まず1冊目は、3冊の中で一番気軽に楽しめそうな雰囲気の、
「日本酒マリアージュ」〜お酒がもっと美味しくなる、日本酒×料理の組み合わせ術〜(稲垣知子 著 誠文堂新光社 2012年12月31日発行 1400円＋税)からのご紹介ながよ。
著者の稲垣知子さんは、酒肴家・料理研究家っちゅう肩書きながやき。
稲垣さんは、ル・コルドンブルーでフランス料理、フランス菓子を学び、佐賀で普茶(精進)料理を指導する叔母さんの影響から精進料理や野菜料理に傾倒し、雑誌、書籍、料理教室らあで、丁寧で体にやさしいレシピを紹介しゆうがやと。
ほんで現在は、蔵元を招き、酒販店、飲食店らあ、プロを対象にした蔵元勉強会を主宰、日本酒と肴の効果的な組み合わせについてのアドバイスを行う一方、ビギナー向けに、日本酒との幸せな出会いを提案するイベントらあも行いゆうっちゅうがよ。
また、全国の蔵元をまわりもって(これまでに訪れた蔵は60超)、各地の郷土料理、発酵食についても研究を続けゆうっちゅうがやき。
ほんでこの書籍は、ちくと変わった造り方をしちょったり、熟成に秘密があったりっちゅうような、いろんな珍しいタイプの日本酒を中心に紹介し、それらあと合う料理も合わせて紹介しちゅうがよ。
まずはフルーツ＆ミネラルのニュアンスをもつ日本酒っちゅうカテゴリーじゃあ、たとえば三重県の「而今(じこん)純米吟醸 山田錦」を白桃を思わせるっちゅうて表現し、「冷製桃のパスタ」や「白身魚のカルパッチョ」らあと合うとして、そのレシピらあも紹介しちゅうがやき。
このカテゴリーじゃあ他にイチゴや柑橘、メロン、トロピカルフルーツ、ミネラルらあのニュアンスをもつお酒らあを大きゅうに7銘柄取り上げて紹介し、小そうにあと6銘柄紹介しちゅうがよ。
2番目のハーブ＆スパイスのニュアンスをもつ日本酒っちゅうカテゴリーじゃあ、たとえば宮城県の「綿屋 特別純米酒 美山錦」をグリーンハーブを思わせるっちゅうて表現し、「太刀魚のディルバター焼き」や「れんこんの香菜炒め」らあと合うとして、そのレシピらあも紹介しちゅうがやき。
このカテゴリーじゃあ他にレモングラスやベルガモット、スパイス、バニラらあのニュアンスをもつお酒らあを大きゅうに5銘柄取り上げて紹介し、小そうにあと6銘柄紹介しちゅうがよ。
3番目の、ミルク＆スイートフレーバーのニュアンスをもつ日本酒っちゅうカテゴリーじゃあ、たとえば宮城県の「日輪田 山廃純米」をヨーグルトムースを思わせるっちゅうて表現し、「白子の味噌風味グラタン」や「ごま豆腐のひと口揚げ」らあと合うとして、そのレシピらあも紹介しちゅうがやき。
このカテゴリーじゃあ他にキャラメルやクリーム、パウダーシュガー、ポン菓子、カラメルらあのニュアンスをもつお酒らあを大きゅうに6銘柄取り上げて紹介し、小そうにあと6銘柄紹介しちゅうがよ。
また他にも、パーティーシーンにもぴったりっちゅうて、ぷちぷちはじける「スパークリング日本酒」とか、「にごり酒」のたのしみとかっちゅうて、さらに10銘柄を紹介しちゅうがやき。
とにかく著者は、「はじめに」で、「ひとまずむずかしいお話は抜きにして。ひと口含んだときの『楽しい！おいしい！』を感じるままに、ちょこちょこっと可愛いおつまみやお料理を合わせて楽しんでもらえるような本をつくりたいと思うた。」っちゅう通り、本書は女性向きであり、料理好きの人向きながよ。
お酒と料理を上手に組み合わせて楽しむためのヒントが満載の書籍が、この「日本酒マリアージュ」やっちゅうことながぜよ。
続いて2冊目は、
「モダン酒道」〜フレンチ！イタリアン！中華！あらゆる料理に日本酒を！〜(伊澤治平 著 マガジンハウス 2012年12月13日発行 1400円＋税)っちゅう書籍ながやき。
著者は、独眼竜で有名な伊達政宗公の仙台伊達家御用蔵「勝山」の十二代目蔵元ながよ。
日本酒の蔵元でありながら、ソムリエと「きき酒師」の両資格を持ち、日本酒の持っちゅう限りない可能性を追求しゆうっちゅうがやき。
日本国内はもちろん、海外にも進出し、2003年はパリの最優秀日本料理レストラン賞とイタリアの最優秀BAR賞を受賞、レストランプロデューサーとしても実績があるっちゅうがよ。
ほんで、2010年ANA新ブランド「Inspiration of Japan」コラボレーションパートナーを経て、「モダン酒道」を確立したっちゅうがやき。
ほいたら本書の内容やけんど、まず最初の
「日本酒新時代到来！シェフたちの証言集」っちゅうページにゃあ、食の最先端をいくスターシェフらあの証言が掲載されちゅうがよ。
「日本酒はワイン同様、テロワールと感性の賜物であり地方性豊かな日本の食文化を象徴しちゅう。」(アラン・デュカス)
「日本酒は世界のどんな料理とも合う可能性を秘めた酒。けんどその輸出量はまだ全体の2〜3％。ほんじゃき伊澤治平さんにゃあ、『どんどん暴れや！』と言いたいがよ。」(熊谷喜八)
「すでに世界中の美食家が日本酒に注目しちゅう。より多くのジャンルの料理とのコラボレーションを！」(脇屋友詞)
ほんで巻頭の特集として、「日本酒の未来を拓く！サプライズ・コラボを取材した！」じゃあ、世界初の野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジェ」、野菜寿司専門店「野菜寿司ポタジェ」オーナーシェフ柿沢安耶さんの野菜寿司と「勝山」のコラボ等、5人の料理人の料理とのコラボと、その証言が掲載されちゅうがやき。
ほんで本編じゃあ、「『モダン酒道』の実力を知るための5つのエクササイズ」、「日本酒の実力を存分に生かす『口内調理』モダン酒道の神髄」、「日本酒で毎日の食卓に豊かさを」、「日本酒選び もう迷わない！日本酒新常識」、「日本酒の“テロワール”を考える――水とお酒」、「日本酒でおもてなしホームパーティを開こう！」、「もっと日本酒を楽しむために知っておきたいこと」っちゅう7つの章が掲載されちゅうがよ。
さらに「日本酒美容」、「外食でも日本酒！バー＆レストラン」・・・らあの内容も掲載されちゅうがやき。
内容についちゃあ、いろいろと偏りがあるようにも思うがやけんど、生ハムを日本酒に浸して食べるとか、日本酒にイチゴを浸して食べるとか、さらにピッツアや牡蠣に日本酒を「かけ酒」するとか、極めつけは蕎麦を日本酒に浸して食べるとか、いろいろ常識を超えた楽しみ方が満載やき、そういう新感覚派がお好きな方にゃあ、タマラン1冊となるがやないろかのう。
さてラストの3冊目は、王道の硬派な日本酒本ながよ。
書名からしてハードな、
「日本酒テイスティングBOOK」【西日本編】(葉石かおり 著 �判佝納� 2013年2月10日発行 1200円＋税)っちゅう、発売ホヤホヤの書籍ながやき。
著者の葉石かおりさんは、エッセイストで酒ジャーナリストっちゅう肩書きながよ。
きき酒師、日本酒学講師らあの資格を持ち、美酒と美食を求め全国を奔走し、各メディアにコラムを寄せゆう方ながやき。
ちなみに2005年にゃあ、「おひとりさま」で流行語大賞にノミネートもされちゅうがよ。
葉石さんのこれまでの著書は、どっちかっちゅうたら、やわらか目の気軽に読めるような書籍が多かったがやけんど、今回はかなり硬派な1冊になっちゅうがやき。
その理由として「はじめに」にゃあ、次のように掲載されちゅうがよ。
「酒の味に特化した本を作りたい。辞典のように硬派な一冊を。本書はそんな思いから生まれたがやき。酒をテーマに執筆するようになってから十年余。女性ならではの視点を生かし、ソフトなことばっかし書いてきたけんど、ここにきてハードな本をあえて書きたいと思うようになったがよ。理由はごく単純。酒がますますおいしゅうなっちゅうきながよ。」
「蔵人らあの努力の結晶とも言える酒。そのおいしさをきちんと伝えたい。そのためにゃあ腰を据えて酒と向き合うて、酒自身の声を聞かにゃあ。ほんで約半年をかけ、じっくりと酒の声を聞かいてもうたがやき。」
「酒にゃあ偏りがないよう、各蔵ともにスペックの違う酒を3本選出してもうたがよ。高級酒ばっかしやのうて、安価なレギュラー酒、にごり酒などバラエティに富むがやき。味はもちろん、温度帯や合う料理をセレクト。食中酒としての日本酒を楽しんでもらおうと、その日の晩の食卓がイメージできるようにしたがよ。料理は家庭料理が基本。ハレの日に限らんと、日常的に日本酒を飲んで欲しいっちゅう思いを込めて。」
「媚びることのう淡々と、ひたすら味に言及。色気もそっけもないけんど、それこそが酒を醸す蔵人への賛辞であり、敬意やないかと私ゃあ思うがやき。それを飲み手と共有できたら、これっぱあ嬉しいこたぁないがよ。」
ほんで本編じゃあ、滋賀県以西の銘醸蔵を、近畿編、中国編、四国編、九州編の4編に、全113蔵、339本を紹介しちゅうがやき。
ちなみに高知県は、「文佳人」「亀泉」「酔鯨」「土佐しらぎく」「司牡丹」「美丈夫」「南」の7蔵が取り上げられちゅうがよ。
ほんで「司牡丹」じゃあ、「秀麗司牡丹」(純米吟醸原酒)、「豊麗司牡丹」(純米酒)、「金凰司牡丹」(本醸造酒)の3銘柄が掲載されちゅうがやき。
とにかくこの書籍は、「酒の味に特化した本」「じっくりと酒の声を聞かいてもうた」っちゅうばああって、それぞれの味わいの表現がまっこと秀逸で、ワシらあにとってもこぢゃんと参考になるがよ。
たとえば「秀麗司牡丹」やったら以下の通り紹介されちゅうがやき。
「りんごを思わせる香りが上品に立つ。吟醸らしい美麗な甘味をたたえつつも、しっかりと辛味を乗せ、よどみのない透明感ある味わいに仕上げちゅう。円みをもたせた酸味を諸所に差し込み、飽きのこん奥行きある酒質を実現。喉を通る直前に原酒ならではの強さが顔を出し、味全体をぎゅっとまとめてゆく。10度程度に軽う冷やして。白菜と貝柱のスープ煮、大根とじゃこのカリカリサラダらあと。」
う〜ん、まっこと見事な表現力で、こぢゃんとお酒の味わい表現の参考になるがよ。
「日本酒テイスティングBOOK」【西日本編】は、日本酒の味わいの表現力を身に付けたい方や、日本酒に関わる仕事をされゆう方らあに、まっことお薦めの一冊ながぜよ。
日本酒マリア―ジュ: お酒がもっと美味しくなる、日本酒×料理の組み合わせ術
フレンチ!イタリアン!中華! あらゆる料理に日本酒を! モダン酒道
日本酒テイスティングBOOK ‐西日本編‐
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック！
司牡丹酒造株式会社
