

まず「全国清酒品評会」たぁ、財団法人日本醸造協会の手により、明治40年(1906年)に始まり、隔年開催され、昭和13年(1938年)の第16回をもって幕を閉じた、全国規模の日本酒の品評会やったがやき。現在も開催されゆう「全国新酒鑑評会」の、まさに先駆けとも言え、ここからやがて「吟醸酒」っちゅう日本酒の芸術品が誕生することになる、まさに伝説の品評会やったがぜよ。

また、「全国清酒品評会」は、途中から味醂・焼酎を加え、さらに隔回に醤油を加え、日本の発酵飲料調味料文化の事績を記した大イベントでもあったがやき。
けんど、残念ながらこの事業は、主催者が太平洋戦争での空襲っちゅう戦禍におうたため、正式な記録は残ってないとされちょったがよ。わずかに、昭和27年(1957年)に刊行された山田正一著「酒造 清酒編」(日本醸造協会)に、各回の上位三位の銘柄が残されるのみやったがやき。(ちなみに、同記録は、昭和56年の篠田次郎著「日本の酒づくり」(中公新書)に転載されたがよ。)
その後、建築家であり吟醸酒研究の第一人者、篠田次郎先生らあが立ち上げた「特定非営利活動法人 吟醸酒研究機構」(東京都文京区湯島4-6-12湯島ハイタウンB棟1308(株)篠田安藤建築設計事務所内

そして、ある日、この世にゃあもはや存在せんと思われちょった、幻の全国清酒品評会の正式記録ともいうべきもんが、奇跡としか思えん経緯で「吟醸酒研究機構」に漂着!最新のスキャニングIT技術を駆使し、平成18年9月、遂に伝説の「全国清酒品評会・全記録」〈復刻版〉が刊行されたっちゅう訳ながぜよ!
原本全3161ページ(菊版)をA4版約500ページ6分冊に製本、原本スキャンCD1枚もセットにブックケースに納め、全重量約6.5kg、頒価115000円。この偉大なる復刻事業に協力、購入した蔵元は次の10社ながよ。
「浦霞」(宮城)「新政」(秋田)「大七」(福島)「越乃寒梅」(新潟)「満寿泉」(富山)「一本義」(福井)「月桂冠」(京都)「梅錦」(愛媛)「司牡丹」(高知)「西の関」(大分)
他に、日本酒造組合中央会、東京農業大学、広島大学大学院文学研究科日本史学研究室も、ご協力ご購入いただいたがやと。また、下記の4機関にゃあ、「吟醸酒研究機構」から寄贈、納本したがやと。
「財団法人 日本醸造協会」「特別行政法人 酒類総合研究所」「国立国会図書館」「国税庁税務大学校」「酒税関係資料担当」
さて、この「全国清酒品評会・全記録」〈復刻版〉。その復刻の意義は、まっことこじゃんと大きいがぜよ。まず、その内容の幅の広さと大きさ。業界あげての大催事の毎回を、こと細かに記録しちゃあって、これさえありゃあ同様の催事を直ちに立ち上げることができるろう。


さらに明細な決算書もあるきに、物価の推移らあもうかがい知ることができるがやき。
ほんで篠田先生は、「この〈全記録〉を手にした人々に、多くの研究課題をもたらすことを期待しちゅうがやき。」とおっしゃるがよ。確かにこりゃあ、見方によっちゃあ、宝の山ながよ。例えば「司牡丹」は、この全記録によりゃあ入賞の常連で、優等賞も獲得し、昭和13年(1938年)の最後の第16回品評会じゃあ、遂に四国唯一の偉大なる名誉賞を受賞しちゅうがやき。
「司牡丹」の酒名になったがは大正8年(1918年)からやき(創業は1603年)、つまりこの全記録を見りゃあ、「司牡丹」の酒名が付けられた頃、田中光顕伯爵が「天下の芳醇なり。今後は酒の王たるべし。」と言うて命名された頃の酒質を、そっくりそのまんま現代に蘇らせることも可能やっちゅうことながぜよ。まっこと、宝の山の偉大な文化遺産復刻事業、篠田先生をはじめとする「吟醸酒研究機構」の皆さん、ほんまにありがとうございました。心から感謝申し上げますぜよ!

ちなみに、第1回品評会は、実に出品数2千数百点を集め、明治40年(1907年)10月14日に開催されちゅうがよ。その日から丁度100年目の、平成18年(2007年)10月14日(明後日ぜよ!)、東京にて「全国清酒品評会・百周年お祝いパーティー」(〜同品評会全記録復刻を記念して〜)が開催されるがやき。残念ながらワシは都合で参加できんけんど、司牡丹のお酒の方は、このお祝いのパーティーに出品するっちゅう栄誉に輝いたがやき。「司牡丹・酒槽搾り純米大吟醸」が出品されるがぜよ。
まっこと、将来この記念すべき10月14日を、「日本酒文化の日」とか、「吟醸酒の日」とかに制定するべきかもしれんのう!
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