2006年10月08日

幸せの言の葉〈25〉

「和して同ぜず」(孔子)

「論語」の中にゃあ、「君子は和して同ぜず。小人は同して和せず。」っちゅうて紹介されちゅう、孔子の言葉ながよ。ようできた人はお互いの違いを認めもって、和やかに親しみ合う。できちょらん人は、他人に迎合、付和雷同するっちゅう意味ながやき。「和」と「同」は、一見同じように見えるかもしれんけんど、ほんまに和することは、単に同調することたぁ全然違うがぜよ。

実はこの言葉「和而不同(和して同ぜず)」は、ワシが大学時代に入っちょった自治寮の集会所の額に掲げられちょった言葉で、この額を見もって、大声で寮歌らあを歌わせられたき、こじゃんと心に残っちゅう言葉ながやき。先輩らあからその言葉の意味は教えられざったけんど、毎日黙って見つめもって大声で寮歌らあを歌いよったら、いつの間にか何とのうその意味が理解できて、チクと不思議な感覚になったがを、今でもよう覚えちゅうがよ。読書百編、意おのずから通ずっちゅうけんど、こういうことながやろうのう。

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