2009年03月05日

「昭和30年代・幡多地域の料理でおきゃく!」ぜよ!

 一昨日の3月3日(火)は、ワシが理事長を務めさいてもらいゆう「土佐学協会」(http://tosagaku.cocolog-nifty.com/report/)主催の、「土佐のおきゃく2009」(http://www.tosa-okyaku.com/)参加イベント、『〜続・土佐の「三丁目の夕日」〜 昭和30年代・幡多地域の料理でおきゃく!』を開催したがぜよ。

 会場の老舗旅館「城西館」さん2階のお座敷にゃあ、18時ばあからお客様が集まりだいて、予定開宴時間の18時半過ぎにゃあ、ご参加予定者34名がだいたい集まられ、まずは理事長のワシからのご挨拶ながよ。続いては、土佐伝統食研究会代表の松崎淳子先生(高知女子大学名誉教授)の、お料理の解説ながぜよ。2009.3.5開会












●刺身2009.3.5刺身
窪津の大敷のブリ、土佐清水の釣りの清水サバの平作りと、磯魚グレの「焼きぎれ」の盛り合わせながよ。



●タタキ佐賀のカツオの塩タタキと窪津のスマ(ヒラソウダ)のタタキながよ。表面を燻すタタキは、皮が食べれるだっけやのうて、香味もようなり、新しけりゃあ塩で叩くだっけでもおいしいがやき。タタキは、県内全域で、地域や家々によって、様々な仕上げ方があるがぜよ。2009.3.5スマガツオのタタキ2009.3.5カツオの塩タタキ












●あら煮あら煮魚がおきゃくの主役となりゃあ、アラの量も尋常やのうて、立派な料理になるがよ。目玉も、皮も、骨についた身も、絶品ながやき。窪津じゃあ、豆腐やこんにゃくと炊き合わせ、柏島じゅあブリのアラと干しうどんの炊き合わせが定番ながやと。

●マンボウの唐揚げマンボウの唐揚げ定置網にかかるマンボウは、日常食じゃあ醤油や味噌で煮るがやけんど、おきゃくにゃあ揚げて出されるご馳走の一つながよ。











●組みもの(姿ずしとかいさまずし)組みもの(姿ずしとかいさまずし)すしや野菜もんらあの盛り合わせも、おきゃくの顔ながよ。ここじゃあ魚の姿ずし(アジ、カマス、サバ)、タチウオのかいさまずし、巻きずし、高野づけ、小豆ようかん、つぎあげ(さつまいもとごぼうのかき揚げ)、海草の和え物(かじめの白和え)らあを盛り合わせちゅうがやき。この季節は磯でフノリが採れ始めるきに、つきあげに入れるとうまいがやと。ちなみに「かいさまずし」の「かいさま」たぁ、裏返しの意味で、皮を見せとうない魚(イワシらあ)の押しずしのやり方の一つながぜよ。

●いよ飯いよめし魚の炊き込みご飯ながよ。幡多じゃあ「いお(魚)」を「いよ」と訛るがやき。山間部じゃあ茸や根菜と炊き込むけんど、海岸部じゃあ魚(や貝)だっけを醤油味で仕上げるがよ。こぢゃんと風味があるご飯ながぜよ。








●魚の酢和え3種魚の酢和え3種いかと葱の酢和え(酢味噌和え)は県下一円でよう作られるけんど、ブリの皮やワタ(胃袋)の酢和えは漁村ならではながよ。それも量が多いきに組みものに入れんと、丼に入れて出すっちゅうがぜよ。

●すしのいろいろ
高知じゃあ県下全域でいろんなすしが作られ、郷土食のご馳走ながよ。県西部のすしは、すし飯の合わせ酢に魚の身のほぐしたもんを混ぜる(酢ころし)やり方ながやき。県東部じゃあほぐした身を取り除いて(酢を濁す)使うがやと。すし飯そのものもご馳走やき、おいしゅうするための工夫ながぜよ。

●もぶりもぶり五目ずしのこと。足摺の全域で「なんぞのこと」がありゃあ、必ず作られてきたがやき。船おろしといやあ、家の新築よりか大事業やち、そん時も必ず作られてきたもんながやと。










●ブリのへだずしブリのへだずし大月町柏島のすし。「へだ」は切れ端の意味ながよ。けんど今は切れ端どころか刺身にもする部分で立派なすしに仕上げちゅうがやき。

●キビナゴの頬被りキビナゴの頬被り宿毛のすし。宿毛湾で捕れるキビナゴのおからずしながよ。形が頬被りした人みたいやき、こう呼びゆうがやと。おからずしは県下一円にあって、たいていはウルメで作り、「たまずし」っちゅうて日常のご馳走やったがよ。中村じゃあホタレ(カタクチイワシ)の開いたがをのせて、「ろくやた」っちゅうがやと。





●つわずしつわずし(皿鉢)もぶりを押しずしにして、手で持って食べれるように「つわぶき」の葉ではさんで押したもんながよ。木型の大きさはいろいろあるがやと。手に持てる大きさに切ったすしを指ではさみ、つわを左右に倒して、すしを食べるがよ。つまりお皿がいらん五目ずしっちゅうことながぜよ。つわずし作る道具つわずし













つわずし(単品)




 松崎先生は会場中を動き回り、あちこちの皿鉢に盛られたお料理を示しもって、楽しい解説をしてくださったがやき。まっことありがとうございましたぜよ!・・・けんど、聴きゃあ聴くばあ、お腹が鳴るながやき!2009.3.5松崎先生解説2009.3.5松崎先生解説2












 さて、解説が終わりゃあ、後は待ってましたの宴会ながよ。昭和30年代から発売の「デラックス豊麗司牡丹」(純米大吟醸原酒)を配り、このお酒で乾杯して、いよいよ宴席のスタートながよ!ちなみに、今回の出品酒は、以下の通りぜよ。

●「デラックス豊麗司牡丹」(純米大吟醸原酒):昭和30年代発売の大吟醸市販の先駆け。デラックス豊麗司牡丹

●「司牡丹・永田農法・土佐清水〈風鳴子〉」(純米吟醸酒):土佐清水産の酒米を使うたお酒。幡多の米で仕込んだ酒












●「山間米(無濾過・純米吟醸酒)」:西土佐の米を使うた、久礼の西岡酒造さんのお酒。幡多の酒と土佐司牡丹(燗酒用)

●「藤娘」:四万十市中村の藤娘(株)さんの本醸造酒。お燗で。2009.3.5湯煎燗酒

●「千代登」:四万十町大正の無手無冠さんの復刻ラベルの本醸造酒。お燗で。

●「土佐司牡丹」:おまけのお燗。司牡丹の普通酒。


 お燗についちゃあ、ワシがお燗番になって、湯煎でバッチリのぬる燗にして、皆さんに配らいてもうたがやき。体の芯まで沁み込んでホッとするこの美味しさは、やっぱし湯煎燗酒がサイコーながぜよ!

 2009.3.5宴席風景2009.3.5宴席風景2そっからは皆さん、食べて飲んで語り合うて、いよいよ盛り上がったがやき。後半にゃあ、土佐清水の宗田節を使うた即席味噌汁も登場ながよ!












●宗田節の即席味噌汁宗田節の即席味噌汁宗田節の即席味噌汁2清水の宗田節はうどんやソバのだし材料として、全国シェアの8割を占めちゅう逸品ながよ。それやに、あんまり一般市場にゃあ流れんもんやき、高知県人にもあんまり知られてないがやき。けんど、その香りの高さとタップリの旨みはサイコーやき、今回は特別に出品したがよ。30年代も今も、幡多地区でこんな食べ方はないきにのう。ちなみに1つまみ(3g)の節と味噌と葱に熱湯を入れただっけで、こぢゃんと美味しい味噌汁になるがぜよ!



●ぜんざいぜんざい おきゃくにゃあ「ぜんざい」が出んと、っちゅう一品。こちらじゃあ里芋の塩ゆでを浮かしちゅうがよ。

●卵酒たまご酒
おきゃくの際、お手伝いの女性らあへのふるまいに出されたがやと。ホッコリあったまる、やさしさながやき。









●はま茶
はま茶は、どの家庭やち日常に飲まれよったがよ。緑茶らあのお茶を買うことができん農家が、自家用に畑の岸に植えて、飲まれよったがやと。番茶とはま茶を混ぜて飲むがぜよ。

 こうしてデザートも出てきて、いよいよ終盤っちゅう頃、元・日ハム投手の岩本勉さんが登場!昨日のブログにてご紹介した、よみうりテレビの「遠くへ行きたい」(http://www.to-ku.com/)第1952回【土讃線が運ぶ土佐の春(仮題)】〈高知県・佐川町・須崎市・中土佐町〉っちゅう番組の取材ながよ。ちなみに放送日時は、YTV(大阪)NTV(東京)CTV(名古屋)FBS(福岡)等にて、平成21年4月12日(日)朝7時30分より。日テレ系やに、残念ながらRKC高知放送での放送は未定ながやと。岩本さん!可杯当たり!


 置けん杯「可杯(べくはい)」遊びをやりゆう場面を撮影したいっちゅうことで、お越しいただいたがやき。早速コマを回して、ベロベロの神様の唄を合唱!

「ベロベロの〜 神様は
正直〜な神様よ
おささの方へと おもむきゃれ
えぇ おもむきゃれ」
岩本さん天狗イッキ!


 お題を変えてやりよって、お題が「スケベ」になった途端、ベロベロの神様は見事に岩本さんを指名!しかも天狗!サスガは土佐のベロベロの神様!テレビ的な盛り上げ方までご存知ながやき!

 撮影も無事終了し、岩本さんやスタッフの皆さんも帰られた頃、再び松崎先生がマイクを持たれ、幡多地域出身の方をご紹介。ちなみにお1人は、(株)無手無冠の社長夫人、山本のオカーサンながよ。幡多生まれの方

 こうして21時過ぎ、中締めをして無事お開きとなったがやき。様々なお料理の準備らあに朝から携わっていただいた、松崎先生・彼末先生をはじめとする土佐伝統食研究会の皆様、まっことありがとうございました。感謝感謝ながやき。また、ご参加いただきました皆様にも、心から感謝申し上げますぜよ!ありがとうございました!







土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社

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