2012年09月30日

幸せの言の葉〈620〉

「あれっぱあ純情で、あれっぱあ涙もろい人はザラにゃあおらん。また、あれっぱあ頑固な人もおらん。それにあればあ自分の命っちゅうもんに対して恐怖心をもっちゃあせん人も、まっこと珍しい。」(白州次郎)


今月9月8日(土)の21時から、NHK総合の土曜ドラマスペシャルにて、渡辺謙さん主演「負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂〜」(毎週土曜日・全5回)の放送がスタートし、昨日がその第4回の放送やったき、それを記念して、高知県出身の総理大臣であり、司牡丹の愛飲者でもあられた吉田茂首相の言の葉を、ここ最近取り上げてきたがやけんど、今回はちくと視点を変えて、側近として仕えた白州次郎さんの言の葉を取り上げさいていただくがやき。


白州さんのこの言の葉は、吉田首相を評したもんながよ。


純情で、涙もろうて、頑固で、自分の命に対して恐怖心がない・・・これが吉田茂やと、側近中の側近が語っちゅうがやき。


考えてみりゃあ、あの戦後の大混乱の中で、サンフランシスコ講話条約を締結し、日本の早期独立を果たしたがやき、吉田首相はいつ命を狙われたちおかしゅうなかったがよ。


おんなじ高知県出身の総理大臣で、おなじく司牡丹を愛飲された浜口雄幸首相も、東京駅で狙撃され、それがもとで命を落としちゅうがやき。


ほんじゃき、当然吉田首相やち、いつ命を落とすことになるかもしれんっちゅう覚悟をもって、政治を行いよったはずながよ。


つまり、ザラにゃあおらんばあ純情で、涙もろうて、頑固な一人の土佐の男が、自分の命を捨てて全身全霊で立ち向かい、日本を復興に導いたっちゅうことながぜよ。



この記事へのトラックバックURL