「知性を高める唯一の方法は、何事も決めつけんこと。すなわち、あらゆる思想に対して心を広うにすることながぜよ。」(ジョン・キーツ)
自分の意見や主張、哲学や思想を持つこたぁ大切ながよ。けんど、それに固執するあまり、決めつけたり、他人に押しつけたりするがはイカンがやき。
なんぼ自分はそれが正しいと信じちょったち、ひとつの意見や主張に凝り固まってしもうて、他人の意見や主張を一切受け付けんなってしもうたら、もはや自分の進歩は止まってしまうがやないろうか。ほいたら、それ以上知性が高まるこたぁないっちゅうことながぜよ。
「唯一確かながは、何も確かじゃあないっちゅうことや」っちゅう言葉もあるがやき。また、世界の歴史を振り返ってみりゃあ、あらゆる巨悪は、往々にして正義の名の基に行われ、他の意見を悪と決めつけて封殺しょうとしてきたっちゅう事実も、知っちょくべきながぜよ。
人間は、誰やちみんなあ考え方は違うもんながよ。おんなじもんを見たち、どう見えるかは人それぞれ。暗闇で象を触ったとしたら、鼻を触った人は「太うて長いニシキヘビみたいな生き物や」っちゅうろうし、耳を触った人は「平ぺったい敷布みたいな生き物や」っちゅうろうし、胴体を触った人は「巨大な塊のような生き物や」っちゅうろうし、シッポを触った人は「細長いミミズみたいな生き物や」っちゅうがよ。みんなあ、一面しか見てないだっけで、誰も間違いを言いやあせんっちゅうことながやき。
結局、とにかく心を広うもとうっちゅうことながぜよ。