さていよいよ、6月24日(ニューヨーク現地月日)19時からは、今回のニューヨーク出張の目玉でありメインイベントの、「Chanterelle(シャンテレール)」の酒ディナー会やったがよ。
ちなみにこのお店は、ニューヨークタイムス紙で最高ランクの五つ星に輝いたこともある、超高級フレンチレストラン。オーナーシェフのデビット・ウォルタック氏が創る独創的な絶品料理と奥様のこぢゃんとフレンドリーなサービス、そして全米ナンバーワンソムリエに輝いたこともあるマスターソムリエのロジャー・ダゴーン氏がマッチングさせるワインや日本酒は、現地の食通やセレブやマスコミらあでも、こぢゃんと絶賛されゆうがやき。
「シャンテレール」の酒ディナーは、今回で10回目。毎年1回だっけの開催やき、もうかれこれ10年になるがやき。その間にワシゃあこれで4回目の参加やないろうか。また、デビット氏とロジャー氏も日本に来られ、司牡丹の酒蔵に来られたこともあるがやき。とにかく、高級フレンチのフルコースディナーに1品1品日本酒を合わせるっちゅう酒ディナーは、10年前は世界初。近年じゃあロジャー氏は、全米で最も日本酒に精通したソムリエとも言われゆうがぜよ。
さて、今回参加の蔵元は、前日までの試飲会に引き続き、北海道の「男山」、愛媛の「梅錦」、高知の「司牡丹」の3蔵に加え、徳島の「鳴門鯛」松浦社長もこっから参加されたがやき。ご参加のお客様は約50名。早う参加された方から順番に、もうディナーが始まるっちゅうスタイルながよ。
ほいたら、今回の酒ディナーのお料理とお酒の組み合わせメニューを以下にご紹介して、ちくと解説さいていただきましょうかのう。
●アミューズ:シーフードソーセージのグリルとフォアグラのテリーヌ
★「春鹿・ときめき」(発泡性低アル純米酒)〈奈良〉
まずは「春鹿・ときめき」で乾杯ながよ。爽やかな炭酸とナチュラルな甘味とやわらかな酸味が、まっこと心地えいがやき。ここに海の風味を凝縮したようなシーフードソーセージを合わせりゃあ、一気に夏の白い砂浜と青い海が眼前に開けるようながよ。ソーセージのソースに含まれちゅうビネガーとエシャロットの風味も、見事にこのお酒の後口の風味とバッチリやったがやき。
一方フォアグラのテリーヌは、口に入れた瞬間、ブワッとフォアグラの風味が膨らんで、旨みの余韻が長いがよ。ここに「ときめき」を合わせりゃあ、テリーヌのクリーミーな旨みが一層マイルドになり、後口の余韻をさらに心地ように膨らまいてくれるがぜよ。
●赤と金のビーツ・赤と白のツナのタルタルのせ
★「月の桂・柳」(純米吟醸酒)〈京都〉
このお料理が出された瞬間、あちこちからため息が漏れたばあ、まっこと美しいお料理やったがやき。赤いビーツの上にゃあ白いツナ(ハマチ)のタルタル、金のビーツの上にゃあ赤いツナ(マグロ)のタルタルがっちゅう感じで乗せられちょって、そのコントラストがまっこと食欲をそそらいてくれるがよ。ビーツはグリルされちょって、タケノコみたいなホクッとした風味がツナのタルタルと絶妙に調和して、こりゃこぢゃんとうまいがやき。ここに「月の桂・柳」を合わせりゃあ、このお酒のクリーミーな感じがタルタルと柔らこうに溶け合うて、後口のほのかな芳ばしさが、ビーツのタケノコみたいな風味にバッチリやったがやき。このお酒はタケノコにもよう合いそうなと気づかいてもうたがぜよ。
●ブルーアイランドの茹で牡蠣 ライムとタイバジルとともに
★「大山にごり酒」(特別純米にごり酒)〈山形〉
ブルーアイランドっちゅうたら、ニューヨークにあるがやと。しかしニューヨークでこんな立派な牡蠣が採れるたぁ、ちくとビックリながよ。牡蠣の下に敷かれちゅう海草は、食べれんがやけんど、温められちょって牡蠣の香りと相まって海の芳香を見事に放つがやき。ライムの酸味とタイバジルの風味を絶妙にまとうたクリーミーなソースと牡蠣の旨みは、まっこと絶品。「大山にごり酒」の柔らこうてクリーミーな爽やかさとほのかな酸味に、見事にマッチングするがぜよ。
ここで、お客様が全員揃うてちくと経ったきに、ロジャー氏のご挨拶と解説の始まりながよ。詳しゅうはよう分からんけんど、今回のお料理とお酒の組み合わせついて流暢に、かつ真摯に解説してくださり、今回参加しちゅうワシらあ蔵元と、(株)岡永の飯田社長とニューヨーク支部の山崎さんもご紹介いただき、皆さんから万雷の拍手をいただいたがぜよ。
●サーモンのムースリーヌとワイルドシャンテレールのクーリを添えたズッキーニの花の蒸しもの
★「浦霞・禅」(純米吟醸)〈宮城〉
ムースリーヌゆうたら、ムース状に泡立てて生クリームを加えて軽めに仕上げたもん。また、シャンテレールゆうたら店名でもあるがやけんど、キノコの一種で、クーリゆうたらピューレみたいなもんながよ。サーモンの旨みとクリームのやさしい甘み、キノコの森林浴を想わせるような風味とコクが、ズッキーニの花の心地えい苦みらあと口中で美しゅうに混じり合うて溶けるように流れていくがやき。ここに「浦霞・禅」のやわらかで優しい旨みが加わりゃあ、全身がホンワリとやわらかさに包み込まれるような絶妙なおいしさながぜよ。
●バターで茹でたニュージーランド産の手長海老 スノーピーの葉とともに
★「一ノ蔵・松山天」(純米大吟醸)〈宮城〉
スノーピーゆうたら豆の一種。その葉っぱのホッコリした甘みとバターの旨みと手長海老の芳ばしい海の風味が、クリーミーなソースに見事に溶け合うちゅうお料理ながよ。このお酒のフルーティな香りとやわらかな旨み、後口のほのかな苦みが、このお料理の優しいおいしさを見事に倍増さいてくれるがぜよ。
●野菜とサマートリュフを添えたポテトのラビオリ
★「梅錦・純米大吟醸」(純米大吟醸)〈愛媛〉
これまたクリーミーなお料理ながよ。今回はクリーミーなお料理が多いがは、どうもニューヨークのトレンドながやろうかのう。ポテトのラビオリのホクッとした歯触りと旨みが、このお酒のドッシリしたボリューム感と見事に調和。またお料理のクリーミーさがお酒の味わいを一層やわらこうに感じさいてくれ、野菜のほのかな苦みがお酒の後口のほのかな苦みとバッチリで、さらに優しいトリュフの旨みが、このお酒の後口に潜んじゅうほのかな熟成感と絶妙に融合して、まっことお見事な組み合わせに仕上がっちゅうがぜよ。
ここで既に2時間半近うが経った21時半前。ワシゃあロジャー氏に誘われて、一組の老夫婦のもとに連れて行かれたがやき。ロジャー氏いわく、こちらの老夫婦は、この酒ディナーに9回目のご参加やっちゅうがよ。丁度老夫婦は、既に次の司牡丹とお料理を召し上がられたとこやって、ワシがご挨拶さいてもうたら、大悦びで握手してくださり、お酒を大絶賛いただいたがやき。まっことありがとうございましたぜよ。あんなえい感じの老夫婦は、まっこと憧れてしまうがやき。
●グレープフルーツのお酢を加えたグリルしたカジキマグロ グリルしたアスパラガスを添えて
★「司牡丹・酒槽搾り純米大吟醸」(純米大吟醸)〈高知〉
グリルしたカジキマグロの味付けは、ほとんど塩だっけやないろうか？ここにグレープフルーツを使うたマーマレードみたいなお酢をかけて、甘みと酸味が加わるがよ。塩と酸味と甘みの組み合わせは、まるでカツオの塩タタキにタマネギとブシュカンをかけたもんを彷彿とさせるがぜよ！付け合わせのアスパラガスはネギみたいな感じ。もしそんながを意識してこのお料理を創っちゅうとしたら、スゴイことながやき。とにかく、アッサリしちゅうにシッカリ旨みがあって満足感のあるお料理に仕上がっちゅう絶品料理ながよ！司牡丹の旨みはカジキマグロの旨みと、ほのかな酸味と収斂性のあるほのかな渋味はグレープフルーツと、見事にマッチングしちょって、まさにマリアージュながぜよ！
●オーガニック地鶏の胸肉 オーガニックコーンのブロスとフランとともに
★「鳴門鯛・純米吟醸大古酒〈1988〉」
まっこと、このお料理とお酒の組み合わせは、完全に脱帽やったがよ！これっぱあ見事に、お酒とお料理が、1＋1が2やのうて3にも4にもなるスゴイ組み合わせは、なかなかないがやないろうか！
まずお料理からして、これまでの常識を覆しちゅうがやき！地鶏をちくと燻製にしちゅうがやろうか、スモーキーなフレーバーが旨みを増しちゅうがよ。そこにコーンのフラン(スウィーツ)を付け合わせ、さらにコーンのブロス(あっさりしたスープ)を後からかけていただくっちゅうシロモノ！これがウマイのなんの！こんなフランス料理、まっこと見たことないがぜよ。
そこにこの「鳴門鯛・大古酒」を合わせりゃあ、さらにスゴイことが判明するがやき。このお酒の味わいの中にある、旨み、甘み、コク、熟成香味、ほのかな苦み・・・全ての味わいの構成成分が、このお料理の味わいの構成成分と、寸分違わんと一致しちゅうがぜよ！まっこと、過去10年分の経験と技がここに凝縮して結晶化したばあ見事な組み合わせやったがやき。
●フレッシュラズベリーをかけたリコッタチーズのタルトとキンカンのグレイズ
★「男山・復古酒」(元禄時代の復活酒・純米酒)〈北海道〉
このデザートとお酒の組み合わせも、見事やったがよ。リコッタチーズの旨み、タルトの甘み、ラズベリーの酸味が、やっぱしこのお酒の味わいの構成成分にピッタリやったがやき。さらにキンカンのグレイズ(氷らせたもん)の甘みと酸味も、同様ながよ。まっこと、日本酒がこんなデザートとバッチリ合うたぁ、ロジャー恐るべしながぜよ！
●コーヒーまたは紅茶
●プチフールズ
ちんまいケーキみたいなデザートやチョコレートのデザートで締め括り。こちらのデザートもまっこと絶品で、お腹いっぱいやについつい手が出てしもうて、いくつも食べんとおれんかったがぜよ。
ラストにゃあ、ワシゃあ司牡丹のハンテンを着た美しい女性スタッフの方と記念撮影さいてもうたがよ。また、スタッフの皆さんらあと一緒に、全員でも記念撮影したがやき。さらに興にのった「梅錦」の山川社長が、お経を披露(山川社長は得度されちょって、お坊さんでもあるがやき。)！高級フレンチレストランとお経のミスマッチ感が、妙に良かったがぜよ。
帰りにゃあ10周年記念の枡をいただいて、お店を出たがは開始から4時間半が経った23時半。さすがに長時間でしんどかったけんど、こぢゃんと勉強にもなったし、まっことお料理もお酒も、こぢゃんとおいしかったがやき。「シャンテレール」の皆様、まっことありがとうございました。感謝感謝ながやき。これからも末永う、よろしゅうお願い申し上げますぜよ！
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック！
司牡丹酒造株式会社 
飛行機で、2年ぶりのニューヨーク海外出張やったがぜよ。
TEL:088-872-7788 
「招客招福の法則2」(〜商いの真髄がつかめる88の話〜)〈小阪裕司 著 日本経済新聞出版社 2008年3月21日発行 1300円＋税〉。この書籍は、日経MJに現在も連載中の大人気コラムを単行本化したもんで、その第2巻目ながよ。見開き2ページが1つの話で、第1巻は1話から88話、第2巻は89話から176話までが掲載されちゅうがぜよ。
「The Harimaya Bridge〜はりまや橋〜」撮影隊の皆さんらあ40数名が佐川に来られ、その歓迎会をウナギ料理の名店「大正軒」(高岡郡佐川町甲1543 
