


そんな中、平成17酒造年度最終の大吟醸酒の酒槽搾り(さかふねしぼり)が行われたがやき。今年度から新蔵「平成蔵」が稼働し始めたとはいえ、大吟醸酒は昔ながらの「蓋麹法」(ふたこうじほう)で製麹(せいぎく)され、搾りも昔ながらの「酒槽」っちゅう圧搾機で搾られゆうがよ。発酵・熟成した大吟醸もろみを酒袋に詰めて酒槽に並べ、最初は一切圧力は加えんと、自らの重みと自然の重力ばあで搾られるがぜよ。


「ふな口」からは、こじゃんとフルーティな芳香とともに、チョロチョロと貴重な大吟醸酒の雫が流れ出いてくるがやき。その雫酒をすくうて口に含みゃあ、まっこと大輪の牡丹の花が開いたかとゆうばあ華やかな香りと、こじゃんと豊かでまろやかな旨みが、口中で見事に膨らんでいくがぜよ。精米歩合35%の純米大吟醸。

こりゃ今年度最高に香り高い大吟醸酒やないろうか。辺り一面も、甘うて華やかな香りが充満しちょったほどやったがやき。全体的に見りゃあ、今年度は米の出来も良うて、何よりよう冷え込んだきに、ここ数年間で見たち、最高の品質の当たり年やないろうかのお。これまで長期低迷と言われ続けた日本酒やけんど、今年はいよいよ日本酒復活の年になりそうな、そんな予感が確信に近付いてきたがぜよ。
夕方からは、酒蔵ん中で、コシキ倒しのお祝いの宴やったがよ。「コシキ」っちゅうんは米を蒸すセイロみたいな桶状のもん。日本酒造りの酒米は、炊くんやのうて、蒸すがやき。
ほんで、この米を蒸すっちゅう行程の全作業が終了した時に、そのコシキを倒すきに、「コシキ倒し」と呼ばれゆうがよ。今年の酒造りも、無事全ての米が蒸し終わりましたよっちゅうことで、蔵内でお祝いの宴を開くことになっちゅうがやき。実際のコシキ倒し、つまり最終の蒸し米は3月8日やったがやけんど、コシキ倒しの宴としては昨日やったがよ。
今年は、蔵人数が減り、新蔵も初めての稼働で、何かと蔵人の皆さんと醸造部の皆さんにゃあご苦労をおかけしました。お陰様で、素晴らしいお酒が生まれ、育ちよります。ホンマにお疲れ様でした。心から感謝申し上げますぜよ。まだ「皆造」(かいぞう=酒を皆、造る、つまり造りを終えること。)までは日数もあり、まだまだ仕事も足るばあ残っちゅうき、今後の仕事もよろしゅうお願い申し上げます。
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司牡丹酒造株式会社
連載コーナー「酒飲みの言い訳 365日、明日も飲めるゼヨ!」
〈3月16日〉「国立公園指定記念日」「十六団子」
1934年(昭和9年)のこの日、日本で初めて国立公園が指定されたき、この日は「国立公園指定記念日」ながぜよ。当時、内務省から指定を受けたがは、瀬戸内海、雲仙(現在の雲仙天草)、霧島(現在の霧島屋久)の3ヶ所やったがやと。国立公園は我が国の風景を代表する自然の景勝地で、環境大臣が指定した公園ながよ。現在は、28の国立公園が指定されちゅうがやき。
さらにこの日は、田の神が山から戻って来るとされ、団子を16個供えて神を迎える行事「十六団子」の日でもあるがぜよ。東北地方の各地に、今でも残っちゅう風習ながやと。
ほいたらこの日は、まずは近隣に国立公園がある人は、そこに行ってみにゃあイカンがやき。近隣に国立公園がない方は、それなりの近所の景勝地を見に行こうぜや。たまにゃあ何も考えんと美しい風景に見入るがも、えいもんぜよ。
ほんで晩は、団子料理の数々をツマミに飲まにゃあイカンがよ。イカ団子、ツミレ団子、魚のアラの団子等々、案外酒のアテになりそうな団子が、いろいろあるがやき。ほんなら酒は日本酒、定番の本醸造酒や純米酒を、ヒヤ(常温)でコップ酒っちゅうんが、案外お洒落な飲み方になってきゆうきに、是非やってもうぜや。