「現在は過去と未来との間に画した一線ながよ。その線の上に生活がなけりゃあ、生活はどこっちゃあにないがぜよ。」(森鴎外)
明治の文豪・森鴎外さんの言の葉ながやき。
森鴎外さんは、もちろん文学史に深う名を刻む小説家でありながら、実は日本陸軍の軍医でもあったがよ。
小説家と医師っちゅうまったく異質な二足のワラジを履いちょった鴎外さんは、そりゃあ超多忙を極めたはずながやき。
けんど、軍医の仕事を終えて帰宅した後、執筆の前に子どもらあに本を読んで聞かせちゃったりと、決して子どもとの時間もおろそかにせんかったっちゅうがよ。
ワシらあは「仕事が忙しいき・・・」と、ついつい仕事を理由にプライベートの家庭生活をおろそかにしがちやけんど、実はそうこうしゆううちに人生はどんどん過ぎ去っていってしまうもんながやき。
医師としちゃあ陸軍軍医総監、陸軍省医務局長にまで上り詰め、小説家としちゃあ「明治の文豪」と言われるまでになった森鴎外さんが、こんな言の葉を語り、家庭生活も決しておろそかにせんかったっちゅうがやに、ワシらあが仕事を理由に家庭生活をおろそかにするらあて、そりゃとんでもない話やっちゅうことながぜよ。