11月19日(土)は18時から、元毎日新聞社の尾形忠義さん主宰の「酒肴啐啄(そったく)の会」が、「銀座和らん」さん(http://r.gnavi.co.jp/e639800/)にて開催されたがやき。
この会は、今から11年前、「日本酒はフランス料理に合わん」っちゅう声に対抗し、青山のフランス料理店で日本酒とフランス料理のマッチングの会を尾形さんが開催したがが最初やっちゅうがよ。
その後会場が変わり、料理もフランス料理から懐石のコースに変わりと変化しもって、平均年2回、毎回2蔵の日本酒で開催しゆうっちゅうがやき。
ちなみに尾形さんは、全国400社以上の蔵元を取材らあで巡られちょって、日本酒についちゃあプロフェッショナルやき、こういう会を主宰されゆうがよ。
ほんで今回は、滋賀県の「喜楽長」と高知県の「司牡丹」が選ばれ、喜多社長さんとワシが参加さいていただいたっちゅう訳ながやき。
また、この会の名称「啐啄」の由来は、「啐」はヒナが卵の殻を内側から破って出ろうとしてつっつくこと、「啄」は母鳥が殻を外側からつっつくことながよ。
つまり、阿吽の呼吸で内と外からつっつき合うことで、見事に卵が割れてヒナが生まれるっちゅうことながやき。
そりゃあまさに、禅宗で導く、師家(しけ)と修行者との呼吸がピタリと合うかの如しながよ。
酒と料理の相性も「啐啄」の如くピタリと合わし、「1+1=2」じゃのうて「1+1=3以上」を狙うっちゅうことながぜよ。
そんなスゴイ会にご参加できるお客様は、完全限定の30名。
ワシゃあ17時半にお店にうかごうたがやき。
ほいたら酒セラーに「船中八策」が定番として置かれちょって、まっこと嬉しい限りながよ。
座席表をチェックしよったら、その下に演歌のCDジャケットが紹介されちゅうき、尾形さんに訊ねてみたら、これらの作曲をされた四方章人さんが今回参加されちゅうっちゅうことやったがやき。
早速四方さんと名刺交換さいてもうたがよ。
ぼちぼちお客様も集まりだいて、定刻の18時にゃあ開会ながやき。
まずは主宰の尾形さんからご挨拶。
続いて作曲家の四方章人さんのご紹介。
ほんで、店長さんと料理長さんのご挨拶があり、お次は蔵元のご挨拶ながよ。
まずは「喜楽長」の喜多社長さんから、続いてワシからのご挨拶やったがやき。
さあ早速、尾形さんがバッチリ合わいたお酒とお料理が、順番に提供されていったがよ。
●旬菜:「アボカド釜 隠し焼き」(蟹肉 栗 マスカルポーネ)
★「喜楽長・ひやおろし」(特別純米酒)
やわらかな優しさのある辛口の「喜楽長・ひやおろし」は、アボカドとマスカルポーネの風味がまっことバッチリやったがやき。
●御椀:「秋鮭の粕汁 絞り生姜」(大根 人参 里芋 蒟蒻 牛蒡 長葱 浅月)
★「司牡丹・船中八策・ひやおろし」(超辛口・純米生詰原酒)〈ぬる燗〉
お次は、「船中八策ひやおろし」のぬる燗。
セオリー通りやったら、アルコール分の高い原酒は、燗酒にゃあ向かんとされちゅうきに、実はちくと心配やったがよ。
けんど見事にぬるめの燗がつけられちょって、これが柔らこうて膨らみがあって、うまいことうまいこと!
粕汁の中の様々な具材の旨みが、酒粕っちゅう触媒で一体化されちょって、そこにこのぬる燗が加わりゃあ、その一体化された全体が、グッと膨らみを増す感じながぜよ!
●御造り:「さわら浅締め炙り 黄身酢掛け」(組み大根 組み胡瓜 海水晶 針打ちラレシ)
★「司牡丹・槽掛け雫酒」(純米大吟醸原酒)
ここで雫酒大吟醸の登場!
サワラを浅うに酢〆めにして、それをさらにタタキみたいに周囲を炙り、さらにその上から黄身酢掛けっちゅうこの料理、見事に優しい酸味と旨みの料理で、ここにこの酒が加わりゃあ、まっこと見事にお互いを引き立て合うて、美味しさ倍増ながやき。
●合肴:「黒毛和牛 松茸 アスパラ巻き おかき揚げ」(揚げ出汁 カレー塩)
★「司牡丹・かまわぬ・H21BY」(山廃仕込純米酒)
今回、ワシゃあこの組み合わせが一番衝撃を受けたがよ。
この酒「山廃純米かまわぬ」にゃあ、いろんな味わいの成分が含まれちゅうがやけんど、それらあひっとつずつの味わいと、この料理の味わいが見事に呼応し合うちょったがやき。
この酒の中の旨み成分にゃあ和牛の旨み、この酒のナチュラルな森林浴を想わせる風味にゃあ松茸の風味、この酒に潜むほのかな青草っぽい味わいにゃあアスパラの味わい、ちくと香ばしい味わいにゃあ「おかき」の香ばしさ、さらにこの酒のほのかにスパイシーな風味にゃあ絶妙なカレー塩と、とにかく見事過ぎるばあ見事な呼応で、1+1が3にも4にも感じられたがよ!
尾形さん、まっこと感服いたしましたぜよ!
●強肴:「真名鰹の南蛮漬け」
★「喜楽長・大吟醸・金賞受賞酒」(大吟醸酒)
続いては、「喜楽長・金賞受賞酒」と真名鰹の南蛮漬けの組合せながやき。
比較的シンプルな味わいと香りを持っちゅう金賞酒にゃあ、シンプルな旨みと酸味の南蛮漬けながよ。
シンプル同士なだけに、ストレートに組合せの美味しさが伝わってくるがやき。
●温物:「卯の花道明寺蒸し」(菊花餡掛け)
★「司牡丹・本醸造・ひやおろし」(本醸造生詰酒)〈ぬる燗〉
卯の花の旨み、菊花の風味、餡のトロッとした食感らあが、この酒のぬる燗の柔らかな旨みで見事に包み込まれ、それが次第に口中で膨らみを増したかと思やあ、後口は優しゅうキレていくがよ。
●御食事:「焼き鯖寿司」(酢取り生姜)
★「喜楽長・辛口純米吟醸」(純米吟醸酒)
焼き鯖寿司の旨みと酸味が、この酒の優しい味わいで一瞬膨らみを増し、さらにこの酒のキレの良さで後口はサラリと心地ようキレていくがやき。
もう一口、もう一杯、食べとうなる、飲みとうなる、見事な組合せながよ。
●デザート:「抹茶チョコケーキ」(粉糖 水菓子)
★「喜楽長・天保正一・10年熟成酒」(ゴールド純米大吟醸酒)
古酒の複雑な風味の中に潜むほのかな苦みとチョコが、さらに抹茶の風味と甘みが、この組合せをワンランクグレードアップさいて、見事な味わいの大河が口中にたなびいていくようながやき。
・・・とにかく、めくるめくようなスペクタクルに満ちた、日本酒と料理の組合せの妙に、皆さんまっこと感動され、あちこちから感嘆のため息が漏れ聞こえよったがよ。
まっこと、尾形ワールド凄さを、ワシもほとんど一顧客となって、こぢゃんと堪能さいていただきましたぜよ!
素晴らしい会にご案内いただき、まっことありがとうございました!
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司牡丹酒造株式会社