「女装する女」(湯山玲子 著 新潮新書 700円＋税 2008年12月20日発行)ながよ。
まずこの書籍は、かのカリスマ経営コンサルタントの神田昌典先生(http://www.kandamasanori.com/)がメルマガで、時代が見える本やっちゅうことでオススメ書籍として紹介されちょったき、買うて読んでみたがやき。内容としちゃあ、現代女性を消費の面から10のキーワードで読み解くっちゅうもんながよ。消費リーダーである女性の実態が、こぢゃんとリアルに、かつ軽妙な語り口で面白うに語られちょって、爆笑しもってスッと読めて、ビジネスヒントも満載ながぜよ。
その「10のキーワード」は各章のタイトルになっちゅうがよ。ちなみに1章から10章までのタイトルは、「女装する女」「スピリチュアルな女」「和風の女」「ノスタルジー・ニッポンに遊ぶ女」「ロハス、エコ女」「デイリーエクササイズな女」「大人の女になりたい女」「表現する女」「子供化する女」「バーター親孝行な女」っちゅう具合ながやき。このタイトルだけやち、こぢゃんと面白そうで、読んでみとうなるろうがよ。さらに各章の扉のイラストは、しりあがり寿さんが描かれちょって、これがまた爆笑モンでえい感じながやき。
まずこの本のメインタイトルにもなっちゅう「女装する女」の「女装」たぁ、ちくと前から女性らあの間で自然に流通し始めちゅう言葉らしいがよ。「今日はバリバリ女装していくきね〜！」みたいな具合に使うようで、男勝りな仕事着を脱ぎ捨て、女らしさ満開のドレスや着物らあで「女」を装うっちゅうことらしいがやき。この「女が女装する」っちゅうがは、ほとんどの女性が「あるある」と膝を打つらしいがやけんど、男性にとっちゃあ簡単にゃあ理解できん事象ながぜよ。
「売り上げのノルマや人間関係にアップアップするがが男女平等の仕事のリアルやとすりゃあ、女性はその機能と能率の仕事ワールドに、ネイルや下着らあの肉体に即した治外法権的な『遊び』が許されちゅうがぜよ。」
「かくて、女の『女装』は、そのワザを同性同士が評価し、楽しむっちゅう方向に進んだがよ。方法が目的となり、先鋭化していき、ついにゃあ男不在の女子校感覚に突入しちゅうがやき。」
まあ、男のワシがこれ以上解説するがも何やき、詳しゅうは是非お読みくださいや。・・・後は、ビジネスヒントっちゅう部分で、もう1章だっけ、ちくとご紹介しちょきましょうか。4章の「ノスタルジー・ニッポンに遊ぶ女」ながよ。
「トレンディースポット→レトロなおでん屋、っちゅうその夜のめくるめく展開は、大学を出てオトナの世界の入り口に立ったばっかしの女の子にとっちゃあ、相当カッコえいもんとしてインプットされたがを覚えちゅうがやき。上司にその気があったなら、簡単にその夜、お持ち帰りされちょったやろう。」
「こういったノスタルジー・ニッポンを遊ぶセンスっちゅうもんは、上は40代後半の自分らあから下は大学生にまで、幅広い年代の女性に未だに人気が高いことに驚くがやき。」
「ノスタルジー・ニッポン的環境が愛されるゆえんは、それがマーケティングから出てきた企画空間やない、っちゅうところが相当に大きいがよ。(中略)こうなりゃあどっかで見たことのあるもんばっかしで、差異を狙うたつもりがみんなあ同じ、っちゅうおしゃれ空間インフレを引き起こしちゅうがやき。(中略)それに対して、戦後の闇市のDNAが残る昭和系酒場らあは、マーケティングからはつくり得ん、長年の伝統と店主の好みが合わさったそれぞれの色濃い味があるがよ。(中略)そこが人の心をグッととらえるがぜよ。」
「この手のセンスは、先進国都市じゃあ同時多発的に起こり今もなお継続中のカルチャータームであり、主に古い施設のリノベーションとして活発に実行されゆうがよ。ウィーンじゃあストリップ小屋をまんま利用したクラブに、ベルリンじゃあ秘密警察の執務室やったくがバーに、(中略)昭和系酒場的空間の延長線の上にゃあ、新しいディスカバージャパンがある。(中略)特に昭和からの古い店がまだ存在し、シャッターが閉まる無人の通りになっちゃあせん商店街はぜひ、足下にあるその魅力を最大限生かす努力をするべきやと思うがやき。」
お店をされゆう方にとっちゃあ、「マーケティングからはつくり得ん、長年の伝統と店主の好みが合わさったそれぞれの色濃い味」っちゅう発想。商店街にとっちゃあ、「昭和系酒場的空間の延長線の上にゃあ、新しいディスカバージャパンがある」っちゅう発想らあが、こぢゃんとビジネスヒントになるがやないろうかのう。もちろん、日本酒メーカーとしたち、いくつものビジネスヒントをいただけたがやき。
「女装する女」・・・爆笑しもって現代女性を読み解き、ビジネスヒントを手に入れることができる、稀有な書籍ながぜよ！
女装する女 (新潮新書)
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