびかせてくれるがやき。
★食事:秋田県 眞壁屋の稲庭うどん
しゃぶしゃぶで出た旨みスープを利用して、身体も心も温まる嬉しい〆めの一品ながよ。
★甘味:栗ようかん
栗のやさしい甘みが、最後まで秋を満喫さいてくれるがよ。「紅葉姫」あたりの酒にゃあ、意外に合うがぜよ。
とにかく、今回のお酒は、どれやちまっことこじゃんと美味しゅうて、会場にゃあ55名の美味しい笑顔があふれちょったがやき。
最後にゃあ残酒の抽選会もあって、盛り上がりは一層ヒートアップ！満面の笑みでそのまんま酒瓶を抱き締めて帰る方もおって、まっことワシらあも酒屋冥利に尽きるがぜよ。
皆さんが帰られた後は、幹事さん4名と蔵元で、お疲れさんの2次会ながよ。会場は、すんぐ近くの「うさぎや」（港区赤坂4-3-5
TEL:03-3583-5344）。浄土寺の境内の中にある料亭風の建物で、ちんまい看板しか付いてない、とっておきの隠れ家ながぜよ。しかもこの店は、まっこと面白い手品バーときちゅう！途中から、当会の顧問、日本名門酒会本部長・（株）岡永の飯田社長も合流し、プロのマジシャンによる華麗なマジックに、みんなあで酔いしれたがぜよ。「奥の松」の遊佐社長らあ、マジックのお手伝いまでさせられて、一層盛り上がったがやき。
いつもながら、清永さん、矢谷さん、矢島さん、古川さんの4名の幹事さん、まっことご苦労様でした。感謝感謝ながぜよ！
「プレミアム土佐宇宙酒」大好評発売中！！土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック！！司牡丹酒造株式会社 
「棚の隅」で、主演は名優・大杉漣さん。
「日本の地域食材〈2006年版〉」（会員外頒布価格3200円）をご紹介しちょこうか。この本は、NPO法人「良い食材を伝える会」が総力をあげて作りあげた、500ページ以上もの力作ながよ。日本の47都道府県全ての地域食材が網羅されちゅう、スゴイ本ながやき。ワシも購入さいてもうたけんど、こりゃあ日本の食文化にとってもこじゃんと貢献する、素晴らしい本やと思うきに、まっことオススメながぜよ。
がヒロイン役の映画が放映される県や都市が、続々と決まってきたがやき。それが現在のところ、東京、大阪、名古屋、札幌、山梨、高知ながぜよ。
「マグロの解体」が登場！40キロ近いマグロが登場し、高知中央市場の鮮魚仲卸の老舗「丸徳」の岩原重徳さんが、見事な包丁さばきで見る間に刺身にしてくださったがよ。もう周りは黒山の人だかり！刺身に仕上がるそばから、あっという間にマグロの巨体が頭と骨だっけになってしもうたがやき。スプーンで「なかおち」を必死でほじくりゆう方もおって、女性パワーの凄さを見せつけられた思いながぜよ。
