今回のお薦め書籍は、初めてのアメコミ(アメリカンコミック)、「ゼン・オブ・スティーブ・ジョブス」(原作:ケイレブ・メルビー 作画:ジェス3 訳:柳田由紀子 集英社インターナショナル 1300円+税 2012年2月29日発行)をご紹介しますぜよ。
この漫画は、オビに「スティーブ・ジョブスを成功に導いた知られざる禅の極意」「ジョブスの発想の原点は、禅にあった!」と書いちゃある通り、何と日本の「禅」が、かのスティーブ・ジョブスさんの成功に大きゅう関わったっちゅう点にスポットを当てた書籍ながやき。
主人公は、ジョブスさんと乙川(旧姓・知野)弘文さんっちゅう曹洞宗の僧侶ながよ。
弘文さんは1967年に渡米し、カリフォルニアらあで多くの禅堂を主宰した、伝統や慣習にとらわれん革新的な僧侶やったがやと。
ジョブスさんはコンピュータや産業界で、弘文さんは仏教界で、それぞれに一匹狼であり反逆児やったがやき。
ほいたら2人が心を通い合わせたがは、自然なことやったろうっちゅうがよ。
また原作者は、本書を書くにあたって、特に弘文さんの門弟やジョブスさんとも一緒に座禅を組んだ人々らあへのインタビューに力を入れて、広うに取材したらしいがやけんど、ジョブスさんと弘文さんが2人だっけの時に、実際にどんな会話が成されたがかは、分かりようはない(2人とも既に故人)っちゅうがやき。
そういう意味じゃあ、この本は一般的な伝記っちゅうより、「イメージを再構築した物語」っちゅうことができるかもしれんと、原作者は言うがよ。
また、なんで文章やのうてコミックの手法を選んだがかっちゅう質問に原作者は、以下のように答えちゅうがやき。
『「公案(こうあん)」っちゅう、禅(臨済宗)で広う用いられる修行時の問答を参考にしたがよ。』
『この本にゃあ、簡潔やけんど含蓄のある言葉がいっぱいながやき。実はこりゃあ、弘文よりか、むしろジョブスの会話流儀にぴったりやったがよ。彼は、劇的で直球型の話し手やきに。』
『つまるところ、こりゃあ視覚的イメージに満ちた物語やき。座禅、書道、ほんで年を重ねるっちゅうこと・・・これらあはすべて元来視覚的な事柄やろう。第一、この本のテーマはデザイン。デザインについちゃあ、書くっちゅう方法もありゃあ、グラフィックに表現する手法もあるけんど、ワシらあは後者を選んだっちゅうことながよ。』
そんな本書は、もちろんコミックやき簡単に読めてしまうがやけんど、グラフィック作品として見てもまっこと美しゅうて、また読んで頭で分かることだけやのうて、読み進めゆううちに体で分かるっちゅう感覚も体験できる、ある意味「禅の書」であるとも言えるがやき。
この本のオビにゃあ、ちんまい字やけんど、正現寺・月読寺住職の小池龍之介さんが、以下のような言葉を述べられちゅうがよ。
「こだわり」(執着)と「こだわらない」(無執着)がまじわるところから、どんな発想が生まれるがか?
是非、本書を読んで・・・いや体験して、感じてみてくださいや。
ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ
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