高知県文化環境部文化推進課(高知市丸ノ内1-2-20 TEL:088-823-9793 http://www.pref.kochi.jp/~bunka/bunka/kaze/main.html)が年4回発行しゆう、季刊の高知県文化広報誌「とさのかぜ」(絵の号・VOL40)が9月30日に発刊されて、そん中に、司牡丹の「可杯(べくはい)」とワシが掲載されたがぜよ。
ちなみに「可杯」っちゅうんは、お座敷遊びらあに使う座興用の杯のことで、漢文じゃあ「可」っちゅう字は文章の一番上にしか付かん、下にゃあ付かん字やきに、下に置けん杯のことを「可杯」と呼ぶがやき。
「可杯」にもいろいろ種類があるがやけんど、土佐で一番メジャーながは、ここで取り上げた天狗・ひょっとこ・おかめからなる「三面杯」。天狗杯は鼻が長うて下に置いたら中の酒がこぼれるき、この鼻先まで酒が入るデッカイ杯を一気に飲み干さにゃあイカンがよ。ひょっとこ杯は口んところに穴があいちょって、指で穴をふさいで酒を注いで、これも一気に飲み干さにゃあ置けれんがやき。一番ちんまいおかめ杯だっけ、唯一下に置けるがよ。杯にゃあ面の図柄が描かれたコマがセットになっちょって、回したコマの先が向いた酒客が罰として、出た図柄の可杯に従うて飲まにゃあイカンがぜよ。さらに土佐じゃあ、可杯のコマは「ベロベロの神様」の唄に合わいて、手拍子しもって回すがやき。
「ベロベロの神様は
正直な神様よ
お酒(ささ)のほうへとおもむきゃれ
エェ、おもむきゃれ」
歌詞の「お酒」の部分を、「男前のほうへ」とか「スケベのほうへ」とか一部変えて遊びゃあ、一層座は盛り上がるっちゅう訳ながよ。豪快で陽気な土佐人の宴席に、これっぱあ似合う遊びはないがやないろうか。
けんど、実はあんまり知られちゃあせん事実ながやけんど、この可杯は元々は土佐オリジナルの文化じゃあないがぜよ。その歴史は意外と新しゅうて、昭和51年にウチの、司牡丹酒造の現会長が、酒と可杯をセットにして販売したががきっかけやったがやき。可杯は、古うは日本中にあった酒席のお遊びやったがやけんど、いつしかそれが廃れて、当時は祇園らあの一部にしか残ってなかったがよ。これをウチの会長が復活さいて、高知で流行らせたっちゅう訳ながやき。
さらに元々は、可杯と「ベロベロの神様」は別の遊びやったがが、高知の料亭らあでいつの間にか合体して、現在のような土佐スタイルのお座敷遊びに進化してきたがよ。これが土佐の地にあまりにもピッタリとハマってしもうて、今や「はし拳」とともに土佐を代表する酒文化、伝統にまでなってしもうたがぜよ。「はし拳」は、江戸時代から続く土佐オリジナルの伝統文化やけんど、可杯の土佐での歴史は、実はわずか30年ばあしかないらあて、誰っちゃあ知らんがやないろかのう。
まあそんなことで、この度「可杯」が、高知県文化広報誌「とさのかぜ」の「勝手に重要文化財」っちゅう連載コーナーに取り上げられ、めでたく認定第十八号となったっちゅう訳ながぜよ。「勝手に」認定するたぁいえ、一応、県の文化広報誌やき、こりゃあなかなか名誉なことながやき。
ほいたら、さて皆さん。高知県の「勝手に重要文化財」にも認定された「可杯」で遊んで、宴席を盛り上げてみんかよ?ちなみに「可杯」自体は、次の司牡丹ホームページでも通販されよって、遊び方がよう分からん方らあも、次のホームページの「人生豊かに!土佐のお座敷遊び」ビデオを見りゃあバッチリながよ!たまにゃあ、伝統的なお座敷遊びも、楽しいもんながぜよ。
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