一昨日の2月19日(木)は、日本のマーケティング界の巨星・故水口健次先生が代表を務められよった
(株)戦略デザイン研究所(http://www.sdinst.co.jp/)主催の「キーパーソン戦略会議〈2008〉」第9回目が開催され、今回は
イオンモール株式会社(http://www.aeonmall.com/)の村上教行社長さんが講演されたがぜよ。
ちなみに「キーパーソン戦略会議」についちゃあ、前回第8回目の「
1月16日」のブログ、第7回目の昨年「
11月22日」のブログ(ワシの講演ぜよ！)、第4回目の昨年「
7月28日」のブログ、第1回目の昨年「
4月21日」のブログらあをご参照いただきたいがやけんど、このプロジェクトは水口先生がこぢゃんと思い入れられちょった最後のお仕事ながよ。いま話しを聴いちょくべき10人の講師と、日本の経済界を背負って立つ有力企業のキーパーソンらあを50人ばあ、水口先生が自ら選ばれ、昨年4月からスタートしたがぜよ。
さて、会場は千代田区平河町の「日本都市センター」の会議室。15時前にゃあ、有力企業各社のキーパーソンの皆さんがズラリと集まられたがよ。今回のご出席者は約30名。まずは幹事役のカルビー(株)の長沼専務さんがご挨拶され、司会進行を担当。いよいよイオンモール(株)村上社長さんの講演ながよ。タイトルは「イオンモール・感動モールビジネスの可能性」で、約90分の講演内容は大体以下の通りやったがぜよ。
まずは「地域とともに成長するショッピングセンターづくり」っちゅう、イオンモールのビデオを見せていただいたがやき。その後、村上社長さんの講演ながよ。まず、イオンモールの経営理念は、「イオンモールは、『輝きのあるまちづくり』を目指します。」っちゅうもんながやき。現在、グループの100ある大型ショッピングセンターのうち、1都2府24県に50のショッピングセンターを展開。北京にも1店あるがやと。そこに総勢10万人が働き、年間4億人の来店客があるっちゅうき、凄いがぜよ！
また、意外やけんど、50のショッピングセンターのうち、16ヶ所が駅から徒歩圏内にあるがやと。郊外型のイメージが強いけんど、駅前立地も増えゆうようながやき。
さらに、テナントとして出店する専門店らあは、3分の1がナショナルチェーン、3分の1が県内初出店のお店で、あとの3分の1は地元のお店やっちゅうがよ。そんな地元出店のお店の中から、イオンモールとともに育って、全国展開するようになった専門店らあも少のうないっちゅうがやき。さらに80％の従業員を地元で採用するなど、地域経済の活性化に貢献しゆうっちゅうがぜよ。
イオンモールっちゅう会社は、デベロッパー事業を行いゆうがやけんど、他のデベロッパー企業と違う点は、小売業出身やっちゅうこと。ほんじゃき、お客様からの視点を持っちゅう点が最大の強みやっちゅうがやき。デベロッパーの最大の役割は集客責任やと考えちゅうき、お客様視点っちゅうんは、こぢゃんと重要やっちゅうがぜよ。
また、最近日経新聞らあでも、巨大ショッピングモールはもう時代遅れやっちゅうような書き方をしゆうけんど、それは違うと、村上社長さんは断言するがやき。確かにアメリカじゃあ、巨大ショッピングモールはドンドン駄目になりゆうけんど、日本とアメリカは違うっちゅうがよ。アメリカのショッピングモールの場合、非日常の店ばっかしで、デパートらあがモール内に入っちゅうがやと。ところが日本のイオンモールの場合は、スーパーマーケットっちゅう日常のカテゴリーを持っちゅうくが、全く違うんやっちゅうがやき。つまり、日本の場合は非日常と日常の両方を兼ね備えちゅうき、アメリカほどのダメージは受けんっちゅうことながよ。実際、車での来店客数は全く減ってないっちゅうがぜよ。
次にイオンモールは、以下の4つのコンセプトを持っちょって、これらあがキッチリやれて初めて、商業施設としての機能が果たせると考えちゅうっちゅうがよ。
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�▲灰潺絅縫謄�
��エンターテイメント
�ぅ┘灰蹈検�
�，離轡腑奪團鵐阿砲弔い舛磴◆∈�は安全・安心が叫ばれゆうけんど、「安全」に対する対策はキチンと数字で表せるようにしちょくことやっちゅうがよ。一方「安心」についちゃあ、こちらから言うもんやないと。そりゃあ偽装になりかねんき、「安心」っちゅうんはお客様からいただくもんやっちゅうがぜよ。
�△離灰潺絅縫謄�についちゃあ、期日前投票とか、献血とか、成人式のパーティとか、地域の祭りやイベントらあのために活用してもらいゆうっちゅうがやき。例えば献血。新居浜市全体の6割がイオンモール新居浜で集められ、イオンモール倉敷じゃあ、岡山県全体の11％の献血が集められゆうっちゅうき、スゴイがぜよ。
��のエンターテイメントについちゃあ、シネコンやボーリング場らあを併設させゆうがやき。さらにフードコートにもエンターテイメント性を持たせようとしゆうっちゅうがよ。
�い離┘灰蹈検爾砲弔い舛磴◆⇔磴┐�CO2削減に努力しゆうっちゅうがやき。これもキチンと数字で示すことが大事やっちゅうがよ。イオンモールじゃあ、2006年度のCO2排出量を数字でおさえちょって、それを2012年までに30％削減するっちゅう目標を掲げちゅうっちゅうがぜよ。
また、2007年11月に開店したイオンモール日の出の例。このモールは、東京都西多摩郡日の出町の町長さんが誘致したっちゅうがやき。実は日の出町は、西多摩郡のゴミ処理を一手に引き受けゆう町やったがやと。町長さんは、日の出町はただのゴミの町やと町に住む若いもんらあに思わせとうない、若いもんらあに夢を持ってもらいたいっちゅうて、イオンモールを誘致したっちゅうがよ。ほんで、モール内で成人式パーティをしたりもしゆうがやと。今じゃあ、モールから町に落ちる収益を活用して、75歳以上の住民は医療費を無料にするとか、小学校6年生まで医療費を無料にするとかになっちゅうっちゅうき、スゴイがぜよ！
2009年度のイオンモール全社スローガンは、「天命に向かいて、汗をかき最大の人事を尽くす」ながやと。このスローガンは村上社長さんがつくったもんらしいがやけんど、村上社長さんは、「人事を尽くして天命を待つ」っちゅう時代は終わったっちゅうがやき。天命を待つがやのうて、そこに向こうて、我々にできる全てのことを、汗をかいてやり尽くすっちゅう気概じゃっちゅうがぜよ。
また、2009年度の主要政策は、「現場力の強化」やっちゅうがやき。どれっぱあ不況になったち、環境が悪化したち、必ず現場で取り戻すっちゅうがよ。マーケティングの基本は、「お客様対策に勝る競合SC対策はない」っちゅうことながやき。お客様心理、生活者視点でのマーケティング活動を徹底し、他に先んじることやっちゅうがよ。
例えば、人口減じゃあ少子化じゃっちゅうて、どうしょうもないことみたいに考えられちゅうけんど、これによる売上減を、どうやって現場で取り戻すか。実は、日本全国で飼われゆう犬の数は、保健所に登録されちゅうきすぐ分かるらしいがやけんど、ナント小学生の数と一緒やっちゅうがやき。さらにネコやら、他のペットの数も加えりゃあ、日本全国のペットの数はそりゃスゴイもんになるがよ。しかも、その数は年々増えゆうっちゅうがやき。どうも、子供の数とペットの数にゃあ因果関係があるがやないかっちゅうがよ。ほいたら、少子化で失う売上分以上を、ペット関連の売上で稼ぎゃあえいっちゅうことながぜよ。この発想は、あらゆる業界にこぢゃんと参考になる、スゴイ発想やと思わんかよ！
さらに村上社長さんは、「皆さんは国民年金の支給日を知っちょりますか？」っちゅう質問を、ワシらあに投げかけるがよ。給料日は25日が多いき、そこに何か仕掛けるがは、やりゆう企業も多いろうと。ほいたら国民年金の支給日に何か仕掛けゆうか？ちなみに厚生年金は1日で、国民年金は2ヶ月に1度で15日やっちゅうがやき。しかも、国民年金は年間40兆円もあるっちゅうがよ。今年の2月15日は日曜やったき、2月13日が支給日やったっちゅうがやき。ほいたらこの日は、14日のバレンタインはもちろん大事やけんど、バレンタインらあに関係なさそうなお爺ちゃんお婆ちゃんの財布の紐をゆるませるような、孫に何か買うちゃりとうなるような提案が、売場に必要やっちゅうことながぜよ。ほんで村上社長さんは、こういうことは、まだまだ足るばああるっちゅうがやき。ほんじゃき、全国的な「社会行事」と、その地域ならではの「地域行事」を、常に意識しちょかにゃイカンっちゅうがぜよ。まっこと、ナルホドな
がやき！
ほんで村上社長さんは、感動モールビジネスに向けて、「家族の団欒」をキーワードに挙げられるがよ。これからのモールは、家族が団欒できるとこやないとイカンっちゅうがやき。設備面でも、心地えいとか、疲れんとか。また、ウインドウショッピングっちゅうんは、余所見しもって歩くっちゅうことやき、余所見しもって歩いたち大丈夫な通路が大事やっちゅうがぜよ。
ほんで結びとして、これからのモールビジネスの可能性について、語られたがよ。村上社長さんは、アメリカにゃあない、日本型モールは、まだまだイケるっちゅうがやき。ポイントは日常性と非日常性やと。また、日本は四季のハッキリした国やき、そんなくもポイントになるろうっちゅうがよ。
さらに、病院の隣に建てられたイオンモールがあるらしいがやけんど、開店前はこぢゃんと批判や苦情ばっかりあったらしいがやき。それが今じゃあ、病院からも周囲からも、御礼を言われゆうっちゅうがよ。端的な例でいやあ、お爺ちゃんお婆ちゃんのお見舞いに、孫が悦んで何回も来てくれるようになったっちゅうがやき。こういう例を見りゃあ、これからのモールビジネスは、様々な複合型、ハイブリッド型が考えられるっちゅうことながぜよ。
最後に村上社長さんは、スペインの有力アパレルメーカー「ZARA(ザラ)」ブランドで有名な、ザラ・ジャパンの社長さんの言葉を紹介されたがやき。現在「ZARA(ザラ)」は、日本に40店舗、うち11店舗がイオンモール内にあるがやと。ザラ・ジャパンの社長さんは、不況やなんや言うたち、日本は恵まれちゅうっちゅうがやき。スペインらあて、失業率は17％やっちゅうがよ。また、日本人はとにかくみんなあ貯金し過ぎやっちゅうがやき。とにかく国が発行したお金の4割が死蔵で、使われてないっちゅうがよ。ほんじゃき、平均で3000万円の貯金を持ったまんま死にゆうっちゅうがやき。まっこと異常なことやと。この貯金を、もっともっと使わせるようにせにゃあイカンっちゅうがよ。確かにまっこと、確かにその通りながぜよ。
こうして16時半過ぎ、村上社長さんの講演は終了。その後はちくといくつかの質疑応答があり、17時からちくと休憩。続いては、参加者全員でのチームディスカッションながよ。村上社長さんから、イオンモールについての3つのテーマが与えられ、5〜6人ばあずつのチームに分かれて、3つのうちの1つのテーマでディスカッションし、後に発表し合うっちゅう形式ながやき。今回の3つのテーマは、下記の通りやったがよ。
�仝楜卆榲世任離瓠璽�ーとの協業の可能性について。年間1000万〜2000万人の「顧客接点」がある「モール」で、メーカーとの間でハード面、ソフト面で、どのようなコラボレーションが可能になるだろうか。
�▲癲璽襪両�来性について。生活者視点に立ってモールを考えたとき、どのような可能性があるのだろうか。また、どのような新しい価値を提供できるだろうか。
�８従�のモールの問題点と改善策について。
ワシのチームは�△離董璽泙砲弔い特甘�することになったがよ。5名のメンバーにて30分ばあディスカッションさいてもうたがやき。ほんで、発表の時間になって、各チームそれぞれが、以下の通りの結論を発表したがぜよ。
まずは�，離董璽泙砲弔い董�まずモールの特徴は、「人が集まる」「滞留時間が長い」「スペースが広い」っちゅうことやと。ほんじゃき、以下の4つの可能性が考えられるっちゅう発表やったがやき。
〈キーワード� �商品の使用体験ができる。フードコートで新製品の試食体験。ヒゲ剃りとか、靴とか、ヒーリングツールとか、体感が必要な商品の体験。ポテトチップスとか、マヨネーズとかを作る体験。
〈キーワード�◆�長い滞留時間を活かした総合的なサービス・メンテナンス。各種修理の取り次ぎ。ペットに関わるサービスなど。
〈キーワード��〉中間加工までしてしまおう！本物に近づける。ピザを途中まで自分で加工できるとか。
〈キーワード�ぁ�コミュニティカレッジ。ブランドのストーリーを伝える講座、赤ちゃん関連講座とか。
続いては�△離董璽泙砲弔い董�このテーマについちゃあ、2チームが担当。まずはワシらあ以外のチームから。
・ドライブスルーを設けて、何でも買えたら嬉しい。
・皇居の周りを走るみたいに、モールの周りにジョギングコースをつくり、たっぷり汗をかいたら、スーパー銭湯！
・安全とパーソナルを提供する。学習塾とか。
・自転車を買うたら、その場でデビューできるように、自転車コースがあったら。
・白鶴酒造が銀座のビルの屋上で栽培したお米で、銀座ブランドのお酒を造りゆうがやと。そんな感じで、地域の方々とともに、屋上で菜園をやるとか。
・もっともっとエンターテイメント性あったら楽しい。
・スポーティ、パーソナル、癒し。
続いては同じく�△離董璽泙如▲錺靴蕕△離繊璽燹�
・いっそホンマに街をひとつ、つくってしまう。
・いっそ地方の空き商店街を、商店街のまんまイオンモールにしてしまう。
・田舎の人は都会で流行るもんが欲しい。都会の人は見たことないような珍しい田舎のもんを悦ぶ。前者は既にイオンモールで実現できるけんど、後者は？田舎のえい素材をイオンの手でディレクションして、都会に売るとか。
・全国おんなじ造りやのうて、その地域に合うた、個性的なモールがあり得るがやないか。
続いてはテーマ��について。こちらも2チームが担当やったがやき。まずは最初のチームから。
・もっとハッキリとターゲット別にゾーニングしてくれりゃあ、オヤジ連中も疲れいで済む。もっと言やあ、GPS付きカードを渡して、好きなところまでナビしてくれるとか。
・レストランはお昼時はメチャクチャ混む。例えば14時以降は20％オフとか、バラけさせるアイデアを実施してほしい。また、フードコートじゃあ席の取り合いでモメたりする。案内な整理する人がおったら助かる。
・買い物が多い場合、ゴルフ場みたいにカートで移動とか、宅配無料とかありゃあ助かる。
・まっと休憩所を楽しゅうしてほしい。奥さんの買い物を待ちゆうだっけのオヤジが楽しめるみたいな。
・フードコートらあは昼時は混む。ほいたら間仕切りらあを最初っから可変式にしちょいて、混む時間帯は広げるとかできるようにしちょいたらえい。
テーマ��について、最後のチームは以下の通りやったがよ。
・週末した行ってない、ワシらあオヤジとしちゃあ、行く時ゃあワクワク感あるけんど、帰りはグッタリ。何がツライかっちゅうたら、帰りの駐車場から出る際の混雑。ここで1時間待ちはツライ！まっとこの交通渋滞を改善できんか？
・家族全員の期待値を超える満足度を。奥さん連中は目的意識あってイオンモールに行く。オヤジ連中は、家族団欒のために行く。家族みんなあが有意義に過ごせるように！
・フードコートのテナントは、隣の店の匂いとか雰囲気とかに影響受ける。まっとそれぞれの個性や価値が損なわれんようにできるはず。
・お昼時のレストランやフードコートはこぢゃんと混む。ディズニーランドのアトラクションみたいにパストパス制にするとか。
こうして18時過ぎ、こぢゃんと盛り上がったチームディスカッションも終了し、3時間に及ぶ第9回「キーパーソン戦略会議」は、無事お開きとなったがよ。いまは亡き水口先生も、じっと見守ってくださりゆうような、そんな感じがしたがやき。まっこと、素晴らしい学びの機会を与えていただき、ありがとうございましたぜよ！
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