会場の「城西館」(高知市上町2-5-34
TEL:088-875-0111 http://www.jyoseikan.co.jp)さんに、まずは「土佐学協会」会員メンバーの皆さんが、17時半ばあに集合。受付の準備らあをして打ち合わせしたがよ。会場の蘭の間にゃあ、既に30年代の雰囲気で「おきゃく」らしいお座敷がセッティングされちょって、えい感じながぜよ。皿鉢を置く物据(ものすえ)、客席にゃあ今やこぢゃんと貴重な塗りの八寸盆、その上に小皿と杯と赤箸が置かれちゅうがよ。床の間にゃあ、掛け軸と生花、大盃、おめでたい角樽や今回出される5種類の土佐酒らあが並んで、こぢゃんと雰囲気を盛り上げてくれちゅうがやき。



受付担当は、高知女子大の学生会員の美女3名。18時ばあから、ほちぼちお客様が集まりだいて、皆さんにゃあちくと控え室でお待ちいただき、皿鉢の準備をしたがやき。

さて、いよいよ皿鉢がズラリと並び、皆さんが会場にご入場。昭和30年代の香長平野、南国市廿枝(はたえだ)地区の「おきゃく」で出されよった皿鉢料理の数々を、忠実に再現した見事なお料理に、皆さんからは歓声があがったがぜよ。テレビ局の方々も数社取材に来ていただいちょって、いよいよ雰囲気は盛り上がったがやき。まずは理事長としてのワシのご挨拶。続いては、今回お料理全般の監修をしていただいた当会顧問・土佐伝統食研究会代表の松崎淳子先生(高知女子大学名誉教授)の、お料理の解説ながよ。ほいたら、その見事に再現された昭和30年代の皿鉢料理の数々を、松崎先生の解説とともにご紹介しちょこうか。

●生・松の皿鉢

刺身の皿鉢のことを「生(なま)」っちゅうがよ。新鮮な刺身は、当時は一番のご馳走やったっちゅうがやき。この「松の皿鉢」は、さつま芋を松の幹に見たて、五葉の松と白い綿で松の姿を作り、白髪大根の土台に青ノリをかけりゃあ、苔むす岩になり、平作りのお刺身を周りに配しゃあ、岩上の老松に打ち寄せる波になるがぜよ。
●生・宝船

ヒラメの皮を帆に仕立てて、尾頭つきの中骨を船に見立てた、ヒラメの活け作りながよ。本来は舳先をその家の大黒柱に向けるがやと。
●カツオのタタキ

ニンニクのスライスを豪快に散らした、カツオのタタキの皿鉢ながよ。
●組みもの
寿司(姿寿司、巻き寿司、稲荷寿司)、しなしもの(高野づけ、凍づけ、椎茸づけ)、季節の野菜の煮つけ、和え物、甘い物(きんとん、ようかん)、果物らあを盛り合わせ、中心はサバの姿寿司が定番ながやと。●はんぺん
魚のすり身の生に山芋をすり込んで、カブの形に仕上げたもんながよ。2本の箸で巻いて取り、二杯酢でいただくがやき。
●タイの潮汁

本来やったら潮汁は、おきゃくの翌朝の「残(ざん)」に、活け作りのアラで作られ、夜の席にゃあハモやゴリの汁を出しよったがやと。ちなみにこの大きいお椀は大平(おおひら)っちゅうがやき。
●そうめん

祝い事の席のそうめんは、甘ダイらあの白身魚でダシをとって、姿の魚らあと盛り合わせたりしよったがやと。スマキ、シイタケ、卵焼きを乗せるがが定番ながよ。
●魚入りぜんざい
何ちゅうたち、これがタマルカゆうばあ目立つがぜよ!甘いぜんざいに、魚が丸ごと一匹浮いちゅうがやき、びっくりながよ。おきゃくっちゅうたら、こぢゃんとダシを使うもんやき、大鍋に白身魚を丸ごと泳がせてダシを取りよったがやと。ほんで、ダシの抜けた魚をぜんざいに入れるっちゅうがやき。ダシガラやち、甘い汁を吸やあ、結構イケるっちゅうがぜよ。●タイのたま蒸し

背開きのタイに甘うに味付けした「おたま」(オカラのこと)を詰めて蒸しあげたもんながよ。
松崎先生の解説が終わりゃあ、いよいよ乾杯。ワシがお燗番して、見事なぬる燗がついたお銚子を回し、「松翁」の松尾社長にご発声していただいたがぜよ。


コの字型の席の内側にゃあ、「土佐学協会」の若手メンバーらあがお接待の亭主役として座り、皿鉢から小皿に取り分けたり、お燗酒を運んだりするがよ。そんな中で、当会副会長の坂本正夫先生(県立歴史民俗資料館前館長)に、昭和30年代の土佐のおきゃくについて、歴史的・民俗学的な簡単な解説をしていただいたがやき。日本人本来の食生活の基本は、家族みんなあで一緒に食べるっちゅうことやと。大皿がズラリと並んで、みんなあで食べる皿鉢料理は、まさに日本人の食生活の基本じゃっちゅうがよ。ほんで、そういう食生活がキチッとしちょりゃあ、家庭崩壊らあにゃあならんかっつろうっちゅうがぜよ。


さあ、宴席もいよいよ盛り上がり、お燗番のワシゃあフル回転!湯煎でボッチリのぬる燗にして出すもんやき、ちくと時間がかかるがぜよ。今回は、当時の香長平野で飲まれよったであろう、下記の5銘柄を順番にお燗さいてもうたがやき。
●「松翁」(旧2級酒)〈香美市土佐山田町〉
●「文佳人」(純米吟醸)〈香美市土佐山田町〉
●「豊乃梅・楽鶯」(旧1級酒)〈香美市赤岡町〉
●「花の友」(旧2級酒)〈吾川郡いの町(昭和30年代は高知市内やったがよ。)〉
●「金凰司牡丹」(旧1級酒)〈高岡郡佐川町〉
ちなみに高知酒造さんは、今は「瀧嵐」になって、販売されやあせん貴重な「花の友」銘柄のラベルで出品いただいたがやき。宴席も最高潮に盛り上がってきた頃、大吟醸市販の先駆け、昭和37年に発売されたレトロボトルの「デラックス豊麗司牡丹」(純米大吟醸原酒)が登場!いよいよ場は盛り上がったがやき。


皿鉢もスッカラカンになった頃、残った頭と尻尾を焼いた焼きサバ寿司と、ちくと足りんき急遽追加したお料理の天ぷらが登場。宴もたけなわになった頃、坂本副会長に中締めのご挨拶をいただき、無事お開きとなったがぜよ。皆さんニコニコの満面の笑顔で帰路につかれたがやき。ご参加いただきました皆様、まっことありがとうございました。また、お料理を監修いただいたり、貴重なお皿らあを貸し出しいただいた松崎先生、彼末先生、関田先生、お話しをいただいた坂本副会長、お手伝いいただいた協会メンバーの皆さん、そして城西館のスタッフの皆さんにも、心から御礼申し上げますぜよ!





ところで、おきゃくがお開きになったち、まだ残ってやりゆう人のことを、「ハラン組」っちゅうがよ。皿鉢に葉蘭(ハラン)しか残ってないにまだ粘って飲みゆうっちゅう意味ながやき。写真に写っちゅう人みたいながが、「ハラン組」ながぜよ。気をつけとうせよ。土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社