2010年09月26日

幸せの言の葉〈410〉

「武士(もののふ)の そのたましひや たまちはふ 神となりても 国守るらむ」(三条実美)


前回「幸せの言の葉〈409〉」でご紹介した、坂本龍馬さんと中岡慎太郎さんの死を悼み、三条実美(さんじょうさねとみ)さんが詠草した3首の2首目の歌がこれながよ。


「たまちはふ」は「神」にかかる枕詞で、「魂が入って呼吸する」っちゅうニュアンスがあるみたいながやき。


ほいたらこの歌は、「龍馬さんと慎太郎さんの武士の魂は、神の仲間入りして息づき、この国を守ってくれることやろう」っちゅう意味になるろうか。


尊皇攘夷派の公家の中心的存在やった三条実美さんは、文久3年(1863年)の「8月18日の政変」により、七卿落ちの1人として長州に下り、その後福岡藩に預けられ、さらに太宰府に移送され、3年間の幽閉生活を送りよったがよ。


そんな時に、長州と自分らあのためにこぢゃんと力を尽くしてくれた龍馬さんと慎太郎さんの訃報を聞いて、この歌を詠うたがやき。


その後、龍馬さんの望んだ王政復古が成り、実美さんは新政府の議定、副総裁、右大臣、修央局総裁らあを歴任。


明治4年(1871年)にゃあ最高官の太政大臣に就任、明治18年(1885年)の太政官制廃止まで務めあげ、内閣制度創設後は、最初の内大臣となったがよ。


龍馬さんと慎太郎さんの魂が神となって、実美さんを、そしてこの国を、守ってくれよったがやないろかのう。



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