「自分で自分をほめちゃりたい。」(有森裕子)
ロンドン五輪開幕を記念して、オリンピックのアスリートらあの言の葉のご紹介、2回目ながよ。
今回は、女子マラソンで、1992年バルセロナ五輪銀メダリスト、1996年アトランタ五輪銅メダリストの、有森裕子選手の言の葉ながやき。
この言の葉は、実はフォーク歌手の高石ともやさんの詩から引用したもんで、バルセロナに続いてアトランタで2つ目のメダルを獲得したときの有森選手のセリフとして、その年の流行語大賞にも選ばれたがよ。
その後、この言葉は独り歩きして、自分が頑張ったときのご褒美として安易に使われるようになったけんど、有森選手がこの言葉を語った背景を知りゃあ、安易に口にできるもんやないっちゅうことがよう分かるがやき。
有森選手は、恩師の小出義雄監督に「才能がないきマラソンは無理」っちゅうて何度も言われたにもかかわらず、諦めんとひたすら努力を続け、男子マラソン選手の3倍も練習し、ついに2大会連続で五輪メダル獲得っちゅう、日本女子陸上選手初の快挙を成し遂げたがよ。
「自分で自分をほめちゃりたい。」っちゅう有森選手の言の葉についちゃあ、小出監督は次のように語られちゅうがやき。
「彼女は才能が全くなかったけんど、心で走るランナーやった。何度も地獄を見さいたがよ。彼女の頑張りに、あれ以上ふさわしい言葉はないがぜよ。」
監督に、才能がまったくないとまで言われた人間が、地獄を見るような努力のみで、2大会連続五輪メダル獲得っちゅう快挙を成し遂げた・・・そん時に出た言葉が「自分で自分をほめちゃりたい。」やっちゅうことながよ。
これを知ってしもうたら、もはや軽々しゅう「自分で自分をほめちゃりたい。」らあて今後は言えんようになってしまうがやき。
けんど、専門家に才能がないと太鼓判を押されたような人間やち、こんな快挙を成し遂げることができるがやっちゅう事実は、ワシらあにこぢゃんと勇気と希望を与えてくれるがぜよ!