「明確な目標を定めたあとは、執念ながよ。ひらめきも執念から生まれるがぜよ。」(安藤百福)
インスタントラーメンの発明者で、日清食品の創業者、安藤百福氏の言の葉ながよ。
第二次大戦後、食糧難を乗り切るため、当時の厚生省はパン食を奨励しよったがやと。その原料は、アメリカから援助された小麦粉ながよ。小麦粉がありゃあ麺ができるはず。「なんで東洋の食文化である麺を奨励せんがな?」っちゅうて安藤氏が厚生省に問うたら、「製麺業者にゃあ零細業者が多いき、安定供給に問題がある。そんなにいうがやったらおまさんがやったらどうや。」っちゅうて言われたっちゅうがやき。こん時に安藤氏の目標は明確に定まったっちゅうがぜよ。
けんどそん時の安藤氏は、すぐにその目標に向かう訳にゃあイカンかったがよ。当時安藤氏は、ある信用組合の理事長を引き受けちょったがやけんど、その信用組合が倒産して莫大な借金を抱えちょったちゅうがやき。安藤氏は、順調やった当時の自分の事業を清算して、その借金を完済。最終的にゃあ自宅しか手元に残らんかったっちゅうがよ。それでも安藤氏は目標を忘れんと、自宅にちんまい小屋を建てて研究所にして、そこでいつじゃちどこじゃち食べれるインスタント麺の開発を始めたっちゅうき、スゴイ執念ながぜよ。
けんどそれでもまだ、でっかい壁が立ちふさがるがやき。麺を腐らせんように乾燥させる方法が、ナンボ研究したち、どういたち見つからんかったがよ。こりゃあもうイカンかもしれんと諦めかけたとき、奥さんが揚げ物をするがを見て、麺を油で揚げる方法を思いついたっちゅうがやき。まさに執念を持ち続けたきこそ、アイデアがひらめいたっちゅうことながぜよ。
結局ビジネスを成功に導く必要条件は、自分のためだけやない、世のため人のためになるっちゅう明確な目標と、その目標を何が何やち成し遂げるっちゅう徹底した執念やっちゅうことながやないろうかのう。ワシらあは、そんな明確な目標も徹底した執念も、まだまだ足りんっちゅうことながぜよ。