

相変わらずの胸がすくばあ明快な語り口と、深い洞察をこぢゃんと分かりやすう伝えてくれる文章力は、サスガの一言ながやき。とにかく、未来の日本と日本人に、こぢゃんと希望と自信を与えてくれる一冊やき、是非できるだけ沢山の方々に読んでいただきたい本ながぜよ。ちなみに長期低迷にあえぎゆう日本酒メーカーにとっても、大いに希望を与えてくれるきに、蔵元さんは、へんしも読まにゃあイカンがやき。
ほいたら、ごく簡単に内容をご紹介しちょこうか。まず日下さんは、欧米人はまだ戦国時代の弱肉強食的な社会観や人間観をたくさん持っちゅうに、日本人はそういう戦国時代を既に卒業して、その後に江戸時代っちゅう驚くばあ平和な共生社会をつくっちゅうっちゅうがぜよ。しかも、当時としちゃあ世界最大級の人口3000万人っちゅう規模で、平和な安定した社会を築き上げ、それを250年もの間維持したっちゅうがよ。
ほんで、世界がこれから平和と共生の時代へと進むやったら、日本はその模範やっちゅうがやき。アメリカ、中国、ロシアが対立して戦国時代へ逆戻りするとすりゃあ、日本に江戸時代をえい先例として、世界に教えにゃあならんっちゅうがぜよ。
日下さんは、以前にも「21世紀、世界は日本化する」(PHP研究所)っちゅう本を書かれちょって、そん中で、「グローバリゼーションの潮流の中で、日本も世界化するけんど、世界も日本化する。日本の世界化と世界の日本化が混ざり合うて、すごい21世紀になる。」っちゅうて、予言めいたことを書かれちゅうがやき。ほんで実際、その予言通り、日本はどんどん世界化し、世界はどんどん日本化してきたがぜよ。
さらに今回日下さんは、「あと3年で、世界は江戸になる!」っちゅうがやき。日下さんは、21世紀の世界は江戸時代になろうとしちょって、それが「エドナイゼーション」やっちゅうがぜよ。この江戸時代に創造され、また流行した文化・文明は現在の日本にも脈々と受け継がれちょって、いつしかそれは世界中の人らあが憧れるもんになったっちゅうがやき。歌舞伎、文楽、相撲、柔道、落語、寿司、天ぷら、和菓子・・・確かに日下さんのおっしゃる通りながやないろうか。
さらに日下さんは言うがぜよ。1990年代の不況で自信を失うた日本はアメリカから要求されたグローバリゼーションや市場原理主義に一時的にゃあ染まったもんの、どうもおかしいっちゅうて気づいて、景気が回復してからもういっぺん足元を見つめ直したところ、江戸時代っちゅう実に多種多様で豊かな文化があったことを発見したっちゅうがやき。
ほんで、世界のトップランナーになった日本が行き着く先は、実は過去にあって、それが江戸時代っちゅう世界史上でも例がないユニークな時代にあったたあ、いささか感慨深いっちゅうがよ。さらに、国際化云々っちゅうんはかけ声で、現実はむしろ、日本のルーツとも言える「江戸」に向かいゆうっちゅうがぜよ。
一般に文化創造のためにゃあ、次の5つの条件がインフラとして必要になると、日下さんは言うがやき。
(1)豊かな経済力
(2)国民の知識水準の高さ
(3)文化の歴史的伝統の高さ
(4)切磋琢磨の機会の豊富さ
(5)商品化するための多様、高度な加工技術の存在
ほんで、現在の日本はすべてを兼ね備えちょって、江戸時代の日本も十分満たしちょったと言うてえいっちゅうがぜよ。
日本は、1970年頃にゃあ、新興工業国及び大衆文化国として、世界にデビューしたっちゅうがよ。工業国として登場した後に文化産業が栄えるにゃあ、普通30年から40年のタイムラグがあるき、日本が今後、世界最先端の文化大国となるがは、2010年からっちゅうことになると、日下さんは断言するがぜよ。
さらに、そん時の日本は今の日本やのうて、江戸の文化・文明、ライフスタイルが今以上に生活に浸透しちゅうき、江戸に復古した日本である可能性が高いっちゅうがよ。つまり、日本が江戸になると。これまでは「ジャパナイゼーション」っちゅうて言われることが多かったけんど、これからは「エドナイゼーション」やと。その江戸に戻った日本に憧れて、日本を目指そうとするき、世界は江戸になっていくと。ほんじゃき2010年、世界は江戸化に向こうて進むっちゅうがぜよ。
そうなりゃあ、そん時日本酒の蔵元は、どうしゆうろう?きっと日本酒は、「世界のSAKE」になっちゅうことやろう。ほんじゃきワシらあは、そのためにゃあ今何を成すべきかを考えて、歯をくいしばって、日本酒の素晴らしさを伝える活動を、続けていくしかないがぜよ。

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司牡丹酒造株式会社
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