「さよふけて 月をもめでし 賤の男の 庭の小萩の 露を知りけり」(坂本龍馬)
龍馬さんの妻、お龍さんの回顧録「千里駒後日譚(せんりのこまごじつのはなし)」に載せられちゅう、龍馬さん詠草の和歌ながよ。
ちなみに「賤の男」と言やぁ、「しずのお」と読み、いやしい男、身分の低い男を意味しちゅうがやき。
ほいたら全体の意味は、「夜が更けて、みんなあが月を鑑賞するけんど、ワシゃあ賎しい身分やき、そんな高貴なこたぁ向いてないがよ。けんど、庭の小萩の葉の上にある露にゃあ、心を動かされるがぜよ。」
・・・だいたいこんな感じながやないろうかのう。
龍馬さんは、階級差別の激しい土佐藩じゃあ身分の低い下士やき、自分のことを「賤の男」と呼んで、月を鑑賞するような身分やないと、まずは詠うちゅうがやき。
ところが後半じゃあ、庭の小萩の葉の上にある露にゃあ、心を動かされるっちゅうがよ。
こりゃあつまり、「月は天空高うにあるき、やっぱし高貴な存在で、それを鑑賞するがは下士である自分にゃあ向いてないけんど、庭の小萩の上のちんまい露にやち、美しさは存在するがやき、そっちの方がワシにとっちゃあ向いちゅうがぜよ。」っちゅうことながやないろか。
誰もが認める高貴な美しさより、身近にあるに誰っちゃあ気がつかんようなチンマイ美しさの方に、龍馬さんは惹かれたがやないろうかのう。