今回は久々のお薦め書籍、高知県四万十市(旧中村市)出身で、実写ドラマ化もされた人気漫画「深夜食堂」の著者、安倍夜郎さんの漫画+雑文集「酒の友めしの友」(安倍夜郎 著 実業之日本社 平成26年4月12日発行 800円+税)をご紹介しますぜよ。
ちなみにこの書籍は、ワシの同級生のマンボ(http://mnnbo2.exblog.jp/)が、安倍夜郎さんも同級生やっちゅうことで、ズーズーしゅういつの間にか仲良うなっちょって、ワシ宛てのサイン入り本をいただいてきてくれたもんながよ。
まずはマンボ、ありがとうございますぜよ!
続いては安倍夜郎さん、ありがとうございます!まっことズーズーしい同級生をお許しくださいや。
さてこの書籍は、まずは6ページの描きおろし漫画「マイ・フレンド」から始まるがやき。
ほんで続いては、「マイ・フレンド 酒の友めしの友」として、安倍さんの故郷である四万十市中村の食と家族の話しらあを、漫画「深夜食堂」同様のしみじみとした文章で読まいてくれるがよ。
そのタイトルだっけやち土佐人にとっちゃあ垂涎モンで、まずは「キビナゴのフライ」から始まり、「渡川の幸」(川エビ、スジアオノリ、アオサノリ、ゴリ等々)、「カツオのタタキ」、「ニナ」、「皿鉢料理」、「イタドリの花咲く頃」、「四万十の山芋」、「帰省の味」、「ミュージカル『深夜食堂』と文旦」、「中年シングルの冷や飯」っちゅう具合ながやき。
特にワシがジーンときたがは、「ニナ」の話しながよ。
ちなみにニナっちゅうんは高知県あたりの呼び名で、一般にゃあクボガイっちゅう親指大の巻き貝のことらしいがやき。
ほんで安倍さんは子供の頃、夏になるとようニナを取りに行って、大鍋に入れて茹で、家族で競い合うようにして食べたっちゅうがよ。
その食べ方が、まっことまさに「昭和」っちゅう感じで、素敵ながやき。
確かにワシも子供の頃に似たような記憶があり、懐かしさも込み上げてきたがよ。
その食べ方たぁ、居間に新聞紙を敷き、ニナの入った大きめのボウルと殻入れ用のボウルを用意し、安倍さんと妹さんとお父さんの3人で、マチバリ(つま楊枝より断然身が取りやすいらしい)を使うて、ひたすら黙々と食べるっちゅうがやき。
お父さんはパンツ一丁で寝そべりもって、子供相手に手加減なしで競うて食べるき、それが安倍さんにとっちゃあ悔しゅうもあり面白うもあったっちゅうがよ。
ほんで、安倍さんが高校3年の時に、丈夫で病気ひとつしたことのなかったお父さんが、突然亡くなられたっちゅうがやき。
それ以来、もうあんな食べ方はしてないき、帰省すりゃあ1人で好きなばあニナを食べられるけんど、あの頃みたいに面白うはないと、安倍さんは呟かれるがぜよ。
また、「帰省の味」じゃあ、宇高連絡船のデッキで食べる立ち食いうどんのシチュエーションの美味しさの話しがあって、まさにワシゃあ「そう!そう!そうながよ!」っちゅうて思わず膝を打ったばあながよ。
またもうひとつの帰省の味として、中村市役所近くの「竹葉のたこ焼き」が登場しちょって、安倍さんも帰省したら必ず食べるっちゅうがやき。
実はワシの姉貴は嫁いで中村に住んじゅうき、遊びに行ったら必ずこの「竹葉のたこ焼き」を大量に買い込んで食べるばあ、ワシも大好物ながよ。
いま流行りの外はカリッと中はトロッとっちゅうんたぁ一線を画し、あの外も中もヘナヘナのたこ焼きにちくと甘辛いタレがかかって、何ともいえん独特の美味しさで、アッちゅう間に1人で20個ばあ平らげてしまうばあながやき。
あぁ・・・こんなことを書きよったら、久しぶりに「竹葉のたこ焼き」がこぢゃんと食べとうなってきたがぜよ!
ほんでラストの3つめにゃあ、「○○の女(ひと)」シリーズも収録されちゅうがよ。
「新宿の女」、「高円寺の女」、「砂町の女」、「恵比寿の女」、「中村の女」、「池之端の女」、「羽田の女」、「江古田の女」、「銀座一丁目の女」っちゅう具合に、それぞれの街でたくましゅう生きてきた女性らあの半生を、これまた昭和の匂いのする文体で、淡々と描き出しちゅうがやき。
基本、飲み屋やバーらあの飲食店関係の女性が多いがやけんど、ワシもこんな女(ひと)のおるお店の常連さんになってみたいもんじゃと、しみじみ思うたがよ。
安倍夜郎さんの「酒の友めしの友」・・・140ページばあの薄めの本やけんど、ジンワリとした読みごたえのある、派手さはないけんど、心のヒダにやさしゅう触れてくる、誰にじゃちお薦めできる良書ながぜよ。
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