「スイッチ!」〜「変われない」を変える方法〜(チップ・ハース&ダン・ハース 著 千葉敏生 訳 早川書房 2010年8月15日発行 1900円+税)っちゅう本で、ビジネスウィーク誌のコメントとして「変化を生み出したいリーダーはこの本を見逃すなかれ。事例とすぐに使えるツールが詰まった本書に、いますぐ動き出さずにはいられない。いや、マジで面白い。」とオビの裏に書かれちゅう通り、こぢゃんとビジネスに役立つ本ながやき。
この本の表紙にゃあ、象に乗った象使いの絵が描かれちゅうがやけんど、この「象」と「象使い」っちゅう表現が、まっこと見事ながよ。
つまり、人間の感情を「象」と表現し、理性を「象使い」と表現しちゅうがやき。
象にまたがって手綱をつかむ象使いは、一見すりゃあリーダーに見えるけんど、体重6トンの象と象使いが進む方向でもめりゃあ、象使いにゃあまったく勝ち目がないがよ。

こりゃあ、人間はなんぼ理性で理解したち、感情が反対すりゃあ行動に移さんっちゅうことながぜよ!
象使い(理性)の担当は計画や方針。
象(感情)の担当はエネルギー。
象使いだっけに訴えかけて象に訴えかけんかったら、頭じゃあ理解できてもやる気を出さんがやき。
象にだっけ訴えかけて象使いに訴えかけんかったら、熱意はあっても方向性が定まらんがよ。
どちらも致命的な欠陥ながやき。
また、人間の問題に見えたち、実は環境の問題であることが多いと、本書じゃあ訴えるがよ。
ほんで本書じゃあ、この状況や環境のことを「道筋」と呼び、道筋を定めることで、象使いや象の状態にかかわらず、変化を起こしやすうなるっちゅうがやき。
つまり、行動を変える際のガイドライン、三つの要素からなるフレームワークは、以下の通りながよ。
●「象使いに方向を教える」
抵抗しゆうように見えたち、実は戸惑いゆう場合が多いがやき。したがって、とびきり明確な指示を与えろうぜや。
●「象にやる気を与える」
怠けゆうように見えたち、実は疲れきっちゅう場合が多いがやき。象使いが力ずくで象を思いどおりの方向に進められるがは短いあいだだっけながよ。したがって、相手の感情に訴えることが重要。象に道を歩かせ、協力してもらおう。
●「道筋を定める」
人間の問題に見えたち、実は環境の問題であることが多いがよ。この状況や環境のことを「道筋」と呼ぶがやき。道筋を定めることで、象使いや象の状況にかかわらず、変化を起こしやすうなるがぜよ。
ほいたらここで、本書に掲載されちゅう事例を、ひっとつご紹介しちょきましょうか。
アメリカのウェストバージニア大学のある2人の教授が、「健康的な食生活の推進方法」を研究しよったがやと。
何から始めりゃあえいがか?やめるべき(とるべき)食品は?改めるべきながは朝食、昼食、夕食のどれながか?
家の食事を変えるがか、それとも外食を変えるがか?
「健康的な食生活を送る」っちゅう方法は、考え出しゃあきりがないがよ。
象使いが頭を空回りさせるがは、まさにこのような状況ながやき。
けんど2人の教授は、この難問に答えを出し、結果も出すことができたっちゅうがよ。
その答えは牛乳やったがやき。
たいていのアメリカ人は牛乳をよう飲むがよ。
ほんで牛乳は優秀なカルシウム源であるとともに、一般的なアメリカ人の食生活の中で、唯一最大の飽和脂肪の摂取源でもあったがやき。
そして実際に計算すりゃあ、平均的なアメリカ人の食生活を送る人やったら、牛乳をホールミルク(日本でいう一般の牛乳)から無脂肪乳または低脂肪乳に変えるだっけで、アメリカ農務省の推奨する飽和脂肪の水準をすんぐに満たすことができるっちゅう、驚くべき事実が明らかになったがぜよ。
ほいたら、アメリカ人に低脂肪乳を飲ませるにゃあどうすりゃあえいか?
冷蔵庫に置いてもらやあえい。以上。
問題は思うたより単純やったがよ。
飲食行動を変える必要はないがやき。購入行動を変えりゃあえいがよ。
こうしてするべき取り組みはたちまち明らかになったがぜよ。
行動をどう変えるべきか?消費者に無脂肪乳か低脂肪乳を買うてもらやあえい。いつ?食料品を買いゆうとき。
そこで2人の教授は、ウェストバージニア州の2つの自治体でキャンペーンを開始し、地元のマスコミで2週間にわたって宣伝を行うたがやき。
そのやり方も、見事なまでにパンチがあって具体的やったがよ。
ある広告じゃあ、コップ1杯のホールミルクにはベーコン5枚分の飽和脂肪が含まれちゅうと訴えたがやき。
記者会見じゃあ、地元の記者に約2リットルのホールミルクに含まれちゅう脂肪の量と同じ量の試験管入りの脂肪を見せたがよ。
こりゃあ象へのアピールながやき。
象は「うわっ!気持ち悪い!」と反応するはずながよ。
ほんで2人の教授が、キャンペーン対象店の牛乳の売上データを追跡したところ、キャンペーン以前は低脂肪乳のシェアは18%やったもんが、キャンペーン後は41%にまで伸び、そして半年後も35%を維持しちょったっちゅう、大成功の結果やったっちゅうがやき。
そして著者は言うがよ。
『人を変えたけりゃあ、「もっと健康的に行動しよう」と訴えてもだめながやき。むしろ、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクやのうて低脂肪乳に手を伸ばさにゃあイカンぜよ。」と言うべきながよ。』
この事例は、まっこと学びが多いがやき。
例えばこの事例を、日本酒に置き換えて考えてみたらどうなるか?
いろいろヒントが降ってくるっちゅうもんながよ!
ほんでこの書籍のラストは、以下のような文章で締め括られちゅうがぜよ。
状況や変化の規模はちごうたち、パターンはみんなあ同じながやき。
象使いに方向を教え、象にやる気を与え、道筋を描く。
こんどは、おまさんの番ぜよ。
さあ、何を変える?

スイッチ!
クチコミを見る
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社