「世を思ひ 身を思ひても 誓ひてし 人のうせぬる ことそ悲しき」(三条実美)
坂本龍馬さんと中岡慎太郎さんが伏見の近江屋で殺されたがは、慶応3年(1867年)11月15日(慎太郎さんは17日没)。
その訃報が太宰府におった三条実美(さんじょうさねとみ)さんのもとに届いたがは、同年12月3日やったがよ。
ほんで、早くもその2日後の12月5日にゃあ、太宰府にて龍馬さんと慎太郎さんの霊魂を祀る儀式が神式にて行われちゅうがやき。
そん時に2人を偲んで三条実美さんが詠草した歌が3首あって、そのうちの1つがこの歌ながよ。
「世の中にとったち、自分にとったち、新しい日本をつくろうと以前誓うた、その2人(龍馬さんと慎太郎さん)がおらんなってしもうたっちゅうことが、まっこと悲しいことながぜよ。」っちゅうような意味じゃろか。
実は実美さんの母は土佐藩第10代藩主山内豊策(とよかず)さんの女・紀子さんで、第16代藩主豊範(とよのり)さんとは従兄弟関係にあたるがやき。
そんなことも含めて、実美さんにとっちゃあ龍馬さんと慎太郎さんは、特別な存在やったがやないろうか。
この歌にゃあ、そんな想いも込められちゅうように感じられるがぜよ。