「心がいっつも泡立っちょったら、自分の本質がわかってこんきに。」(海原純子)
日本で初めて、女性の健康管理にストレスマネージメントを踏まえたクリニックを開設した医学博士で、歌手として定期的にライブ活動も行い、著書も多数っちゅう海原純子さんの「言の葉」ながよ。
まず海原さんは、「ふと」っちゅう瞬間を大事にしちゅうがやと。そんな瞬間を大事にしちょったら、その「ふと」何かしたことが、自分らしさにつながっていくような気がするっちゅうがやき。「ふと」っちゅうんは、自分らしさを告げる天使の羽の羽ばたきやとまで言うがぜよ。ほんで、自分らしゅう生きるっちゅうんは、体の声に忠実やっちゅうことやと。ほんじゃき、ふと何か食べたい、っちゅう欲求がハッキリしちゅう人っちゅうんは、自分の体の声に忠実に耳を傾けられる人やと言うがぜよ。頭で考えすぎたら、自分らしさが分からんようになるっちゅうことながやろう。
また、カウンセリングで人と深うに関わって気づいたらしいがやけんど、人間は、表面の条件はみんなあ不平等ながやけんど、トータルな個々の人生で比べてみりゃあ、こぢゃんと平等にできちゅうっちゅうがよ。大変なことに出会うちゅう人は、大変なことを受け止めるばあの素晴らしいキャパをちゃんと持っちゅうがやと。ほんじゃき、落ち込む必要らあのうて、その自分の能力とキャパに早う気づいてほしいっちゅうがぜよ。いま大変なことに出会うちゅう人にとっちゃあ、こぢゃんと勇気を与えてくれる「言の葉」やと思わんかよ。
さらに海原さんは、時間はこぢゃんと大切やけんど、一番大事ながは、時間の量やのうて、時間の質やっちゅうがよ。おんなじ3分やち1時間に値する3分もありゃあ、逆のこともあると。一つ一つのことを集中して心を込めてすることで、時間は活きてくるがやと。また、忙しい中にも、自分の中に返る時間を持つことも必要やっちゅうがよ。そのためにゃあ、静かな時間を持つことを薦めるがやき。たとえば、池の水がずーっと泡立っちょったら、きれいな上澄みはできんがやと。けんど、どんなに荒れた海や池やち、だんだん静まってくりゃあ下に砂や土が沈んで、きれいな上澄みができてくるっちゅうがよ。人間の心もこれとおんなじで、いっつもいっつも泡立っちょったら自分の本質がわかってこんっちゅうがやき。一人で瞑想して、静かな時間を持つことで、いろんな泡立ったもんを下に沈めて、きれいな自分の上澄みを作る。ほんで、自分らしさに気づくことが大事やと、海原さんは言うがぜよ。
まっこと海原さんからは、こぢゃんとえい「言の葉」の花束を、足るばあもらえたような気がせんかよ!
「叱る言葉」(FRAU編集部 講談社)より