5月25日(日)は、ワシが理事長を務めゆう「土佐学協会」(http://tosagaku.cocolog-nifty.com/report/)主催の、「第8回・土佐学大会」やったがぜよ。
ちなみに昨年の「第7回・土佐学大会」についちゃあ、昨年の「5月22日」と「5月23日」のブログをご参照くださいや。
ほんで「第8回・土佐学大会」は、高知県立大学永国寺キャンパス251教室にて13時半からの開会やき、ワシゃあ12時半前にゃあ県立大学に到着したがやき。
ほいたら、高知県立大学の熱血「清原ゼミ」の生徒さんらあが、受付や会場の準備らあを、バッチリやってくださりゆうところやったがよ。
毎年のことながら、感謝感謝ながやき。
また、ワシらあのこの1年間の集大成、「土佐学年報・第8号〜たまるか!土佐がはみかえる〜」が、遂に完成しちょったがよ。
ご担当いただきました清原先生、岡崎さん、まっことありがとうございましたぜよ!
さて今回の大会は、「高知にこんなスゴイ会社があったがや!」がテーマながやき。
13時の受付開始から、ぼちぼちお客様が集まりだいて、40名ばあの方々にご参加いただけたがよ。
ホンマは50名ばあは集めたかったがやけんど、学生さんらあにも20名以上集まっていただけたき、まあ上出来といえるがやき。
13時半からは開会行事。
学生会員の岡崎さんの司会で開会し、まずは成田会長のご挨拶があり、続いては理事長のワシからのご挨拶と、大会テーマの趣旨説明ながよ。
県民所得は47位と最下位で、高齢化県で人口自然減県で、あらゆる社会経済的指標が万年最下位クラスの高知県やき、地元企業も少のうて、就職先もあんまりないがが高知県やと言われゆうがやき。
けんど、考えてみりゃあ、日本で一番最初に株式会社をつくったがは、亀山社中(→海援隊)をつくった坂本龍馬さんやと言われゆうし、それを引き継いで大三菱グループをつくりあげたがも、土佐の岩崎弥太郎さんながよ。
さらに商社でいやあ、鈴木商店を日本一の商社に育て上げたがは、大番頭の金子直吉さんで、彼も高知県出身ながやき。
また、その鈴木商店で働きよって、大阪で薬屋を開業したがが、ダイエーの中内功さんのお父様で、そっから日本の流通革命を牽引したスーパーマーケット「主婦の店ダイエー」が生まれたがやけんど、実は中内功さんのお祖父様の中内栄さんは高知県出身で、ダイエーの名前はお祖父様の名前の「栄」から命名されたもんながやと。
こうしてみりゃあ、土佐の高知は名だたる企業を輩出してきたといえるがよ。
けんどかつては、「名だたる企業」になるためにゃあ、土佐を脱藩せにゃあイカンかったがやき。
ところが今の時代、世界中がネットでつながり、企業の所在地はあんまり問題にならん時代が到来しちゅうがよ。
ほいたら、これからドンドン高知県にも、「名だたる企業」が生まれてくる可能性は大ながやき。
否、実は既に「高知にこんなスゴイ会社があったがや!」と言われるような企業が、綺羅星の如く存在しちゅうがよ。
今回は、そんな「スゴイ会社」を代表する3名の経営者をお招きし、お話をうかがえるがやき。
きっと、ご参加いただきました皆さんに、元気と未来への希望を与えてくれるはずながよ!
だいたい、こんな内容の趣旨説明をさいてもうたがやき。
ほんで、いよいよ3名の経営者の皆さんの講演ながよ。
まずトップバッターは、障害者を雇用しもって次々と人気飲食店をオープンさせゆう、NPO法人ワークスみらい高知(http://www.worksmirai.com/)代表の竹村利道さんながやき。
竹村さんは、15年間高知県内で福祉関係の公務員を勤められる中で、障害者の方々の時給のあまりの低さ、あまりの職場環境の悪さに衝撃を受けたっちゅうがよ。
障害者の全国平均の月給は、13586円やっちゅうがやき!
日給やないぜよ、月給ぜよ!
そんな中で、障害者の方々の就労を支援していくにゃあ、「哀れを売る」がやのうて、一切の言い訳を廃していかにゃあイカンと気づき、NPOを立ち上げたっちゅうがよ。
地元マスコミらあに大々的に取り上げられ、船出したがやけんど、1ヶ月で200万円の赤字、車を売り、生命保険を解約し、身内に借金し、結局4ヶ月目でいったん事業を整理することになったっちゅうがやき。
そんなドン底で気づいたがは、「結局、障害者よりか誰よりか、自分自身が自立してなかった!」っちゅうことやったがやと。
そん時に初めて、自分の理念やポリシーに筋金が入ったっちゅうがよ。
そっからもういっぺんだっけっちゅうて父親から借金し、再スタートをきったっちゅうがやき。
始めた店は、「m's kitchen」ちゅう弁当屋。
この店は何とか軌道に乗り、オープン6ヶ月目で初めて自分の給料が出たっちゅうがよ。
ほんで、そっから「m's factory」っちゅう惣菜屋、「m's place」っちゅうカフェ、「ストロベリー・フィールズ」っちゅうケーキ屋らあをオープンしていくことができたっちゅうがやき。
そんな中で、最初っから障害者を雇うちゅうことをひけらかさんと、後から知られた方が、味方になってくれる場合が多いっちゅうことに気づいたっちゅうがよ。
また、ハンディキャップを補うもんとして、最新型の機械の導入がこぢゃんと有効やとも気づいたっちゅうがやき。
確かに障害者にゃあ、難しい作業はできんけんど、機械を導入することで大抵のことは可能になるっちゅうがよ。
また、この頃までは、あんまり高知県のことらあ考えてなかったけんど、「土佐茶カフェ」をつくったあたりから、地元へのこだわりがムクムクと沸き上がってきたっちゅうがやき。
いま、県外から視察に訪れる方々が引きも切らんけんど、彼らあは高知県らしいところを見たいがよ。
けんど、全国チェーンだらけになった街中のいったいどこに高知県があるがやろう?
そんな高知県らしいものを残していこうと、「アートゾーン藁工倉庫」や「土佐酒バル」らあをオープンさいていったっちゅうがやき。
いま、9つの店を運営しもって、125名の障害者を雇うちゅうけんど、彼らあやち責任感とプライドを持てりゃあ、矜持(きょうじ)が持てりゃあ、しっかり働くっちゅうがよ。
「アートゾーン藁工倉庫」で働きゆう障害者のご両親が、「ウチの子が美術館で働けるたぁ思わんかった!」と、こぢゃんと悦んでいただけたっちゅうがやき。
障害者は、目を離さんと、けんど手は離して、自立できるように応援していかにゃあイカンっちゅうて、竹村さんは力強う締め括られたがよ。
続いては、日本初の有機国際認証を取得したオーガニックコットン使用の布団らあを、世界を相手に販売しゆう株式会社ハート(http://www.heart-kochi.jp/)の山岡俊文社長さんの講演ながやき。
山岡社長さんは、ご長男さんが子供の頃喘息気味でアトピーやったっちゅうがよ。
ほんで、ステロイドらあの強い薬を塗ったり飲ませたり、大変やったっちゅうがやき。
ほんで、ドンドン薬が強いもんになっていったっちゅうがよ。
そんな中で、自然の海で泳がせたりっちゅう療法に変えていき、薬が減っていき、今じゃあ完治したっちゅうがやき。
そんな経験から、元々父親から引き継いだ布団屋を、ちびっとずつオーガニックに変えていったっちゅうがよ。
最初は「なんちゃってオーガニック」やったけんど、今じゃあ世界初のオーガニックコットン専用工場を大豊につくるまでになったっちゅうがやき。
有機認証は、毎年1回こぢゃんと厳しい審査があり、なかなか大変ながやけんど、だからこそ、他社と完全に差別化できるっちゅうがよ。
いまや、ニトリさんで「有機」と書いちゃある商品は全てがハートさんの商品やし、かのポール・マッカートニーさんの娘さんの会社、ステラ・マッカートニーのオーガニックタオルの原料も、供給さいてもらいゆうっちゅうがやき。
また、かの世界的ブランドのグッチにも、生地を納めゆうっちゅうがよ。
ほんで最後に、5月29日(木)19:25〜19:54、NHKのEテレにて放送の番組「大人への扉」に、ハートさんの会社や工場が登場する予定やき、是非ご覧くださいっちゅうて締め括られたがやき。
ほんでトリの3人目は、東京ディズニーランドや「アナ・スイ」「アニエス・ベー」らあの世界の一流ブランドとコラボする菓子会社、株式会社アンファンの森本一社長さんの講演ながよ。
アンファンさんは、今でこそ本社は東京に置いちゅうけんど、元々は高知の会社で、いまやち高知市内の工場でお菓子を製造しゆうっちゅうがやき。
ちなみに今は東京ディズニーランドとは取り引きはないっちゅうがよ。
1953年から、高知市で菓子の問屋をしよって、森本社長さんの代から製造を始めたっちゅうがやき。
従業員は40人ばあおるけんど、最初の頃から今まで、ずっと商品企画や、営業らあは、ほぼ1人でやってきたっちゅうがよ。
ほんじゃき、自分から営業をかけることらあのうて、取り引きが始まるがは、ご紹介か、商品を見て向こうから来るかだっけやっちゅうがやき。
そんなことでこれまで40年近うやってこれた理由は、他社とおんなじもんは絶対につくらんっちゅうポリシーがあったきやっちゅうがよ。
初期の頃は、森永さんとかサザビーさんとか、東京ディズニーランドさんとかの、OEMがメインやったけんど、自分の売りたいもんを自分の価格で売りたいっちゅうことで、今は直営店を増やしゆうっちゅうがやき。
菓子屋でありながら、菓子屋で売ってないようなもん、日常にあるもんやのうて非日常のもん、「え!?」ちゅう驚きのあるもんっちゅうテーマで、モノづくりをしていきゆうっちゅうがよ。
今は札幌、東京、名古屋、神戸、博多らあに全国6店舗を展開しゆうっちゅうがやき。
また、パリにゃあルイヴィトンのビルの5階に事務所があるっちゅうがよ!
ほんで、みんなあにアンファンさんのお菓子を配ってくださったがやき。
かのハイジュエリーブランド「ハリーウィルソン」のオリジナルのチョコクッキーらあて、展示会にでも参加せにゃあ口にできん貴重なシロモノやき、まっこと皆さん大感激やったがよ。
今後も、バッグブランドの「コーチ」、「バーニーズ・ニューヨーク」、「ロレアル」、「ティファニー」らあとのコラボの仕事が決まっちゅうっちゅうがやき。
まっこと、3人の経営者の皆さんの講演を聞かいてもうて、あらためて「高知にこんなスゴイ会社があったがや!」と、感動さいてもうたがぜよ。
その後は、ちくと休憩をはさんで、3人の経営者の方々のパネルディスカッションながよ。
司会進行は、高知県立大学文化学部の武森さんが担当ながやき。
ほんでまずは、今も高知に拠点を置く理由は何かっちゅうんと、そのメリットとデメリットは何ですかっちゅう質問があったがよ。
竹村さんは、理由はとにかく高知に生まれたからやっちゅうがやき。
他の県に生まれちょったら、そこに拠点を置くかもしれんけんど、やっぱし他県から来た方々が口をそろえて言うように、「高知って面白い街ですね!」やっちゅうがよ。
東南アジアみたいやと。
結局、デメリットと思えるようなだらしなさっちゅうか、ユルさが、実は高知のメリットかもしれんっちゅうがやき。
山岡社長さんも、高知に拠点を置く理由は、そりゃやっぱし高知に生まれたからやっちゅうがよ。
また、ハートさんは、社長以外はほとんど女子社員らしいがやけんど、高知の女性はまっことホンマに働き者やっちゅうがやき。
また高知の女性は、自由な考え方を持っちゅうし、自分の考え方をしっかり持っちゅうっちゅうがよ。
それがメリットで、デメリットは情報が少ないことやっちゅうがやき。
ネットでの情報らあて、結局は生きた情報やないっちゅうがよ。
現場での生の、生きた情報が、やっぱし高知にゃあ少ないっちゅうことがデメリットやっちゅうがやき。
続いては森本社長さんで、やっぱし同じく、高知に拠点を置く理由は、高知に生まれたからやっちゅうがよ。
ほんで今、森本社長さんは、火曜から金曜まで東京におって、土曜から月曜まで高知におるっちゅうパターンらしいがやけんど、その生活パターンが自分にとっちゃあ最高やっちゅうがやき。
ずっと東京におったら、感じられんようなこともあるっちゅうがよ。
時々東京から距離を置いて眺めることができるきにこそ、新しい発想も生まれ、東京や世界のブランドと渡り合えるっちゅうがやき。
それがメリットで、デメリットは、高知に工場があるもんやき、運賃と日数がかかることやっちゅうがよ。
次の質問は、デメリットをメリットに変えたことがあるかっちゅうことと、行政に対する要望はあるかっちゅうこと。
まず森本社長さんは、デメリットをメリットに変えたっちゅうんは思いつかんけんど、行政に対する要望は、情報がほしいっちゅうことやっちゅうがやき。
今の手段としちゃあネットしかないけんど、リアルな現在の情報がほしいっちゅうがよ。
山岡社長さんは、高知JC時代に、「とにかく東京へ行け!」っちゅうて助言してくれた仲間がおって、その言葉に助けられ、デメリットをメリットに変えることができたっちゅうがやき。
竹村さんは、メリットとデメリットの差は、ほんの数センチやっちゅうがよ。
高知にゃあ情報が少ないっちゅうんも、いっそまっとまっと情報をなくしてしもうたら、例えばミステリートレインみたいな感覚で、そりゃあメリットになるかもしれんっちゅうがやき。
行政への要望は、高知みたいにお金が少ないところは、公平に分配しよったら結局どっこと何ちゃあできんことになるき、一部のうまいこといきそうな分野だっけに絞り込んでお金を使うべきやないかっちゅうがよ。
その後は、3名の経営者の方々に個別の質問らあがあったがやき。
森本社長さんにゃあ、世界の一流ブランドがアンファンを選ぶ理由は何かっちゅう質問があったがよ。
これに対し森本社長さんは、他にないもんをつくりゆうっちゅうことと、後はデザインやっちゅうがやき。
一流デザイナーやアーティストとのコラボは、実はそのデザインをお菓子に落とし込む段階が一番難しいっちゅうがよ。
ここはデフォルメしてもえいけんど、ここはイカンっちゅう部分を見抜けにゃあイカンっちゅうがやき。
次に学生からの視点での質問っちゅうことで、どんな人材を求めちゅうかと、学生に希望することは何かあるかっちゅう質問やったがよ。
この質問に対し竹村さんは、コピペせんこと、それだっけやっちゅうがやき。
事実は真実の敵やっちゅうがよ。
山岡社長さんからは、トライしろっちゅうことと、自ら求めて動けっちゅうお言葉があったがやき。
森本社長さんは、自己主張ができる人、自分を大事にする人、信念がある人が欲しいっちゅうことやったがよ。
最後に今後の展開についてっちゅう質問があったがやき。
竹村さんは、高知じゃあ昔の街並みを取り戻すような、ちんまいことをやりたいっちゅうんと、あとは障害者福祉の全国モデルになるようなもんをつくりたいっちゅうことやったがよ。
山岡社長さんは、例えば高知県産の生姜にゃあ捨てる部分がたくさんあるけんど、そりゃあ繊維ながやき、何とか布団らあに使えんかとか、そういうことを考えられゆうっちゅうがやき。
森本社長さんは、バービーの55年記念で、チョコレートで立体に近いバービーをつくる予定やっちゅうお話があったがよ。
その後、会場からの質問らあもあり、こうして16時過ぎにゃあ、パネルディスカッションは拍手喝采の中、無事終了したがやき。
さてずいぶん長いブログになってしもうたき、この続きは、明日のブログにてご紹介さいていただきますぜよ。
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