2010年12月05日

幸せの言の葉〈431〉

「攘夷には大攘夷と小攘夷の二つがあるんだ。自分の国にやってくる異国人はとにかく追い返せ、殺してしまえってえのが小攘夷。大攘夷ってのは、開国して異国の文化を受け入れた上で、互角の力をつけて独立を守るってことさ。俺は大攘夷の方なんだよ。」(勝麟太郎・「龍馬伝」より)


NHK大河ドラマ「龍馬伝」第19話における、勝麟太郎さんの言の葉ながよ。


龍馬さんに説得され、戸惑いもっても勝さんの用心棒を続ける岡田以蔵さん。


その戸惑いを察知して、勝さんは道々以蔵さんに説くがやき。


勝「以蔵、おめえは俺を開国派だと思ってんだろうが、実は俺だって攘夷派なんだよ。」


以蔵「えッ。」


勝「そもそも攘夷派じゃねえ奴なんて、世界中のどこにもいねえはずだ。いいかい、攘夷の意味は異国の侵略を許さねえってことだぜ。うちは構いませんからどうぞ侵略してくださいなんて国がどこにある。」


勝さんは一つ一つ、分かりやすう教えていくがよ。


ほんで今回のこの言の葉を語るがやき。


勝「攘夷には大攘夷と小攘夷の二つがあるんだ。自分の国にやってくる異国人はとにかく追い返せ、殺してしまえってえのが小攘夷。大攘夷ってのは、開国して異国の文化を受け入れた上で、互角の力をつけて独立を守るってことさ。俺は大攘夷の方なんだよ。」


以蔵「わ、わしにはわからんがやき。わしの役目は、今は、勝先生をお守りすることですきに。」


勝「つまり、俺も攘夷を叫ぶ連中も、実は同じなんだ。だから以蔵。攘夷派だって奴が俺を襲ってきても、むやみに斬ったりしちゃあいけねえよ。」


勝さんの言葉が、少しずつ以蔵さんに沁みこんでいくがぜよ。


「龍馬伝Ⅱ」(作 福田靖 ノベライズ 青木邦子 NHK出版)より



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