昨日の10月10日は、司牡丹酒造第92期の始業式やったがぜよ。司牡丹は9月末が決算やし、新酒造年度の酒造りは10月1日から始まるき、だいたい毎年今頃に全社員と全蔵人を集めて、始業式を開催しゆうがやき。
ちなみに司牡丹の創業は慶長8年(1603年)で、株式会社創立は大正7年(1918年)ながよ。この会社創立の年を第1期とすりゃあ、本来なら今年は第89期にならにゃあイカンがやけんど、設立当初は1期が半年やったことが3年ばああって、今年が第92期になるっちゅう訳ながぜよ。
始業式は、まず社長示達から始まって、常務示達、各部長の方針発表、永年勤続表彰、会長挨拶と乾杯、宴会へと続くがよ。ほんで今回のブログじゃあ、社長示達の中から、今期のスローガンについて書いてもうかのう。
前期、第91期のスローガンは「和顔愛語(わげんあいご)・和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」やったがやき。人と応対する時はいつじゃち、相手の身になって考え、柔和な表情や態度、愛のある言葉を心がけようや。その上で、和をもって醸造すりゃあ、最高にえい酒が醸されるがぜよ。まあ、そんな意味のスローガンやったがよ。ほんで今期、第92期のスローガンは、以下の通りながやき。
「絆づくり・・・〈声なき声〉を目に見えるカタチに!」
,客様の知らんかった日本酒の新しい楽しさや豊かさを、ハッキリと目に見えるカタチで伝え、「ワー、スゴイ、ウレシイ!」っちゅうて叫んでもらうことを、「ここまでやるか」というばあ徹底的に間断のう提案し続ける。
△修鵑蔽罎如△客様との関係を深め絆をつくり、お客様の「声なき声」を徹底的に聴き、全ての根本をお客様の視点に置き、進化し続ける願望をとらえ続ける。
インターネット社会、総表現社会のシステムを理解し、駆使し続ける。
ちくと解説すりゃあ、まず時代が変わって、モノが売れんなったがよ。モノがあふれ、生活者の願望は進化し、「モノ・単品」選択から「品番」選択へ、さらに「コト・ソリューション」選択に進化したがやき。つまり、「米」が欲しい、「日本酒」が欲しい、が「モノ・単品」選択。「魚沼産コシヒカリ」が欲しい、「司牡丹・船中八策」が欲しい、が「品番」選択。
「今夜の楽しゅう豊かな食卓」っちゅうコトに対する、ワタシにピッタリの解決策(ソリューション)が欲しいっちゅうんが、「コト・ソリューション」選択ながよ。こうなってくりゃあ、生活者は実は欲しい内容を自分自身でハッキリと表現できんがよ。これが「知覚できんニーズ」、「声なき声」ながぜよ。今、モノが売れんなった理由、あらゆる分野の企業が衰退していった理由は、こういうことながよ。あらゆる業界、あらゆる企業にとっちゃあスゴイ危機ながやき。けんど同時に凄いチャンスでもあるがよ。衰退して潰れていく大企業や老舗もありゃあ、進化して発展していく企業や老舗もあるがやき。
ほんで、いくつか進化した企業の事例を挙げさいてもうたがよ。「アスクル」「味の素」「カゴメ」「マンダム」・・・詳しゅうは、「8月22日」「9月17日」のブログを参照してもらいたいがやき。ほんでさらにスゴイ事例として、「ハーレーダビットソンジャパン」の話しもさいてもうたがよ。これについちゃあ「9月18日」のブログに詳しいがぜよ。
どの企業の事例も、「ここまでやるか」っちゅうばあ徹底して、ハッキリと目に見えるカタチで生活者に伝えようとしゆうがよ。そんな中で、生活者の「声なき声」をとらえ、進化しもって、生活者との関係を深め、絆をつくっていきゆう・・・。ひるがえって、司牡丹はどうじゃろう?果たしてそこまでできちゅうろうか?「ハッキリと目に見えるカタチ」で、日本酒ならではの楽しさや豊かさを提案できゆうろうか?・・・まだまだできちゃあせんがやき。日本酒にゃあ、まだまだやれるこたぁこじゃんとあるがぜよ!
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