ほんで今回の講座は、水口先生の「戦略アドバイス」と、ゲストスピーチは日本経済新聞社・流通経済部編集委員の井本省吾氏のお話しやったがやき。まずは、水口先生のお話しの内容は、以下の通りやったがぜよ。
戦略アドバイス「表舞台（サービス）と裏舞台（モノづくり）」
〈1〉ちょっとコワイ話
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1945〜'60年頃に生まれたがは「農業社会の子供たち」。'60〜'75年は「産業社会の子供たち」。'75年からは「消費社会の子供たち」。さらに'80年代にゃあ、「新しい子供たち」が登場してきたっちゅうがぜよ。鍛えられて大人になるっちゅう経験がのうて、自分に得になることしかせん、親や教師の言うことも聞かん、忍耐力や躾がない、そんな子供らあが、成人になっちゅうがよ。こんな子供らあが出現しゆうがは、日本だけやっちゅうがやき。詳しゅうは、諏訪哲二著「オレ様化する子どもたち」「なぜ勉強させるのか」をご参照とのことぜよ。
��団塊格差
三浦展著「団塊格差」を参照とのことながよ。団塊世代の男性も女性も、それぞれ7つのクラスタに分けられ、格差が大きゅうひらいちゅうがやと。ちなみに団塊世代の子供の3割はニートらしいがやき。
〈2〉表舞台と裏舞台
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J・トゥポール著「サービス・ストラテジー」を参照とのことながよ。モノを買うて使う際、モノ自体の意味はドンドン小そうなりゆうっちゅうがやき。パソコン本体の意味よりか、使い方の方が意味が大きいっちゅうことながよ。モノの意味を悦びに変えることができる、サービスの部分だっけが、重要度が上がっていくがぜよ。ちなみに「サービスの本質」たぁ、以下の4つやと言うがやき。
●保存がきかん。
●生み出すと同時に消費。
●在庫が持てん。
●日、週、月、激しい波。
ほんでこれらあ4つは、製造業が持っちゅうロジックにゃあ、基本的に合わんっちゅうがぜよ。
��表舞台と裏舞台
J・トゥポールさんは、「サービス イズ フロントステージ！」っちゅて言うがよ。モノづくりは裏舞台で、サービスが表舞台やと。ほんで、これからはモノづくりとサービスの境目が消滅する時代やっちゅうがよ。そのマーケティング戦略は、4Pマーケティングに「プロセス」と「ピープル」の2つのPをプラスして、6Pマーケティングやっちゅうがやき。どんな酒を飲むかより、誰とどういう風に楽しむかが表舞台やっちゃうことながよ。
水口先生は、大筋でトゥポールさんの意見に賛成しながらも、一部で批判的ながやき。水口先生は、メーカーがサービス業になるがは不可能やき、接点企業（流通業など）の集客力に向こうて、メーカーは営業せにゃあイカンっちゅう意見ながよ。
〈3〉リフォーム・ドラマ
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リフォーム会社を例にあげて、水口先生はモノよりコト、サービスの重要度について解説してくれるがやき。まず（1）集客・ひきあい（2）現調・うちあわせで、お客様の「こまったどうしょう？」と出会う。ほんで（3）顧客理解・プランニング（4）プレゼンを通過して、（5）施工の管理（6）完成・引き渡し（7）アフターサービス・メンテナンスときて、「ワースゴイ、うれしい、ありがとう！」とお客様に言わせる。つまり、お客様の「困った」を「うれしい」に変える仕事ながよ。明らかにモノよりかコト、サービスが重要になるがぜよ。
��喜多ハウジング
金沢で、安心リフォームシステムを展開しゆう、顧客満足度もデザインも最高っちゅう伝説的な会社ながよ。この会社のステップは3段階。（1）問題発見ゾーン（2）気づきゾーン（3）問題解決＆満足継続ゾーンの3つながやき。食器は和食器が多いか洋食器が多いか、買い物は週に何回行くか、らあを聞き出すことが重要で、それによってリフォームの解決策は異なるっちゅうがぜよ。そのために、「気づきゾーン」じゃあ、お客様やアドバイザーやプランナーらあと一緒に「共創プロジェクト」を立ち上げるっちゅうがやき。
��エビサワ商店
マンションのリモデルを中心ビジネスとする、大阪の会社ながよ。従業員14人で売上は8億円ながやと。ポリシーは次の3つぜよ。
（1）自分の家、親の家のつもりで仕事をする。
（2）一生涯のお付き合いの気持ち。
（3）住まいの要求は全て受ける。
例えば、家電品について注文を受けりゃあ、その町で一番安い店と同じ価格で納入するっちゅうがやき。また、顧客ライフ理解は徹底しちょって、現調は30分、世間話が2時間半やっちゅうがよ！冷蔵庫に貼っちゃあるメモの1枚からでも話しを膨らませ、顧客ライフ理解に努めるっちゅうがやき。お陰で、OB顧客紹介率80％、相見積りも価格競争もない世界で商売が成り立っちゅうがぜよ。
〈4〉新創業・経営戦略
�．蓮璽譟次�新創業3ヶ年計画
あの「ライフスタイルマーケティング」のハーレーダビットソン・ジャパンが、新創業・3ヶ年計画を立てたがよ。そのためにゃあ、取引先ディーラーの継承問題が重要やとして、40数社を集めて毎月1回、4ヶ月間、水口先生と一緒に「ディーラー・新創業経営戦略」の勉強会を開催したがやと。ちなみに、ハーレーのディーラーで後継者のおらんところは、その販売らあの権利を全て剥奪されるっちゅうがやき。
�▲妊�ーラー・新創業経営戦略
「会社の歴史」「社員と組織のスキルと体質」「お客様へのお役立ち」の3つをしっかり理解して、それらあを踏まえた上で、「新経営者の思い」に昇華させにゃあイカンっちゅうがよ。ほんで、（1）使命（2）ビジョン（3）価値観（4）行動原則の4つを導き出さにゃあイカンっちゅうがやき。そんな勉強会をしたハーレーのディーラー40数社すべてから、それぞれ素晴らしい「新創業経営計画書」が提出されたっちゅうがぜよ！水口先生もこぢゃんと感心しちょったがやき。
〈5〉経験価値
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パイン＆ギルモアの「経験経済」、B・シュミットの「経験価値マーケティング」らあが出版されて以来、いよいよ日本の企業も「経験価値キャンペーン」を実施するようになってきたっちゅうがやき。
�▲優好譟Ε�ットカット
「キットカット」は、発売から30年以上が経って、なかなか売上の伸びらあ期待できん商品になってしもうちょったがよ。それが、2年前に、九州の一部の受験生らあの間で、「きっと勝っど」（方言）やき縁起がえいとして、お守り代わりに試験会場に持参されゆうっちゅう現象に気がつくがやき。以来ネスレは、この事実を元に、大々的な「経験価値キャンペーン」を展開するがよ。テレビCM、Webサイト、大学のある駅でのキャンペーン、宿泊するホテルでのプレゼントキャンペーン、受験生応援商品の開発、受験生応援ステーションの開設・・・。最近じゃあ、なんと受験生の3人に1人が「キットカット」をお守りとして会場に持参しゆうっちゅうがぜよ！さらに最近じゃあ、各地域限定の有名パティシエのキットカットまで発売されちゅうがやと。
��ロッテ・ガーナ
ロッテのガーナチョコレートも歴史の長い商品で、伸びが期待できんなっちょったがよ。それがある年、北海道のたった1軒の店で、5月だっけ異常に売上が上がるっちゅう現象があったっちゅうがやき。何でか調べてみりゃあ、その店じゃあ、母の日に赤いカーネーションと真っ赤なガーナをセットで提案しよったっちゅうがよ。以来ロッテは、「母の日に真っ赤なガーナ」っちゅう「経験価値キャンペーン」を全国で大々的に展開。いまや母の日にゃあ、テレビCMじゃあ7人のタレントが起用され、ホームページじゃあ母の日クッキング教室が公開され、全国6000店の店頭でキャンペーンが行われゆうがやと！
この２つの事例は、お客様が勝手に見つけた新しい価値に、いかに気づくかっちゅうことが重要やと、教えてくれるがぜよ。
��キリン・A・Kプロジェクト
キリンビールは、いまや全国のあらゆる県と協力し合うて、各県の食材キャンペーンを展開しゆうがよ。例えば「A・Kプロジェクト」っちゅうんは、秋田県の食材を応援するキャンペーン。比内地鶏らあとビールをクロスマーチャンダイジングさいて、展開していくっちゅうがよ。ホームページに詳しゅうは掲載されちゅうがやき。
〈6〉酒、新しい感動へ
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以前は、ワインの関係者から「日本酒は米から語れん商品」と言われたがよ。ワインは、土から、畑から、風土から、ブドウから語れるけんど、日本酒はみんなあ同じ米（例えば兵庫の山田錦）を使いゆうとこだらけやいか、と。けんど、最近は日本酒も米から語れるようになってきたがやき。新潟も、「越淡麗」っちゅう地元産の米を使うて、「水・風・土・米」を語りだいたがよ。秋田も、宮城も、愛媛も、高知も・・・あらゆる県で地元産の米を使うて、同様の試みが成されゆうがやき。こりゃあ、新しい「日本酒・地産・統合ブランド戦略」に育っていく流れやないかと、水口先生はおっしゃるがぜよ。
�◆崕椶匹�・うまいもの自慢会」
「日本八壺会」の12蔵が立ち上げた「旬どき・うまいもの自慢会」（http://umaimonojiman.jp/）は、この「日本酒・地産・統合ブランド戦略」の流れにも、またここまで語ってきた世の中の流れにも、見事に合致しちゅうと水口先生はエールを送ってくれるがぜよ。
水口先生の「戦略アドバイス」の後は、日本経済新聞社・流通経済部編集委員の井本省吾氏のゲストスピーチ「百貨店の合従連衡のゆくえ」やったがよ。既にかなり長うなってしもうたき、ここは簡単にご紹介しちょくぜよ。日本の百貨店は、店舗は供給過剰、需要は縮小しゆう中、売上高は15年で2兆円弱減少し、今後もさらに売上は下がると言われゆうがよ。そんな中で、大丸・松坂屋連合、阪急・阪神連合、伊勢丹・地方百貨店連合らあが誕生。さらに連合や統合は進んでいくっちゅうがよ。また、アメリカじゃあ既に大型ショッピングセンターは、近隣型のネイバーフッド型ショッピングセンターに食われ、廃墟になっちゅうくがゴマンとあるけんど、日本もいずれそうなっていく可能性があるっちゅうお話しやったがやき。
その後は、みんなあで懇親会。「讃岐の四季の香 ばんげ」（港区三田1-11-9東京さぬき倶楽部内 
TEL:03-3455-5551 http://www.bange.jp）に向こうたがよ。香川県の出先施設の中に、なかなか立派な庭園があって、そん中に古い建築物が移築されちょって、なかなか素晴らしい環境ながやき。ここで、讃岐料理と讃岐の地酒や自分らあが持ち込んだお酒らあを飲みもって、みんなあで酌み交わし合い、語り合うたがよ。水口先生からは、「旬どき・うまいもの自慢会」に対する、助言やさらなる励ましのお言葉をいただいたがやき。水口先生、いっつもこぢゃんと勉強になるお話しを、まっことありがとうございますぜよ！今後ともよろしゅうお願い申し上げますきに！
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司牡丹酒造株式会社
