「満足な仕事ができんと思うたときにゃあ、素直に自分のレベルに合うた仕事を探しなさい。たとえそれが石割りやったとしてもぜよ。」(ジェームス・ギャンブル)
世界最大の家庭用洗剤メーカー、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の設立者の1人、ジェームス・ギャンブルさんの言の葉ながよ。敬虔なクリスチャンやった両親の影響を強う受けちょった彼は、P&Gが大企業になってからも、こぢゃんと勤勉で真面目で、生活は質素やったがやと。当時の新聞が、「ギャンブルの財産にゃあ1ドルやち詐欺や不正の匂いがするお金はない」っちゅうて伝えたばあながやき。
そんなギャンブルさんの遺志を継いで、彼が亡くなってから100年以上経った今やち、P&Gは世界80ヶ国以上で展開する巨大企業でありもって、「フォーチュン」誌の「社員の能力ランキング世界一」に選ばれるほどながよ。こりゃあまっこと、凄いことやと思わんかよ。
そんなP&Gの長期発展の秘密のひとつが、このギャンブルさんの言の葉の中に隠されちゅうがやないろうか。やる気がある人間は、どういたち仕事をする際にゃあ、自分のレベル以上に見せたいもんやき、能力以上の仕事に手を出してしまいがちながやき。それがうまいこといく場合もあって、それなら自分が進歩したっちゅうことやき、それで素晴らしいことながやけんど、問題はうまいことイカンかった場合ながよ。そん時に、こりゃあまだ自分にゃあ無理やったと素直に失敗を認めて、別の自分のレベルに合うた仕事を探せるかっちゅうことながやき。しかもそりゃあ失敗の後やき、大抵は自分にとっちゃあ不本意な仕事になりがちながよ。そん時に自分にとっちゃあ不本意なイヤな仕事やったとしたち、素直にその仕事に従事できるかっちゅうことながやき。ほんでそっから捲土重来、もういっぺん巻き返すばあの気概があるかっちゅうことながぜよ。
ギャンブルさんは、そんな素直で気概がある社員を、足るばあ育てていったがやないろかのう。この言の葉の凛とした力強さから、そんなふうに想像してしまうがぜよ。