「人間っちゅうもんは、いかなる場合じゃち、好きな道、得手の道を捨てちゃあならんもんじゃ。」(坂本龍馬)
龍馬さんの坂本家の本家は、才谷屋っちゅう商人やったがやき。
ほんじゃき龍馬さんは、他の幕末の志士にゃあない、独特の商人気質、経済感覚を持っちょったと言えるがよ。
龍馬さんは、自ら考えた新政府の役職案に名前がないことを西郷隆盛に指摘され、「ワシゃあ役人は好かんきに。世界の海援隊でもやろうかのう。」と語ったっちゅう話が有名なだけに、商売の世界、経済界で生きていくがが好きな道、得手の道やったがかもしれんっちゅうことながやき。
当時の武士としちゃあむしろ恥といえるような商人的な道も捨てざったきこそ、日本初の貿易商社「亀山社中」を設立したり、不可能と言われた「薩長同盟」を成し遂げたりもできたっちゅうことながぜよ。
人間は誰やち、好きなこと、得意なことをひっとつばあは必ず持っちゅうもんながよ。
いまの自分の仕事や境遇に合わんからっちゅうて、自分がホンマに好きなことや得意なことを捨ててしまうがは、これっぱあもったいないこたぁないがやき。
逆に、一見何ちゃあ関係なさそうに見えたち、その好きなことや得意なことを、いまの自分の仕事に関連づけたり、活かしたりできんかを、ジックリ考えてもうぜや。
案外それが突破口になって、誰っちゃあ思いもつかんような独特の道が拓けてくるかもしれんがぜよ。