ちなみに最初にお断りしちょくけんど、今回はいっつも以上にこぢゃんと長うて文字数が異常に多いがやき。
そりゃあ、この本の内容があんまり良かったもんやき、このブログを見りゃあいつじゃちスッと内容を思い出せるように、全体をザッと網羅するようにブログを書いたきながよ。
さて、「ハイコンセプト」「モチベーション3.0」らあの書籍で全米大ベストセラーとなった、かのダニエル・ピンクさんが、ついに待望の新刊を出したがやき。
しかも訳者は、かのカリスマ経営コンサルタント神田昌典先生やっちゅうがやき、もはやこれっぱあの情報だけやち、ビジネスパーソン必読書やと断言できるがよ。
その書籍名は、
「人を動かす、新たな3原則」〜売らないセールスで、誰もが成功する！〜(ダニエル・ピンク 著 神田昌典 訳 講談社 2013年7月3日発行 1700円＋税)ちゅうがやき。
まず、この書籍の巻末にある神田先生の訳者解説「3年後のあなたを、本書が創る理由」をワシゃあ最初に読んだがやけんど、これがまたスゴイがよ。
要するに神田先生いわく、村上春樹さんとダニエル・ピンクさんにゃあ共通点があるっちゅうがやき。
そりゃあ彼らにゃあ、未来を創る力があるっちゅうがよ。
神田先生によりゃあ、村上春樹さんの新刊は、9年後の時代の雰囲気をつくり、ダニエル・ピンクさんの新刊は、3年後のビジネス界の常識をつくるっちゅうがぜよ！
詳しゅうは本書の訳者解説をお読みいただきたいがやけんど・・・ちゅうことは、この書籍にゃあ、3年後のビジネス界の常識になる新たな原則が書かれちゅうっちゅうことになるがやき。
もしこれが真実やとしたら、この書籍を読んじゅうビジネスパーソンと読んでないビジネスパーソンじゃあ、3年後にゃあ月とスッポンの差が開いちゅうっちゅうことになるがよ！
こりゃへんしも書店に走るか、アマゾンで注文せにゃあイカンがやき！
さて、ほいたら内容について、ザッとご紹介いたしますぜよ。
まずこの書籍の原題は「To Sell is Human」(「セールスは、人なり」) っちゅうがやけんど、こりゃあ単純に営業マンに向けたセールス本じゃのうて、人間の本質はセールスやと、ダニエル・ピンクさんは断言しちゅうがよ。
ほんじゃきに本書のオビにゃあ、「営業に携わるすべての人に――営業に関わらないすべての人へ」ちゅうて書かれちゅうがやき。
さて本書によりゃあ、アメリカだけやち労働人口の9人に1人はセールスに関わる仕事で生計を立てゆうっちゅうがよ。
ほんでさらに、9人のうちその他8人についても、実はセールスに関わっちゅうっちゅうがやき。
そりゃあ著者が名づけた「売らない売り込み」に従事しちゅうっちゅうがよ。
つまり、自分が所有するもんと引き換えに相手が所有するもんを差し出すように説き伏せ、納得させ、働きかけゆうろうがよっちゅうがやき。
職場での活動分析っちゅう調査じゃあ、仕事時間の40％以上が人を動かすことにあてられちゅうっちゅうことが分かったっちゅうがよ。
しかも、それが仕事の成功にゃあ不可欠やと見なされちゅうっちゅうがやき。
ほんじゃき、「売らない売り込み」を含めりゃあ、世の中の全てのビジネスパーソンは・・・どころか現代人はみんなあセールスに従事しちゅうと言えるがやと、著者は断言するがぜよ。
何でそんな世の中になったがかについて著者は、変容を理解するカギとして、「アントレプレナーシップ」「弾力性」「教育(エド)」「医療(メド)」を挙げるがよ。
セールスパーソンを一掃させるはずやったテクノロジーが、小規模起業家(アントレプレナー)への道を開き、多くの人を売り手に変えたっちゅうがやき。
また、弾力性についちゃあ、自営業であれ大企業勤務であれ、もはや一つの業務をこなすだっけじゃあ十分やのうて、仕事のスキルは境界をまたぐ必要があるっちゅうことに、大半の人が気づいちゅうろうっちゅうがよ。
それにしたごうて、ほとんどのスキルに通常のセールスと「売らない売り込み」が含まれるようになるっちゅうがやき。
教育(エド)・医療(メド)についちゃあ、著者は世界中で急速に成長しゆうがはこの分野やとし、この分野の仕事は人を動かすことが本質やっちゅうがぜよ。
さらに著者は、「買い主は気をつけよ」の世界から、「売り主は気をつけよ」の世界に変わったっちゅうがよ。
こりゃあ、「買い手危険負担」から「売り手危険負担」の世界に変わったっちゅう意味ながやき。
ほんで、後者の世界において生き延びるにゃあ、誠実で公平な態度や、透明性が必要になるっちゅうがよ。
その上で著者は、膨大な社会科学の最前線の調査研究から浮かび上がった、人を動かす上で有益な三つの特質を明らかにするがやき。
これまで長きにわたりセールスの金言ABCは、「Always Be Closing」(必ず まとめろ 契約を)やったっちゅうがよ。
これに対して著者は、新たなセールスの金言ABC、すなわち「同調」(Attunement)、「浮揚力」(Buoyancy)、「明確性」(Clarity)を示すがやき。
まず「同調」たぁ、他者や集団、背景との調和がもたらす力やっちゅうがよ。
自分の行為と見解を、他の人とも自分自身が置かれた状況とも、調和を図る能力やとも言えるがやき。
ほんで、「同調」の中心となるがは、「視点取得」やっちゅうがよ。
他人が関与する、通常たぁ異なる状況や複雑な状況に直面した時、人はそれをどのように理解するもんながか？
自分自身の観点からのみ検証するがか？
それとも「(自分)の経験から一歩踏み出して、他人の感情、認識、動機を想像する能力」を備えちゅうもんながか？
これが「視点取得」ながやき。
ほんで、効果的な「視点取得」、つまり他人との「同調」は、次の三つの原則によって決まるっちゅうがよ。
�［呂鮓困蕕垢海箸砲茲衫呂鯀�やす。
ある研究の結果、力の付与は有利な立場への執着を個人にもたらすきに、他人の視点への適応が不十分になると結論づけられたっちゅうがやき。
つまり力は、適切なダイヤル調節を妨げて、受信するシグナルを攪乱さいて、明快なメッセージを歪め、かすかなメッセージをとらえづろうするっちゅうがよ。
人を動かす術を理解する上で、こりゃあ極めて重要な洞察やっちゅうがやき。
情報の優位性が失われるにつれて、かつて売り手に授けられちょった力も失われつつあり、その結果、人を動かす能力は、今や正反対の力、すなわち人の視点を理解して、その人の頭の中に入り込み、その人の目を通して世界を見る力を拠りどころとするようになったっちゅうがよ。
この「同調」の第一原則を、著者は「説得の柔術」と考えりゃあえいっちゅうがやき。
�⊃瓦汎韻犬个�頭を使う。
社会科学者は、「視点取得」と「共感」を二卵性双生児とみなすことが多いっちゅうがよ。
こぢゃんと近いけんど、完全におんなじじゃないきにながやと。
「視点取得」は認知的能力で、主に思考に関するもんで、「共感」は感情的な反応で、主に感情に関するもんやっちゅうがやき。
両者とも極めて重要やけんど、ある科学者が、「人を動かす」っちゅう点じゃあ、「視点取得」の立場に立つほうが効果的やと突き止めたっちゅうがよ。
相手の頭の中に入り込むほうが、自分自身の心の中に相手を入れるよりか、利益をもたらすっちゅうがやき。
��戦略的に模倣する。
おまさんが相手の真似をしゆうと気づかれんように、それとのう真似ることが、相手を動かすことに効果があるっちゅうがよ。
この研究論文の題名は、「カメレオンはより大きなパイを焼き、より大きな分け前にあずかる」やっちゅうがやき。
また模倣にも接触っちゅうイトコがおるがやと。
見知らぬ人に嘆願書の署名を求めたとき、約55％の人が署名に応じたらしいがやけんど、勧誘員が相手の二の腕にいっぺん触れりゃあ、その数値は81％に跳ね上がったっちゅうがよ。
また、外交的な人が最高のセールスパーソンになると思われがちやけんど、実は外向性と販売“量”にゃあ何の関係性ものうて、実は外向性にも内向性にも極端に偏ることがない、両向性を持つ人こそが、最も営業成績を上げられる人やっちゅうがぜよ。
さて、新たなセールスの金言ABCのB、2番目は「浮揚力」(Buoyancy)ながやき。
売り込みに関わるもんやったら誰やち―――顧客に購入を受諾させろうとする場合やち、同僚の意思を変えろうとする場合やち―――波のように押し寄せる門前払い、拒否、否定と闘わにゎあイカンがよ。
この拒絶の大海の真ん中で沈まんと浮かぶ方法が、他者を動かすうえで必要不可欠な二番めの特質にあたり、著者はこれを「浮揚力」と名づけたっちゅうがやき。
ほんで、浮揚力を生み出すにゃあ、3つのスキルが必要やっちゅうがよ。
まずひとつめは、人を動かそうとする前に必要なスキルで、「疑問文形式のセルフトーク」やっちゅうがやき。
セールスで最もつらい部分たぁ、しぶしぶ自宅を出て世間の人々と向かい合うっちゅうことで、これがまず最初に対峙せにゃならん一番の難関やっちゅうがよ。
これに対してセールスや成功哲学の権威といわれる人の大半が授ける救済策は、自分を奮い立たせることながやき。
けんど、近年の社会科学は、これたぁ異なる事実を明らかにしたっちゅうがよ。
そりゃあ「上手にプレゼンできるやろうか？」とかっちゅう具合に、「疑問文形式のセルフトーク」を投げかけることやっちゅうがやき。
「ワシゃあ最高や！こんなん楽勝！」っちゅう自分を奮い立たせるセルフトークよりか、「上手にプレゼンできるやろうか？」っちゅう疑問文形式のセルフトークの方が、さらに深い部分まで達して長続きするっちゅうがよ。
さらに、任務を全うするために必要なリソースや戦略を自分の中から生み出す刺激になったり、自発的、または内発的動機による目標追求の理由を考えるように促す可能性もあるっちゅうがやき。
続いてふたつめは、人を動かそうとしゆうときに必要なスキルで、「ポジティビティ比」やっちゅうがよ。
実はポジティブとネガティブにゃあ、すべてがうもういく黄金比があるっちゅうがやき。
ネガティブばっかしじゃあもちろんダメやけんど、ポジティブばっかしでもダメやっちゅうことながよ。
適切なネガティビティも必要不可欠やっちゅうことながやき。
その黄金比たぁ、「ポジティブ:ネガティブ」＝「3:1」やっちゅうがよ。
健全なポジティビティ比は、矛盾する二つの力、つまり浮力と重力の調和やっちゅうがやき。
抑制のない軽さは、浮わついた、地に足のつかん、非現実的な状態にするし、抑制のない重厚さは、度重なる苦難に倒れて立ち上がれんようにするっちゅうがよ。
この二つが「3対1」の割合で適切に組み合わさりゃあ、二つの相反する力により、沈まんと浮揚したまんまでおれるっちゅうがやき。
次に三つめは、人を動かそうとした後で必要なスキルで、「説明スタイル」やっちゅうがよ。
その日一日をどのように考えるか・・・とりわけ最悪の局面を自分にどう説明するか・・・が、成功を決定づけるうえで大きな役割を果たすっちゅうことながやき。
「ワシのせいや。この状況はいつまでも続くろう。やること全てがうまいことイカン。」っちゅう具合に考える習慣を持つ、悲観的な説明スタイルの人は、単なる挫折を惨事に変えてしまうっちゅうがよ。
一方、拒絶を永続的なもんやのうて一時的なもん、普遍的やのうて固有のもん、個人的やのうて外的なもんやと見なすタイプ、つまり楽観的な説明スタイルの人は、持続性を持って、あらゆる難題に明るう立ち向かうことができるっちゅうがやき。
さて、新たなセールスの金言ABCのC、3番目は「明確性」(Clarity)ながよ。
「明確性」たぁ、見えてなかった様相を明らかにして、置かれた状況を理解できるようにする能力で、それまで存在に気づかんかった問題を突き止める能力のことやっちゅうがやき。
問題解決能力は今やち重要やけんど、特定の人だっけやのうて誰やち情報を豊富に入手できる現代社会じゃあ、その能力の重要性は以前よりか低いっちゅうがよ。
要するに、自分の問題を正確に把握しちょりゃあ、たいていは誰の助けも借りんと、自力で必要な情報を探して決断を下せるもんやっちゅうがやき。
一方で、本当の問題を取り違えちゅうとき、はっきり把握してないとき、あるいは皆目見当がつかんときに、他者の助けは大いに役立つっちゅうがよ。
そんなとき、人の心を動かすために重要ながは、他人の問題を“解決”する能力よりか、問題を“発見”する能力やっちゅうがやき。
ほんで近年の社会科学じゃあ、クリエイティビティについて、こう言われゆうがよ。
芸術・科学・その他の世界において創造的飛躍を遂げやすい人は、問題解決タイプやのうて、問題発見タイプやっちゅうがやき。
各分野において、クリエイティブな人物とそれ以外の人物とを画するもんは、他者に勝る知識や技術、職人気質やのうて、むしろ、往々にして問題の発見と創造ながじゃっちゅうがぜよ。
ほんで、人を動かす手段として問題を認識するためにゃあ、長年利用されてきた二つのスキルを取り上げて、そのスキルを今までたぁ逆さまにする必要があるっちゅうがよ。
まずは一つめのスキル。
かつて優秀なセールスパーソンは情報を“入手”することに長けちょったけんど、現在の優秀なセールスパーソンは、情報を“監督”することに長じてなけりゃあならんっちゅうがやき。
膨大なデータを選別し、最適かつ明確な情報を他人に提示するっちゅうことながよ。
続いて二つめのスキル。
かつて優秀なセールスパーソンは疑問に“答える”ことに長けちょったけんど、現在の優秀なセールスパーソンは、“訊ねる”ことが得意やなけりゃあならんっちゅうがやき。
可能性を明らかにし、隠れた論点をあぶり出し、思いもよらん問題を見つけ出すっちゅうことながよ。
そのためにゃあ、訊ねるべき質問があるっちゅうがやき。
その訊ねるべきもっとも重要な質問は、“何と比べて？”っちゅう質問やっちゅうがよ。
明確性は対比次第であり、物事は単独で見るよりか、ほかの物と比較して見たほうが深う理解できるっちゅうがやき。
対比は、説得のあらゆる側面において作用し、往々にしてあらゆる側面を拡大するっちゅうがよ。
ほんじゃき、訊ねるべきもっとも重要な質問は、“何と比べて？”っちゅうことになるがやき。
そのためにゃあ、代替物と比べることで美徳を明確にするっちゅう方法で、自分の申し出をフレーミングすりゃあえいっちゅうがよ。
ほんで著者は、心を動かしたいと思う相手に自分の申し出を明確に理解してもらう際に役立つ、5つのフレームを挙げるがやき。
�‐�ないっちゅうフレーム
誰やち選択の機会を好むけんど、あまり選択肢が多すぎるがは、かえってマイナスになるっちゅうことが、豊富な調査結果から分かったがやと。
24種類のジャムを並べるよりか、6種類のジャムを並べた方が、何と売り上げは10倍に増えるっちゅうがよ。
また、安価な品をオマケとして販売商品に加えると、消費者の購入意欲をそぐ結果を招きかねんっちゅうがやき。
ほんじゃきこそ、選択の幅を狭めて選択肢をフレーミングすることにより、選択肢の多さに圧倒されんと、その内容をもっと明確に理解できるようになるっちゅうがよ。
��体験のフレーム
物品よりか体験を購入するほうがはるかに満足度が大きいと、複数の研究者が指摘しちゅうっちゅうがやき。
体験で販売をフレーミングすることが、顧客の満足度を高めて、リピート客につながりやすうなるっちゅうがよ。
��レッテルのフレーム
ある学校の3つのクラスを無作為に、「教室がキレイやと誉める」「教室をキレイにしなさいと告げる」「何も伝えん」っちゅう3種類に割り当てたら、その後ホンマに圧倒的に教室がキレイになったがは、「キレイ」っちゅうレッテルを貼られたひとつめのクラスやったっちゅうがやき。
ポジティブなレッテルを貼りつける・・・つまり自分らあをほかの生徒と比べてフレーミングするっちゅうだっけで、生徒の行動の水準が上がったっちゅうことながよ。
�そ�によるフレーム
研究者の間じゃあ「傷がもたらす効果」っちゅうんも実証されちゅうがやと。
それ以外は利点ばっかしの対象物にささいな難点を付け加えることによって、その記述に肯定的な影響を与えられるっちゅうがやき。
けんどこの効果は、情報を受け取る側が、「低労力」(忙しかったり、ほかのことに気を取られちょったりしても、ほとんど労力をかけんと情報処理できる状態のこと。)の状態やなけりゃ生じんっちゅうがよ。
またもうひとつ、難点に関する情報は、利点に関する情報の“あとに”続けにゃあならんっちゅうがやき。
ここで中核をなすがは、利点に関する情報に接したあと、ささやかな難点の情報に接する場合、ささやかな難点は皮肉にも利点の特色を浮き彫りにするか、増幅させるっちゅう論理ながよ。
�ゲ椎柔�のフレーム
あるコメディアンの広告を2種類制作してFacebookに掲載したがやと。
一方は「次のブームは彼が起こすかもしれん。」で、もう一方は「次のブームは彼が起こす。」やったがやき。
ほいたら何と、前者の方がはるかに多数のクリックと「いいね」を生み出したっちゅうがよ。
つまり、何事かが得意やっちゅう可能性は、同様のことが実際に得意やっちゅう事実よりか好まれる傾向があるっちゅうことながやき。
研究者らあによりゃあ、達成よりか可能性の方が、不確実な分ばあ興味を引きやすいっちゅうがよ。
今度自分を売り込むときゃあ、過去の業績だっけに固執せんと、今後達成するかもしれん見込みも強調すべきやと、著者は言うがぜよ。
さらに著者は、問題と適切なフレームを見つけたら、もうひっとつだっけ踏むべき手順が残っちゅうっちゅうがやき。
「出口ランプを提示する」必要があるっちゅうがよ。
ある大学で実施された実験で、慈善活動への協力依頼の手紙を学生らあに送ったがやと。
「もっとも協力しそうにない」学生と、「もっとも協力しそうな」学生の二つのグループに分けちょって、各グループの半分にゃあ「学生各位」っちゅう宛名で簡単な手紙だっけで、もう半分にゃあ1人1人の名前を書いて、具体的な依頼内容や場所の地図らあも同封したっちゅうがやき。
ほいたら結果として、「もっとも協力しそうにない」グループでも、明確な実行方法を示した依頼によって、「もっとも協力しそうな」グループで明確な実行方法を与えられんかった学生らあの三倍もの学生が、実際に協力してくれたっちゅうがよ。
彼らあを動かしたがは、依頼だけやのうて、依頼者が示した目的地へと導く「出口ランプ」やったっちゅうことながやき。
どのように考えるべきか明確に示したち、どのように行動すべきか明確に示さにゃあ、人の心も行動も動かせんっちゅうんが、ここから学べる教訓やと、著者は語るがよ。
さらに著者は、第3部として「セールスに必要なスキル」っちゅうタイトルで、「ピッチ」「即興(インプロ)」「奉仕」っちゅう3つのスキルを挙げて、詳しゅう解説するがやき。
まず「ピッチ」たぁ、こぢゃんと説得力がある、主張をその本質にまで純化するスキルのことながよ。
ハリウッドの真っ只中に5年間身を置いて、様々なピッチを記録分析した研究者は、大成功を収めるピッチは、キャッチャー(つまり役員)から承諾を引き出すまで、ピッチャー(つまりライター)は自分のアイデアを相手に押しつけんと、むしろキャッチャーを協力者として味方に引き入れるっちゅう事実を発見したっちゅうがやき。
ピッチの目的は必ずしも、自分のアイデアをすんぐに採用してもらうところまで人を動かすことやないがよ。
目的は、説得力あるアイデアを提示して対話を生み出し、相手を参加者として巻き込んで、最終的に双方の興味に訴える成果に到達させることながやき。
買い手があふれる情報と選択を有する世界じゃあ、ピッチが最初の一歩であることが多いけんど、最終決定であるこたぁめったにないっちゅうがよ。
ほんじゃき、かつて売り込みにおいて標準的手順やった「エレベーター・ピッチ」(エレベーターに乗ってから降りるまでの間に説明する)は、いささか陳腐化したっちゅうがやき。
ほんで著者は、それに代わる新たな六つのピッチを紹介するがよ。
�＾豸瀬團奪�
究極のピッチは、たった一言で始まり、その一言で終わるっちゅうがやき。
「検索」っちゅうたらGoogleやし、「プライスレス」っちゅうたらMasterCardながよ。
世界中で自社ブランドにもっとも関連づけたい一つの特徴を定義し、それを所有することが、「ワン・ワード・エクイティ(一言の資産価値)」やっちゅうがやき。
�⊆遡箏織團奪�
質問形式は他人を説得するにあたり、単に意見を述べるよりか効果が高いことが判明しちゅうっちゅうがよ。
聞き手にチビッとだけ労力を投じさせることで、質問形式のピッチは、同意する(あるいはせん)“自分自身”の理由を、聞き手が思いつくように促すっちゅうがやき。
何かを信じる自分自身の理由を思い起こしたとき、人はその信念を強う支持し、それに従うて行動する傾向が強まるもんやっちゅうがよ。
�２￣し織團奪�
有名なO.J.シンプソンの公判の最終弁論で、弁護士が語った有名な言葉は、「手袋が合わ(フィット)ないのなら、無罪(アクイット)とすべきです」っちゅうもんで、陪審員がシンプソンを無罪放免とした理由の一つが、それが韻をふんだ言葉やったきやっちゅうがやき。
�ぅ瓠璽襪侶鑢哨團奪�
著者は、送信するメールの一件一件がピッチやっちゅうがよ。
ほんで、メールで最も重要ながは誰から送られてきたかで、次に重要となるがは件名じゃっちゅうがやき。
さらに件名じゃあ、有用性、好奇心、具体性の3つが大事じゃちゅうがぜよ。
�ゥ張ぅ奪拭次Ε團奪�
アイオワ大学ティッピー・カレッジは、MBAコース70名の定員に対して、毎年300人を超える応募があるがやと。
2011年、同校は未来のビジネスリーダーのピッチのスキルを判定しょうと、選考過程に一つのコンテストを追加したっちゅうがよ。
そりゃあ、「ティッピー・カレッジでMBA取得を目指して学ぶにあたり、また将来MBAホルダーとして仕事をするにあたり、おまさんが特別に秀でちゅう点は何ぜよ？」っちゅう質問で、これにツイート形式で、140文字以下でまとめて回答するよう求めたっちゅうがやき。
�Ε團�サー・ピッチ
「ファインディング・ニモ」や「トイ・ストーリー」でお馴染みの、ピクサー・アニメーション・スタジオが創る映画はどれも、物語の形式において同じDNAを共有しちゅうっちゅうがよ。
そりゃあストーリーテリングの深部構造のことで、次の順で展開する6つの文章を含むっちゅうがやき。
「昔々、・・・・・。毎日、・・・・・。ある日のこと、・・・・・。そんなわけで、・・・・・。そんなわけで、・・・・・。そしてついに、・・・・・。」
この六文形式は、心に訴えるし、引き込まれずにゃあおれん新しいピッチのひな形やっちゅうがぜよ。
さて、二つめのスキルは、「即興(インプロ)」ながよ。
著者は、即興劇の名著やエクササイズらあを挙げて、セールスと即興劇は共通点が多いと指摘するがやき。
即興劇の構造を理解することが、他人を動かすうえで役に立つっちゅうがよ。
ほんで、即興劇の構造として、以下の重要な3つのルールを挙げるがやき。
�．�ファーを聞く
即興劇に「反論を克服する」余地はないがよ。
同調できるかどうか、自分の視点を相手の視点に宿らせることができるかどうかながやき。
即興のこの側面を会得するためにゃあ、“聴く”たぁどういうことか、オファーを構成するもんは何か、自分の理解を見直す必要があるっちゅうがよ。
極意は、“聴こう”とせんと聴くことやっちゅうがやき。
何かを“聴こう”とせんと聴く力が、場面の進行を可能にするっちゅうがよ。
この新たな方法で、親密さを感じもって聴くようにすりゃあ、これまで逃してきたことも聞こえるようになるっちゅうがやき。
他人を動かそうとしゆうときにこの方法で聴きゃあ、表面的にゃあ反論に思えたもんが、姿を変えたオファーやっちゅうことにすんぐに気づくっちゅうがぜよ。
�◆屬呂ぁ△修譴�(イエス、アンド)」と言う
「はい、それで」は、即興劇役者にとっちゃあ基本的なスキルやっちゅうがよ。
著者は、「はい、それで」にゃあ特別な力があると断言するがやけんど、そりゃあ「はい、でも(イエス、バット)」と対比すりゃあ明らかになるっちゅうがやき。
試しにエクササイズとして、何かの提案に対する答えをすべて、「はい、でも」で始めにゃあならんとしたら、議論はグルグル空回りするだっけで、何も、誰も動かんっちゅうがよ。
これを「はい、それで」に変えるだっけで、欲求不満にグルグルと陥らんと、可能性に向こうてドンドン上昇していくっちゅうがやき。
「はい、それで」は、単なる技法やのうて、「ひとつの生き方」やっちゅうがぜよ！
��パートナーを引き立たせる
他人に対して本当に影響を与える唯一の方法は、「すべての人との交流において、相互の利益を常に探すっちゅう思考と心のフレーム」を採用することやっちゅうがよ。
即興劇を演じる役者は、仲間の役者を輝かせることで自分も輝き、お互いが素晴らしい場面を創造できるっちゅうことを知っちゅうっちゅうがやき。
この3つをまとめて著者は、オファーが聞こえるように耳を訓練し、「はい、それで」方式で他人に応じ、相手をいっつも引き立たせるように努めよりゃあ、様々な可能性が生まれてくるはずやっちゅうがよ。
さて最後の、セールスに必要な3つめのスキルは、「奉仕」やっちゅうがやき。
通常のセールスも売らない売り込みも、最終的な目的はサービスながよ。
けんどここでいうサービスたぁ、来店客に微笑むとか、30分以内にピザを宅配するとか、そういうことやないがやき。
さらに広範で、深遠で、卓越した意味のサービス・・・つまり他人の人生を向上させること、同様に世界を向上させることやっちゅうがよ。
ほんで著者は、その根本たぁ、「人間味をもたせる」ことと「目的をもたせる」ことやっちゅうがやき。
�／祐嵬�をもたせる
人と相対することの少ない放射線医師の孤独な仕事での実験で、患部の画像に患者の顔写真を付けた場合と顔写真がない場合とじゃあ、「偶発的所見」(治療中の症状に関連せん異常を画像に発見すること)の発見は圧倒的に前者の方が多かったっちゅうがよ。
医師ですら、患者を1人の人間として対応することがこぢゃんと重要やっちゅうことが分かるがやき。
つまり、患者やろうが、お客様やろうが、相手に人間味をもたいたほうが、はるかに神経の行き届いた仕事ができるっちゅうことながよ。
患者の顔写真がCT画像の横で医師を見つめるとき、画像診断は具体的で人間味を帯びた行為になったように、通常のセールスも売らない売り込みも、問題解決っちゅう枠を飛び越えて、人に奉仕するっちゅう境地に達したときに業績も向上するっちゅうがやき。
また、人間味をもたせる価値観にゃあ、二つの側面があるっちゅうがよ。
一つは、CT画像の背後におる個人を思い起こすときのように、自分が奉仕する人物を認識すること。
もう一つは、自分が売ろうとしゆうもんの背後に、自分自身を一人の人間として据えることやっちゅうがやき。
�¬榲�をもたせる
アメリカの病院で医療従事者に対して、以下の3タイプの表示の効果を試したっちゅうがよ。
「手の衛生はおまさんを感染から守るぜよ。」
「手の衛生は患者を感染から守るぜよ。」
「ジェルをつけて 手を洗うだっけ。」
一番効果があったがは圧倒的に二番めの表示やったっちゅうがやき。
つまり、目的の主要点を掲げるこたぁ、人を動かすためにもっとも効力がある―――ほんでもっとも見過ごされちゅう―――方策のひとつやっちゅうがよ。
人間は主に自己の利益によって動機づけられると考えがちやけんど、ワシらあ誰もが、社会科学的な用語でいやあ「向社会的」とか「自己超越的」とかっちゅう理由でも行動することが、数多くの研究から分かっちゅうっちゅうがやき。
ちゅうことは、自分自身が奉仕するだっけにとどまらんと、ほかの人らあにも内在する奉仕したいっちゅう欲求も活用すべきやっちゅうがよ。
通常のセールスの領域でやち、目的が業績を高める役割を果たすことも明らかになっちゅうっちゅうがやき。
「個人的利益」を意識づけされたグループと、仕事の「目的」について意識づけされたグループとじゃあ、後者が圧倒的にセールスの成績が良うなるっちゅうがよ。
奉仕の意義たぁ、ほかの人の人生を向上さいて、同様に世界も向上させるっちゅうことやっちゅうがやき。
ほんで、それこそがサービスの活力源であり、他人を動かすために必要な最後の秘訣やっちゅうがよ。
さらに著者は、ロバート・グリーンリーフさんが提唱した「サーバント・リーダーシップ」を紹介するがやき。
こりゃあ、もっとも成果を上げるリーダーたぁ、勇ましゅうて主導力を発揮するタイプやのうて、物静かで謙虚なタイプであり、彼らの目的は、名目上自分よりか低い立場におる人らあに奉仕することやっちゅうリーダーシップながよ。
サーバント・リーダーになるっちゅうことは、奉仕したいっちゅう自然な感情が発端になるきに、まずは奉仕が先立ち、次に意識的な選択として、指導したいっちゅう希望が生まれるっちゅうがやき。
ほんで著者は、この理念をセールスに取り入れるための機は熟したっちゅうがよ。
言うなりゃあ、サーバント・セリングやっちゅうがやき。
人を動かすもんは、他人を巧妙に操るがやのうて、サーバントやっちゅう発想が端緒になるっちゅうがよ。
まず人に奉仕して、それから売る。
自分が売ろうとしゆう相手がそれに合意した場合、その人物の人生は向上するやろうか？そのやり取りが終了したときに、世界は当初よりえい場所になるやろうか？・・・これらあが試金石となるっちゅうがやき。
ほんで著者は、サーバント・セリングは今の時代において、人を動かすことの真髄やっちゅうがよ。
さらに最後に著者は、真のセールスマンは、理想主義者であり芸術家であるっちゅうがやき。
さらに真の人間もまた、同様やっちゅうがよ。
人間とほかの種を区別する特質のなかにゃあ、理想主義と芸術性の結合がある―――つまり、世界をより良うしたいっちゅう欲求と、欠けちゅうたぁ気づかれんかった何かを世界に授けたいっちゅう欲求のことやっちゅうがやき。
他人を動かすために、人間の本質であるこの崇高な側面をないがしろにする必要はない、現在その側面を受け入れることが求められちゅうっちゅうがよ。
ほんで、「売るは人の常なりと念頭に置くこと、これに尽きる」っちゅうて締め括るがぜよ。
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