2012年01月29日

幸せの言の葉〈548〉

「最大のコストは時間ながやき。二四時間働くこたぁ、二四時間会社におることやないがぜよ。」(安藤百福)


インスタントラーメンを開発し、日清食品を設立した安藤百福さんの言の葉ながよ。


餓死者が出るばあの食糧難やった戦後、アメリカから援助された小麦粉を使うたパン食を奨励する日本政府に、「なんで小麦粉を使うて、東洋の食文化である麺を奨励せんがか」っちゅうて問いかけた安藤さん。


厚生省の担当者から「製麺業者は零細が多うて安定供給が難しい。そんなこと言うがやったら、おまさんがやったらどうぜよ」っちゅうて言われ、「いつでもどこでも食べれるインスタント麺」の開発を決心したっちゅうがやき。


その頃、戦後の混乱で会社も研究所も何ちゃあのうて、自宅しか残ってなかった安藤さんは、自宅の庭に小屋を建てて研究所にしたっちゅうがよ。


そんな環境で研究を続けよったある日、奥さんが揚げ物をしゆう姿を見よって、麺を油で揚げる方法を思いつき、ついにお湯を注ぐだっけで食べれるインスタント麺、「チキンラーメン」の開発に成功するがやき。


今回の言の葉は、まさにそんな安藤さんならではの言の葉ながよ。


この言の葉は、「二四時間、プライベートでも仕事のことを考えろ」っちゅうような単純な意味じゃあないとワシゃあ思うがやき。


だいたい、えいアイデアが閃いたり降りてきたりする時っちゅうんは、仕事のことばっかし考えゆう時やないがよ。


その仕事について徹底的に調べたりして資料を集めたり、あるいは頭が痛うなるばあ徹底的に考えに考え抜くっちゅうような段階はもちろん確かに必要ながやき。


けんどそれだけやのうて、さらにそんな段階を経て、何も考えんとボーッとしちゅう時とか、無意識に日常の生活をおくりゆう時とか、仕事を忘れて息抜きしたりパーッと遊びゆう時らあに、フッとえいアイデアが閃いたり降りてきたりするもんながよ。


ほんじゃきこの言の葉は、「二四時間、プライベートでも仕事のことを考えろ」っちゅう意味やのうて、「二四時間、興味のアンテナを立てちょけ」っちゅう意味やと、ワシゃあ思うがぜよ。



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