2008年08月07日

第2回「土佐花番茶ブランド化協議会」で迫田さんの講演ぜよ!

 一昨日の8月5日(月)は、17時半から佐川町の司牡丹本社にて、第2回「土佐花番茶ブランド化協議会」が開催されたがぜよ。

 この協議会は、ワシが理事長を務めゆう「土佐学協会」((http://tosagaku.cocolog-nifty.com/report/))の研究会のひとつ、「土佐のお茶研究会」にて昨年度試作した「土佐花番茶」のブランド化をはかり、将来の量産及び販路拡大を目指すことや、土佐茶全体のブランド化にも貢献することを目的につくられた協議会ながよ。事務局は「土佐学協会」内に置き、同協会の会員や、お茶生産者、JAコスモス、佐川町らあのメンバーで構成されちゅうがやき。

 今回の出席者は、協議会正式メンバーとしちゃあ、ワシとお茶生産者の栗田さんと岡林さん、JAコスモスの鮑さん、佐川町役場の和田さんの5名で、あとはオブザーバーとして「土佐のお茶研究会」の座長を務める水谷先生と、高知県商工労働部県産品ブランド課から3名の方が出席されたがよ。ほんで今回は、「土佐花番茶」のブランド化をめざすにあたって、そのマーケティング・商品開発全般に関する専門家として委託契約を結ぶ予定の、サコダデザインの迫田司さんにもご出席いただき、ご講演をいただくがぜよ。

 まずは「土佐花番茶ブランド化協議会」の会長を務めるワシからのご挨拶。ほんで、議長もワシが務めさいていただき、議事録署名人は栗田さんにお願いしたがやき。続いて、ブランド化の仕様書と委託理由書、請書について皆さんに説明さいてもうて、その内容について審議。全員異議ものう、承認されたがよ。

 続いては本日のメイン、迫田さんの講演ながやき。今回の講演内容は、4つのテーマをかいつまんでお話しいただくことになっちゅうがよ。まず1つめのテーマは、四万十川中流域の旧西土佐村での、迫田さんの生活の話しながやき。しゃくり漁で捕った天然鮎、一切加熱せんと天日のみでつくった天然塩、天然ウナギの白焼きにワサビと塩だっけでいただく鰻丼やキモの塩炒め等々、こういうもんを食いもって、こんなくで迫田さんは生活しよりますっちゅうお話しやったがよ。東京でこの内容の講演をすりゃあ、スライドの写真が変わるたんびに、「おお〜っ!」っちゅう歓声があがるがやと。ほんで、実は商品開発っちゅうんも、結局はこういうもんやと迫田さんはおっしゃるがやき。商品に地域の風景が乗っかってないと、遠くまで飛んで行けんっちゅうがよ。自分の住んじゅうくを、いかに自慢できるかと、商品開発はおんなじやっちゅうがぜよ。迫田さん講演風景講演中の迫田さん

 2つめのテーマは、迫田さんがやりゆう木賃ハウスの話しながよ。元々は、県外から仲間が遊びに来た時らあに自宅に泊めて、いろんな四万十の幸をご馳走したりしよったがやけんど、その負担がなかなかバカにならんきどうしょうかと考えよったがやと。ほいたらそんな仲間らあから、「何ちゃあ世話してもらわんじゃち、全部自分らあで自炊するがの方が楽しい」っちゅう声があがり、それをヒントに作ったがやと。

 木賃っちゅうんは、昔の木賃宿からながよ。マキを使うた数で宿代を払う仕組みやき、木賃宿っちゅうたらしいがやき。つまり木賃ハウスたぁ、まず入ったら自分らあで、エネルギーの調達をせにゃイカンがよ。電気だけは通っちゅうけんど、水道は山の水をひっぱっちゅうだけやし、ガスは無し。マキの調達を自分らあでせにゃイカンがやき。ご飯はカマドで炊いて、風呂もマキで沸かすがよ。ほんでみんなあで、棚田の田植えや田の草取りや稲刈りらあの農作業らあをするがやと。世の中にゃあ環境オタクみたいな人がいっぱいおるき、こんな木賃ハウスがクチコミで伝わって、いろんな面白い人らあがドンドン集まり始めたがやと。けんど、基本は一見さんお断り。こんな「偽百姓しもって環境を学ぶ」っちゅう木賃ハウスのコンセプトを理解しちゅう人だっけに来てほしいきながよ。ご近所のお年寄りらあも喜んで集まってきて一緒に農作業したり、差し入れを持って来てくれたりするがやと。

 稲刈りが終わった後は、タノキュー(田圃で野球)をしたりもするがよ。今、迫田さんはタノキューの全国大会をもくろみゆうがやと。ミュージシャンのう〜みさんも、よう来られるがやと。田んぼコンサートらあをやってくれたりするらしいがやき。彼女が歌うと、あちこちから小動物が集まって来るらしいがよ。・・・とにかく、歌か歌える人は歌を歌うてもらう、パンを焼ける人にゃあパンを焼いてもらう、絵が画ける人にゃあ絵を画いていってもらうっちゅうがやと。そんな木賃ハウスを6年ばあやりよったら、いろんな面白い連中がドンドン集まりだいたっちゅうがよ。そんな交流の中で不思議な出会いらあもひんぱんに起きたりして、こぢゃんと面白いことになりゆうがやと。意識エネルギーはやっぱし引き合うがやと、迫田さんはおっしゃるがぜよ。

 3つめのテーマは、半径5キロ以内の商品開発っちゅう内容ながよ。とにかく迫田さんくにゃあ、お金は無いけんど何とか商品開発してほしいっちゅう西土佐地域からの依頼が、いろいろ入って来るがやと。2004年グッドデザイン賞を受賞した「山間米」や、その米を使うて醸した「清酒山間米」や「山」。「しまんとべっぴん・無添加のもの」シリーズ。「農業公社の生野菜」シリーズ。西土佐の害獣を益獣にしょうっちゅうことで開発された、「猪汁」や鹿肉ジャーキー「シマント・ウォンテッド・ジャーキー」等々。カッコエイとかオシャレとかやのうて、デザインは考え方やと、迫田さんはおっしゃるがやき。また、どうやったらお金を使わんと商品PRができるかっちゅうたら、そりゃリアルさしかないっちゅうがよ。商品の背景にある地域のリアルさを、どうやったら商品から伝わるようにするかながやと。例えば「シマント・ウォンテッド・ジャーキー」。単なる四万十の鹿肉ジャーキーやと、まだ性格づけが弱いっちゅうがよ。この地域で害獣とされる鹿は、住民にとっちゃあ指名手配犯人みたいなもん。西部劇らあの「ウォンテッド」ながよ。そう言やあ、この地域は高知県の西部地域。こっからネーミングとデザインが完成したっちゅうがやき。「四万十とおわ道の駅」のデザインやち、「十和」の漢字から出来たがやと。「和」にゃあ人の声に応じて人が集まるっちゅう意味があるっちゅうがよ。また「十」は「和」、つまり「プラス」っちゅう意味。これっぱあ人が集まりそうな字はないろうっちゅうことで出来たがやと。デザインはアートやないき、理屈をつけて何でそうかを説得できんとお金がもらえんっちゅうて、迫田さんはおっしゃるがぜよ。実際、「四万十とおわ道の駅」は、わずか1年でレジ通過者が15万人になるばあ人が集まったっちゅうき、スゴイがやき。西土佐のてづくりカタログ山間米清酒「山間米」














べっぴんシリーズ農業公社の生野菜鹿肉ジャーキー











 4つめのテーマは、具体的な商品開発のプロセスについてながよ。経済産業省に商品開発のノウハウを認められて、ゼロからどういうことをすりゃあ開発できるかっちゅうプロセスを標準化して講演してほしいっちゅう依頼があって、その時の講演内容がこれながやと。そん中で迫田さんは、自分の商品開発のやり方、四万十方式を、「地元発着型産業」と命名したがやき。田舎がこれまで通り原料を作るばあやったら、いつまで経ったち消費者の顔も見えんし、モノが出ていくばあで、結局は人も来んし田舎は益々カラッポになるっちゅうがよ。そうやのうて、その商品が外へ出て行ったら、人を連れて戻って来るような、そんな商品開発をする産業を「地元発着型産業」と呼ぶがやき。また、一過性のブームで終わるがやったら意味がないっちゅうがよ。次の世代の子供らあやち食うていけるっちゅうばあの気合で産業を育てにゃイカンっちゅうがぜよ。また、早い時期に専門家を入れて、まずやるがは地域の人々に自信を持たせることがポイントやっちゃうがよ。ほんで、考え方のマニュアルや
、開発行動のチーム化、実際に消費者の目に触れるチラシやポスター、パッケージらあのコミュニケーション開発も重要やっちゅうがやき。あんまり時間がなかったき、標準化された開発のプロセスについちゃあ、ハッキリと分からんかったき、詳しゅうはまた次回に講演をお願いする予定ながよ。ほんで、売れゆうもんは簡単なデザインに見えたち、実は裏側がしっかりとあるっちゅうて、迫田さんはおっしゃるがやき。さらに、付加価値やない、潜在価値を見い出すがやと、みんなあホンモノが見たいんやっちゅうておっしゃるがぜよ。

 その後は、ちくと質疑応答があって、19時過ぎばあに迫田さんの講演は無事終了。まっこと、こんな少人数でお聴きするがはこぢゃんともったいない、中身の濃い講演やったがやき。迫田さん、まっことありがとうございました。感謝感謝ながぜよ。

 続いては佐川町駅前の人気居酒屋「かえで庵」(高岡郡佐川町甲1059 TEL:0889-22-9878)に移動して、迫田さんを囲んでみんなあで懇親会ながよ。おいしいお料理をいただきもって、「司牡丹・生鮮酒〈夏〉零下貯蔵生酒」(純米生酒)や「自由は土佐の山間より」(超辛口・特別純米酒)らあをガンガン酌み交わしゃあ、こぢゃんと会話も弾むこと弾むこと。気が付いたらこの2種類のお酒の在庫が底をついちょって、佐川駅発のJRは最終列車になっちょったがやき。零下生とアメゴの唐揚げ「自由は土佐」と一日干し2008.8.7懇親会風景












 その後、高知市内まで行ってから、迫田さんとワシと水谷さんの3人で、もう一軒行ったがは当然の成り行きながよ。迫田さん、講演といい、宴席中といい、まっことこぢゃんと役に立つ面白いお話しを、ありがとうございました。心から深う感謝申し上げます。今後とも、「土佐花番茶ブランド化協議会」とワシらあを、何とぞよろしゅうお願い申し上げますぜよ。





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司牡丹酒造株式会社

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この記事へのコメント
せっかく、ご案内いただいたのに、迫田さんの講演会、行けなくて残念でした。迫田さんとの出会いは、3年ほど前に高知新聞のコラムを担当していた閑人調仲間。県外から移住されて、地元人以上に高知の田舎の良さを認識し、発信している迫田さんの、感性と活動に、衝撃を受けた事を思い出しました。いろいろな方面のデザインや、考え方がすばらしいてすよね。
今回の土佐学協会の事業への強力なサポートになる事まちがいなし!
次回お会いできるのを楽しみにしています。
Posted by まあちゃん at 2008年08月08日 00:06
まあちゃん、コメントありがとうぜよ!
迫田さんの講演はこぢゃんと良かったき、参加できんでまっこと残念やったのう。次回は、ブログにも書いた木賃ハウスに泊まって話しを聞かせてもらおうかっちゅう話しもあるき、是非また次回もお誘いしますきに。
Posted by 竹村昭彦 at 2008年08月08日 13:34