2005年12月17日

総ページ数840ページ!『日本の酒文化総合辞典』はスゴイぜよ!

 先月、11月25日に発行されたばっかしの「日本の酒文化総合辞典」(荻生待也 編著 柏書房 18000円+税)を購入したがぜよ。日本の酒文化総合辞典

 とにかく総ページ数は840ページもあるき、とてもじゃないけどまだ全部にゃあ、まともに目を通せるわけもないがやき。この厚さ!

 一応ある程度パラパラッと目を通して、とりあえず興味を持ったごく一部をサッと読んだだけながやけんど、こりゃスゴうて役立つ本じゃっちゅうことばあはよう分かったがぜよ。本の帯にゃあ「古今の酒言葉をはじめて集大成」とある通り、索引に記載されちゅう語数は約6800語もあるがやき。著者が、「本書に類する辞典は他に存在しない」「用語と語例の豊かさは空前と自負している」ちゅうて書いちゅうがも、うなずけるがぜよ。

 ほいたら全体の内容を、ザッと紹介しちょこうか。まず本編550ページは以下の内容ながよ。

第1部 酒のしるべ(酒とは、酒の異名等。)

第2部 酒類系譜(日本酒とは、古代の酒、名酒銘等。)

第3部 蔵と酒造り(名醸地と名醸家、蔵人の生活、酒造技術用語等。)

第4部 酒商品(清酒の級別=旧制度、酒の香味色の表現、酒の流通等。)

第5部 酒商い(酒屋、酒場、酒の値段等。)

第6部 酒飲む人々(酒飲み、酒癖、酒の友等。)

第7部 飲む、酔う(飲みざま、酔いざま、酒と量等。)

第8部 御酒の道(酒と伝説、酒道、酒席作法等。)

第9部 酒膳めぐり(酒の肴、飲器、酒注器、燗酒道具等。)

第10部 酒宴・群飲(酒宴の余興、節の酒、正月酒等。)

第11部 愛酒・酒離れ(飲酒の徳、酒の知恵袋、酒禍等。)

第12部 酒文化への道(喜怒哀楽の酒、四季の酒、賛酒文芸、酒学等。)


 続いて「資料編」が188ページ。「出典・参考文献一覧」が39ページ、「日本の酒総合年表」が31ページ。ほんで最後に「全国主要蔵元一覧」と「索引」が付いちゅうがぜよ。

 ほいたらもうすぐ正月やき、この辞典の中の「正月酒」の所を見てもうか。この章は2ページばあで、収められちゅう言葉は23語ながよ。まずは、江戸時代の庶民にとって清酒は高嶺の花で、ふだんはどぶろくであり、清酒が飲めるがは正月ばあやったっちゅうような「正月酒」の解説があって、「正月酒」「元日の酒」「年酒」「土器酒(かわらけざけ)」「屠蘇(とそ)」・・・・「正月酔い」「新年宴会」「十日戎(とおかえびす)」「蓬莱(ほうらい)」と、23語の解説が続くがよ。正月酒のページ

 ほいたらその23語の中から、ワシがナルホドと思うた1語、「正月洗い」の全文を紹介しちょこうか。

●正月洗い一しょうがつあらい
酒責めのうえ餅でもたれ閉口している胃腸を思いやって、負担にならない粥や茶漬けを食べて元気を取り戻すこと。▼正月をあらひ流して茶漬けかな/露川◎「三河小町」

 こりゃあえい言葉を覚えつろう。早速今度の正月にゃあ「正月洗い」をしてもうぜや。

 ワシがよう使わいてもらいゆう言葉、「酒道」っちゅう章も3ページ、36語あるがぜよ。

茶道や華道と同様に、江戸時代まで存在しちょった酒道っちゅうもんを、著者は
「酒道とは、いかにも肩の凝りそうな言葉だ。酒はそこまで格式をつけて飲まなくてはならないのか。おそらく、古くに文化人気取りの連中が広めたところの悪弊であろう。」
と書いちょって、酒道についちゃあ否定的な意見ながやき。

 確かに著者が書いちゅう通り、
「飲酒本来の目的は互いに楽しく味わい酔うことに落ち着くはず」やし、「もし酒道のような道徳律が必要なら、それは『他人に迷惑をかけないように飲む』の一言に尽きる」
っちゅうんも、おっしゃる通りながよ。

 ワシも形式や格式だっけの酒道やったら否定的な意見ながやき。けんどワシゃあ「酒道」っちゅう言葉に、まっと精神的な思いを込めたいがぜよ。茶道がお茶を通して、華道が生け花を通して人の道を探求していくがと同じように、酒を通して人の道を探求していく「酒道」っちゅうもんが、あってもえいと思わんかよ。

 まあ「酒道」について語りだいたら、こじゃんと長うなりそうなし、話しが面白うないなるきこのへんでやめちょくぜよ。とにかくこの「日本の酒文化総合辞典」、酒の仕事にたずさわっちゅう方はもちろん、酒好きの方にじゃち一家に一冊常備しちょきゃあ、こじゃんと役に立つこと請け合いながやき。




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連載コーナー「酒飲みの言い訳 365日、明日も飲めるゼヨ!」

〈12月18日〉「国連加盟記念日」「源内忌」
 1956年(昭和31年)のこの日、国連総会で全会一致により、日本の国連加盟が可決されたき、この日は「国連加盟記念日」ながよ。1933年(昭和8年)の国際連盟脱退から23年ぶりの、日本が国際社会復帰を果たした日ともいえるがぜよ。

 また1779年(安永8年)のこの日は、江戸時代の学者・平賀源内が亡くなった日やき、この日は「源内忌」でもあるがやと。マルチな才能を発揮して様々な発明や工夫をした源内は、江戸時代のダウ゛ィンチやエジソンと表現するががピッタリやないろかのお。

 ほいたらこの日は、まずは平賀源内さんを偲んで、身近なとこで簡単な発明や工夫を考えてもうぜや。なんちゃあ思いつかいじゃちかまうもんか。じっくり考えてみるっちゅうことに意味があるがやき。

 ほんで夜は、国際平和を祈りもって飲まにゃあイカンぜよ。毎月18日は「米の日」じゃき、日本酒を飲まなあイカンがやき。食べるもんは「18日」やき語呂合わせで「じょう(十)や(八)なべ」=「常夜鍋」(とこやなべ、じょうよなべ、とも言う。)はどうぜよ。鍋に昆布ダシと日本酒を入れて、豚肉とホウレンソウをサッとゆでちゃあ食べる、こじゃんとシンプルな鍋料理ながよ。

 毎晩食べたち飽きんき、この名が付いちゅうがやき。こりゃあ合わせる酒も、シンプルな普通の純米酒を、なんちゃあせんとそのまんまを湯呑みでっちゅうあたりがぴったりやろう。

 実はこじゃんと考え抜いた後、こうやって楽しゅう飲み食いしよったら、突然発明や発見のアイデアが降ってきたりするもんながやき。源内さんのエレキテルを超える発明、世界平和に貢献するばあの発明を思いつくかもしれんぜよ。

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この記事へのコメント
荻生待也の妹です。
兄ほど世間を受け付けない変わり者は居ないと思います。
しかし、こつこつと勉強する様は鬼気迫るものがあり、窓が開かないぼろぼろの家で、扇風機すらなく、買ってあげると言うと”兄貴を馬鹿にするのか!この野郎”
熱中症で死んでやしないか?と時折様子を見に行き、明かりがあれば○。そっと帰ります。
酒だけは別物らしく時折送ると喜んでくれ、根っからの酒徒
なのだと思います。
最近すごい本を出しました。<図説ことばあそび遊辞苑>
何の事やら?言葉の遊び?それがどーした。と思ってましたいやいやびっくり!すごい本です。
人は暗号の中に思いの丈を残すのだ。と知りました。とにかく凄い。不躾ながらメールさせて頂きました。見てください
Posted by 内山久美子 at 2007年11月07日 21:58
内山久美子さん、コメントありがとうぜよ!

 やっぱりあれほどの凄い本をお書きになる方は、のめり込みかたにも凄いものがあるがやのう。納得してしもうたぜよ。

オススメの「図説ことばあそび遊辞苑」、ぜひ読んでみたいと思いゆうがやき。
Posted by 竹村 昭彦 at 2007年11月08日 14:45