

だいたい、この著者名からしてアヤシイがやき。しかも著者の紹介欄にゃあ、次のように書かれちゅうがよ。
「日本文化に造詣の深い、自称イタリア生まれの30代。現在は千葉県民。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくはマクドナルドの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。」
・・・って、こりゃ何ちゃあ紹介になっちゃあせんじゃいかっ!・・・と、思わずツッコミをいれとうなる、まさにタイトルにピッタシの著者紹介ながやき。さらに本の帯にゃあ、「愛と勇気とお笑いと。」と大書されちょって、漫画家の吉田戦車さんの絵が、いっそう笑いを誘うがぜよ。
さて、内容やけんど、著者が「家政法経学院大 宝塚記念小講堂」(あるかいっ!とツッコミ!)において、講演(公演)をしゆうっちゅうスタイルながよ。だしぬけに舞台袖から知らん人らあが出てきて、コントや漫才が始まったりするきに、講演と公演を兼ねちゅうっちゅうがぜよ。
まずは「愛の章・・・わかりにくさは罪である」。この著者の主張にゃあ、ワシゃあゲニしょうまっこと大賛成で、おおいに膝を打ったがやき。著者はズバリ、「愛とはわかりやすさである」と断言するがぜよ。ほんで、自分が30代後半で独身やからっちゅう理由も含めて、このごろの日本にゃあ、愛がたりんと主張するがやき。
さらに、「わかりやすきゃあえいっちゅうもんやないろがよ」みたいなことを言う学者を、「学者病の最たる症状、というか、末期症状」っちゅうて、こぢゃんと批判するがよ。ほんで「わかりやすう」に、具体的なたとえを挙げるがやき。
特殊な物理学みたいな、一般にゃあまるでなじみのない専門的な研究をしゆう独身男に、理工系の知識がまったくない彼女ができたっちゅうたとえながよ。その彼女に、「あなた、毎日どんな研究しゆうが?」っちゅうて聞かれたら、男はどうするか。必死になってわかりやすう説明するはずやろうと。少のうたち、必死に伝える努力をするはずやと。この、恋人にわかりやすう説明しょうとする気持ちが、愛やというがぜよ。ほいたらなんでその愛情を、学生や一般の人にも向けようとせんがか。「わかりやすきゃあえいっちゅうもんやないろがよ」らあて平気でいい放つ学者は、学生や一般人にわかってもらおうっちゅう愛がまるでないがよ。そんな料簡で学生に教えゆうき、大学生の学力が低下するがもムリはないと、著者はいい放つがやき。ほんで、これからの時代は、シロウトに説明できるばあの国語能力を持つことが、プロの条件やと断言するがぜよ。
続いては「笑いの章・・・つっこみ力の真髄」。
著者は、人は正しさだけじゃあ興味を持ってくれんというがよ。人はその正しさをオモロイと感じたときだっけ、反応してくれるがやと。本当に重要ながは正しさやのうて、付加価値であるおもしろさのほうやと。正しいと思うたことを、いかにおもしろうに伝えられるかが重要やに、識者も学者も教育者も、それをあまりにも軽視しちゅう。大衆に媚びる必要はないけんど、ウケを狙いにいくことは大切やというがやき。ほんで、「正しさ」にこだわり続けるかぎり、論理力もメディアリテラシー(テレビや新聞らあのメディアが伝える内容にゃあ、制作側の意図による偏りが含まれちゅうき、鵜呑みにせんと、制作者の意図をきちんと見抜いて判断しましょうっちゅう意味。)も、つねに敗れ去る運命にあると、著者は断言するがぜよ。
そこで「つっこみ力」の出番やと。
たとえば、何かの間違いに気づいたとして、すぐに訂正するがはヤボの骨頂。こんな時、お笑い芸人やったらどうするか、考えてみろうっちゅうがやき。まず、場を盛り上げれるかどうか。次にそれが自分にとっておいしいかどうかやと。「つっこみ力」は、場を盛り上げろうとするサービス精神と、自己犠牲の精神が息づいちゅう点で、批判や批評、メディアリテラシーたぁ一線を画すっちゅうがぜよ。
次は「勇気の章・・・権威へのつっこみ」。著者はここで、コメディアンのメル・ブルックスさんの言葉を挙げるがよ。
「暴君と戦うにゃあ、説教や雄弁やのうて、嘲りのほうが効果がある。彼らは論争に強いき、討論で勝つこたぁできん。けんど、永久に笑い飛ばすこたぁできる。」
ほんで、権威へつっこむときのコツは、つねに第三者の存在を意識することやと。相手の論理をどう打ち負かすからあ二の次やと。周囲の人を愉しませて巻き込み、あわよくば味方につけるがが、つっこみ力の理想ながやっちゅうがやき。論理的に相手を倒せいじゃち、相手をいじるパフォーマンスを見せることで、「そういわれりゃあ、なんかヘンぜよ」っちゅう感覚を、多くの人の頭に植えつけることができりゃあえいがぜよ。検察や裁判長やのうて、裁判員を説得すりゃあえいっちゅうことながやき。そのためにゃあ、やっぱし、わかりやすう伝える愛、そして、お笑いが不可欠やと。「つっこみ力」の三本柱「愛と勇気とお笑い」の相互作用がいかに重要であるかっちゅうことながぜよ。
この後は、愛と勇気とお笑いの精神に則って、趣向を凝らいたつっこみ実践。笑い飛ばすターゲットを、社会科学の中でも最も権威主義的傾向の強い経済学に設定して、まじめな優等生の女子学生と、お調子者でバカな男子学生の組み合わせで、漫才が始まるがぜよ。面白うない代表みたいな経済学をネタに、ようここまでネタにできると、爆笑しもって感心してしまう内容ながよ。
その後もさらに、「幕間:みんなのハローワーク・・・職業って、なんだろう」、「第二夜:データとのつきあいかた」と続くがやけんど、あとは是非ご自分でお読みくださいや。難しい内容やち、ここまで面白うてわかりやすう書けるもんながやっちゅうことが、爆笑しもって学べるがぜよ。
この書籍を、日本の学者や教育者と言われる方々や政治家の方々らあがちっとでも参考にしてくれりゃあ、日本の学問や政治はまっこと面白うなって、いじめや自殺も少のうなって、日本はこぢゃんと面白い国に変わるがやないろかのう。
「おもしろさは、人それぞれながよ。ほんじゃき、社会をおもしろうするためにゃあ、多くの国民の意見に耳を傾けにゃあならんがやき。政治家は大変な労力を求められるがよ。けんど、それこそが民主主義の精神なわけで、民主主義国家たぁ、正しい国のことやのうて、おもしろい国のことながぜよ。」(パオロ・マッツァリーノ)
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