2012年09月17日

幸せの言の葉〈616〉

「彼らのことをGHQ(General Head Quarters)っちゅうけんど、実は“Go Home Quickly”の略語やっちゅうんもあるがやき。」(吉田茂)


先週9月8日(土)の21時から、NHK総合の土曜ドラマスペシャルにて、渡辺謙さん主演「負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂〜」(毎週土曜日・全5回)の放送がスタートし、一昨日が第2回の放送やったき、それを記念して今回も、高知県出身の総理大臣であり、司牡丹の愛飲者でもあられた吉田茂首相の言の葉を取り上げさいていただくがよ。


さて、今回の言の葉は、そのドラマの第2回のラストでも渡辺謙さん演じる吉田首相が使うたもんながやけんど、実話らしいがやき。


実際は他の議員さんらあに対して、日本ができるだけ早うに主権を回復して、早うに占領軍に引き上げてもらいたいっちゅう思いを伝えるために使うたらしいがよ。


けんど、GHQ(General Head Quarters)を“Go Home Quickly”の意味に使うっちゅうシャレっけっちゅうかユーモアは、まっこと見事ながやき。


こんな具合に、吉田首相にゃあ、洒脱かつ辛辣なユーモリストの一面もあったがよ。


他にもたとえば、会いとうない客人に対して居留守を使うてそれがバレた際、「本人がおらんっちゅうて言いゆうがやき、それ以上確かなこたぁないろう。」っちゅうて答えたとか、寒い日にオーバーコートを着て演説中に野次馬から「選挙の票を頼むがに、オーバーを着たまんまたぁ何事や。」っちゅうヤジが飛んだ際、「黙って聞け!外套(がいとう)を着てやるきに街頭演説ながや!」っちゅうて答えて聴衆から爆笑を取って拍手喝采になったとか、そんな逸話にゃあ事欠かんがやき。


あるいは、マッカーサー元帥に食糧輸入の援助量のことで「日本の統計はいい加減や!」っちゅう難癖をつけられた際、「当然でしょう。もし日本の統計が正確やったらムチャな戦争らあいたしません。また統計どおりやったら日本の勝ち戦やったはずです。」っちゅうて返して、マッカーサー元帥から爆笑を取ったこともあるらしいがよ。


さらに、米寿を過ぎてもかくしゃくとしちゅうがを、健康長寿の秘訣は何かとある財界人から聞かれた際、「だいたいおまさんらあとは食べ物が違う。そりゃおまさん、人を食っておるがよ。」と答えたとか、とにかくこんな名セリフが足るばあ残されちゅうがやき。


そんな吉田首相の名セリフの中でも、この“Go Home Quickly”は、ユーモアとシャレっけのセンスが群を抜いて光っちゅうたぁ思わんかよ?



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