高知県旅館ホテル生活衛生同業組合は、中小企業人材確保推進事業に取り組まれよって、その事業の一環としての教育訓練っちゅうことで、高知県地産地消課の協力を得て、野菜ソムリエ(ベジタブル＆フルーツマイスター)による高知の食材についての講習と、高知の素材を活かした料理と日本酒の組み合わせについてらあの勉強をするっちゅうことで、この度の講習会が決定し、ワシが講師の1人として招かれたっちゅう訳ながよ。
さて今回の会場は「ホテル日航高知旭ロイヤル」(高知市九反田9-15
TEL:088-885-5111)にて、13時からの開催。タイトルは、スローフード講演会「『地産地消』野菜と日本酒講習会」っちゅうことで、組合員の方々らあが約40人ばあ集まられちょったがやき。
まずは高知県旅館ホテル生活衛生同業組合の古谷顧問さんのご挨拶。続いては、まず1人目の講師、池山律子さんによるスローフード講演会「高知の食材の魅力について」ながよ。
池山さんは兵庫県の生まれで、甲南大学を卒業後、イタリアの大学を出られ、ミラノの料理学校のアシスタントらあを経て、ミラノと日本を往復されもって執筆活動らあを続けられ、2006年に日本に帰国。イタリアの「食」「文化」「スローフード」に関する講演や執筆活動を続けられゆうっちゅう方ながやき。
池山さんは、高知はこれで5〜6回目らしいがやけんど、太陽の光の強さ、人間の生き方、食文化らあが、まっこと南イタリア(特にシチリア)にそっくりで大好きやき、勝手に高知をイタリアとおんなじ第2の故郷やと思うちゅうっちゅうがよ。
ほんで、イタリア各地の様々な食文化を紹介され、高知の食文化を対比しもってのお話は、こぢゃんと面白かったがやき。例えばイタリアも柑橘類が豊富で、季節によってクレメンティーノやらオレンジやらタロッコ(レッドオレンジ)らあが出るらしいがやけんど、高知も季節によって様々な柑橘類があるっちゅう具合ながよ。また、トスカーナ地域はソラーノとかゾルフィーノっちゅう豆類をよう食べるらしいがやけんど、高知でいただいた「ぎんぶろう」っちゅう豆が、似いた感じやっちゅうがやき。
さらに様々な事例らあを挙げられ、池山さんは「高知は日本の中のイタリア！」、「高知は食材の宝箱！」っちゅうて絶賛されるがよ。けんど、ちくと残念なことがあるっちゅうがやき。そりゃあ、高知の中におる人がそれを当たり前やと思うちゅうかしらん、それを外に向こうてアピールせんがが、まっこともったいないっちゅうがぜよ。イタリア人はみんなあ、「カンパニズモ」っちゅう「郷土愛」をしっかり持っちょって、自分の生まれた町や村の風土や食べ物の自慢話を、こぞってアピールするっちゅうがやき。
食材に対する様々な事件が起こって依頼、みんなあの目が国内に向いちゅう今こそ、高知の食材の豊かさをアピールする大チャンスやっちゅうがよ。特に大消費地である東京らあにゃあ、高知の食材情報がほとんど入ってこんき、損しちゅうっちゅうがやき。池山さんは高知の「リュウキュウ」にハマった時期があって、料理教室らあで紹介したりして、彼女の周りで「リュウキュウ」がちょっとしたブームになったことがあるっちゅうがよ。それまでは「リュウキュウ」らあて、誰一人聞いたことも見たこともなかったっちゅうき、まっこともったいないっちゅうて強調されよったがやき。
ほんで、高知に住んじゅう皆さんが、あっちこっちで「高知はえいとこ！うまいもんがこぢゃんとある！」とか、高知の食材や食文化についてを「この食材はこういうくで作られちょって、こうやって食べたらうまいぜよ！」とかを、まっとまっと、ことあるごっとにアツう語りまくってほしいっちゅうて、締め括られたがぜよ。まっことおっしゃる通りながぜよ。
続いては、ベジタブル＆フルーツ・アクティブマイスター(高知県内に2人)の横山眞二さん(サンシャイン・ビィアン)の講演、「野菜果物の魅力〜見ると観るとでは大違い〜」ながよ。横山さんは、過去にホテルで宴会係も経験されちょって、サンシャインっちゅうスーパーで現場一筋24年っちゅう立場から、いま自分がホテルマンやったらどんなことをするかっちゅうお話を中心に講演されたがやき。
まず、スーパー側の目から見て、今のお客様は「生活防衛感」「節約感」「恐怖感」を持っちゅうっちゅうがよ。ほんじゃきスーパーじゃあ、「節約野菜」っちゅうてアピールすりゃあ売れるし、嗜好品であるフルーツはあんまり売れんっちゅうがやき。けんど、このまんま何ちゃあせざったらジリ貧で大変なことになるき、何とかせにゃあイカンっちゅうがよ。
人間、来る日も来る日も節約じゃあ、やっぱしミジメな気持ちになるきに、たまにゃあチビッとでも贅沢しとうなるもんやっちゅうがやき。そこの気持ちにうまいことつけこまにゃあイカンっちゅうがよ。お店に集客する時は節約や割安感を訴え、来店してもうた時にゃあ、ちくと贅沢なもんもキチンと店頭でアピールして、満足感を訴えるっちゅうがやき。まっこと、ナルホドながぜよ。
食品について、今のお客様はよう分からんき、感心がない、感心がないき興味もないっちゅう方々が少のうないけんど、そういう方々にまっと分かっていただく、感心を持っていただく、興味を持っていただくようにせにゃあイカンっちゅうがよ。ほんで、青果物たぁ何か？青果物とチョコレートの違いは何かっちゅうて聞かれから、何と答えますかっちゅうて、問いかけられるがやき。チョコレートは工業製品やき、今日のチョコレートと明日のチョコレートは基本的にゃあ変わりはないけんど、青果物はあくまで生き物やき、今日のイチゴと明日のイチゴは違うっちゅうことながよ。葉っぱから炭酸同化、根っこから窒素同化っちゅう具合で、そんな生命維持装置から外された青果物は、日に日に寿命が縮んでいくっちゅうことながやき。甘いもんは甘さから抜けていくし、酸っぱいもんは酸っぱさから抜けていくっちゅうがよ。まずはそんな当たり前の基本的なことから知ってもらわにゃあイカンっちゅうがやき。ほんじゃき、今のお客様は、購入される時にゃあ価格だっけで選ぶ傾向にあるけんど、生き物である青果物は、ただ価格だっけで選んでえいがですかっちゅう提案をドンドンしていかにゃあイカンっちゅうことながよ。安いもんを買うたけんど、結局すっとダメになって半分以上捨てたらあて、まさに安物買いの銭失いになるきにのう。
ほんで池山さんは、高知のホテルや旅館らあのシェフや板前さんらあは、さらにボーイさんや仲居さんらあは、お客様にまっとまっと青果物や食の情報を伝えてほしいっちゅうがやき。そうせにゃあ、結局メニュー以上の価値は伝えれんっちゅうがよ。業者から入荷した食材を、何の疑問も持たんとただ調理して出すだけやったら、そりゃあただの「作業」やと。そうやのうて、「仕事」にして欲しいっちゅうて訴えるがぜよ。
ほんで、トレンド野菜ばっかしやのうて、昔ながらの地元の伝統的な青果物も、ドンドン使うてアピールしてほしいっちゅうがやき。高知にゃあ昔っから、それぞれの地域にこぢゃんとえい青果物がナンボやちあるっちゅうて、西から東まで足るばあ実例を挙げられたがよ。宿毛のブロッコリー、斗賀野のイチゴ、佐川のニラ、弘岡のカブ、入河内の大根・・・そんな感じで「○○の××」っちゅうて訴えてほしいっちゅうがやき。ほんで、それぞれの青果物のチャームポイントを見つけて、一言でもえいきメニューに載せるとかして、伝えてほしいっちゅうて、アツうに語られたがぜよ。
さて続いては、いよいよワシの講演ながよ。タイトルは、「土佐の食と土佐酒」。まず土佐の高知は、春夏秋冬、山川海、うまいもんが一番そろうちゅう県やっちゅう話をさいてもうたがよ。ほんで、そんな四季折々の旬の食材をその時期に取り入れることの意味と、そんな天の采配の素晴らしさを話いて、そんな豊かな土佐の旬の食の美味しさを、さらに倍増させる方法が、旬の土佐酒を合わせて楽しむことやっちゅう話をさいてもうたがやき。配布資料の「土佐の食と土佐酒・旬の一覧表」を使うて、詳しゅう説明さいてもうたがよ。また、一年中定番酒を飲みゆう方やち、季節に合わいて温度を変えて楽しみゃあ、旬の酒とおんなじように旬の食と相性がバッチリになるっちゅう話もさいてもうたがぜよ。
さらに、食とお酒の相性を考える際の基本と、食とお酒の相性のコツらあについてお話さいてもうて、ワシの講演は、無事終了したがやき。ちなみに、食とお酒の相性のコツは、以下の通りながぜよ。
〈コツ� 啖擇い�料理にゃあ軽いお酒、重いお料理にゃあ重いお酒。
〈コツ�◆咾�料理の格や繊細さにお酒も合わせる。
〈コツ��〉その土地のお料理にゃあその土地のお酒を。
〈コツ�ぁ啝�いた風味があるお料理とお酒は相性がえい。お酒を多く使うたお料理にゃあ、そのお酒を合わせる。
さらに日本酒だっけにゃあ、あと2つのコツが追加されるがよ。
〈コツ�ァ啼�本酒は、反発するお料理がほとんどない。
〈コツ�Α喀椶料悩爐鮖箸Δ燭�料理にゃあ旬の日本酒が最適。また、定番の日本酒やち季節に合わいて温度を変えりゃあ、同様にベストマッチ。
こうして、無事講習会は終了したがやき。高知県旅館ホテル生活衛生同業組合の皆様、この度は講師としてお招きいただき、また沢山の方々にご清聴いただき、さらにワシの講演に対するアンケートも沢山いただき、まっことありがとうございました。感謝感謝ながぜよ。
ほんで講習会終了後は、会場のホテル日航高知旭ロイヤルのすんぐ近くにある安岡酒店BLUES(高知市九反田8-6
TEL:088-882-2286 http://www15.ocn.ne.jp/^yasuoka3/)さんを、ちくと訪ねたがやき。80日かけて改装したお店が10月末にオープンしたっちゅうことやったき、ちくとご挨拶と見学にうかごうたっちゅう訳ながよ。
まず店構えは、築60年以上のレトロな雰囲気やけんど、店内は真新しい土佐の杉材をふんだんに使うちょって、杉の香りがこぢゃんと心地えいがやき。またお店の真ん中にゃあ、杉の一枚板のテーブルがデンと座っちょって、ゆっくり試飲を楽しんだりできるようになっちゅうがよ。
ほんで、何ちゅうたち「高知の地酒と音楽のクロスオーバー」をコンセプトにしちゅうだけあって、まずは本業の高知の地酒がズラリ！高知の海産物と地酒のオリジナルセットも、こりゃなかなかユニークで、県外の方へのご贈答にゃあ、こぢゃんと悦ばれそうながやき。さらに安岡さんの趣味の音楽の方は、音楽関係の雑誌や書籍がズラリと並び、圧巻ながはロックやブルースを中心としたレコードとCD約2000枚ながよ！こりゃあこの店で、土佐の杉材に包まれて、土佐の地酒を試飲しもって、ブルースらあの音楽にゾップリ浸りゃあ、音楽好き酒好きの方は、そりゃタマランがやないろかのう。安岡さん、まっこと恐れ入りました！趣味と実益と楽しさを兼ね備えた、こぢゃんとキャッチーなお店ながぜよ！
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司牡丹酒造株式会社
