2010年12月04日

幸せの言の葉〈430〉

「そのうちみんな悟ってくるのさ。自分たちは何々藩の藩士ではなく、日本人だということを。西洋文化の凄さを。そして、異国とけんかするなんて愚かしいってな。若えもんは、そういう柔らけえ頭を持っている。だから俺はお前たちを頼みにしてんだよ、以蔵。」(勝麟太郎・「龍馬伝」より)


NHK大河ドラマ「龍馬伝」第18話における、勝麟太郎さんの言の葉ながよ。


武市半平太さんの命令で、勝さんを斬りに来る岡田以蔵さん。


けんどそれを龍馬さんに見つかり、以蔵さんは目的を達することができんかったがやき。


さらに勝さんの地球儀の解説と、誰とやち分け隔てのう接する心根に触れ、気持ちが揺れる以蔵さんながよ。


ほんでいつの間にか龍馬さんに説得され、京での勝さんの用心棒になってしまうがやき。


居酒屋で酒を酌み交わす、勝さんと龍馬さんと以蔵さん。


そこで龍馬さんが、勝さんに心配事の相談をするがよ。


龍馬「実は、勝塾に入ってくれる者らあは、みんなあ戦をするための海軍じゃと思うちゅうがです。日本が力をつけて西洋諸国と互角になるまで、戦を起こさせんための海軍じゃゆうことを、どういたらわからせることができるがですろうか。」


勝「いいんだよ、放っといて。口で言ったってしょうがねえよ。おめえの考えは間違いだと言われて、素直に認めるのは以蔵くらいのもんだ。」


以蔵「え」


勝「人ってのは肌で感じて変わっていくもんさ。あの塾のいいところはな、まず藩の壁がねえ。上下の隔てもねえ。そして軍艦を操れるようになるためには、西洋の学問を学ばなければならねえ。」


続いて勝さんが語ったがが、今回の言の葉ながやき。


勝「そのうちみんな悟ってくるのさ。自分たちは何々藩の藩士ではなく、日本人だということを。西洋文化の凄さを。そして、異国とけんかするなんて愚かしいってな。若えもんは、そういう柔らけえ頭を持っている。だから俺はお前たちを頼みにしてんだよ、以蔵。」


龍馬「勝先生・・・ありがとうございます。勝先生に会いに来てよかった。」


胸のもやもやが消えてやる気百倍になり、元気に店を飛び出して大坂に戻る龍馬さん。


勝さんは笑いもって見送り、その笑顔を以蔵さんに向け、こう言うがよ。


勝「なんでああいう奴と付き合わねえんだよ、おめえは。」


以蔵さんの渇いた心が、かすかに潤うたひと時やったがぜよ。


「龍馬伝Ⅱ」(作 福田靖 ノベライズ 青木邦子 NHK出版)より


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この記事へのコメント
見ごたえがありました。また 訪問します。
Posted by  tarou at 2010年12月04日 16:25
tarouさん、コメントありがとうぜよ!
「見ごたえある」たぁ、嬉しいかぎり。また是非お越しくださいや!
Posted by 竹村昭彦 at 2010年12月05日 08:55