

当時廃れがちになっちょった「てぬぐい」に光を当て、新たな生命を吹き込んだがが、昭和62年(1987年)に代官山にオープンした、てぬぐい専門店「かまわぬ」(http://www.kamawanu.co.jp/)ながよ。


ちなみに「かまわぬ」たぁ、鎌の絵に輪と「ぬ」の文字を連ねて、「構わぬ」の言葉にかけて洒落をきかいた判じ柄で、江戸の元禄時代に歌舞伎役者の市川団十郎(当時)さんが使うて流行らせたっちゅう、伝統文様ながやき。

この書籍の表紙の柄が、その「かまわぬ」柄ながよ。

「何のお構いもできませんが、お気軽にお立ち寄りください」っちゅう意味を込めて、「かまわぬ」っちゅう店名になったがやき。
ところで、何でワシがこの店についてこんなに詳しいかっちゅうたら、実はワシゃあこの「かまわぬ」がオープンした当時、その関連会社の社員やったがよ。
ワシが東京の大学を卒業して、昭和60年(1985年)に入社した会社は、恵比寿に本社を置く株式会社ハニーっちゅう、ファッション雑貨や菓子を扱う会社やったがやき。
一年中クリスマス雑貨を販売する「クリスマスカンパニー」、テディベア専門店「カドリーブラウン」、趣味のえい駄菓子屋「ハラッパA」、ハイセンスな雑貨や文具を扱う「キネティクス」・・・これらあの最先端の人気ショップを次々とオープンさいて、何ちゃあなかった代官山を一躍オシャレな街にしたがは、この会社の力やっちゅうたち過言やないがよ。
また、代官山で日本初のハロウィーン仮装行列を開催したり、「キャッチボール」っちゅうブランドでデザイン性の高いキャンディーをバラ売りしたり、「ブラウンファクトリー」っちゅうブランドで手作りチョコレートを流行らせたりしたがも、全部ハニーながやき。
そんな洋モノばっかしやりよった会社が、ワシが入社3年目の昭和62年(1987年)に、初の和の店を、しかもオドロキの「てぬぐい専門店」を代官山にオープンさいたがよ。
当時のワシゃあ、何で「てぬぐい」ながか、サッパリ意味が分からんかったがやき。
けんど、実際にオープンしたその店で、てぬぐい柄の美しさや雰囲気、そして何より次々にやってきて目を輝かせててぬぐいを選ぶ若い女性客らあを見て、ワシゃあそん時初めて「和」のもんがカッコエイと思うたがよ。
ある意味これがきっかけになって、「和」の最たるもんの日本酒蔵である司牡丹に帰ること(平成2年)になるがやき。
その後、残念ながら株式会社ハニーの本体はないなってしもうたけんど、その遺伝子を受け継いだ株式会社かまわぬはシッカリ生き残り、今や直営店7店(+系列直営店4店)となっちゅうがよ。
しかも今回、これまた「和」のデザインが好きな方にとっちゃあタマラン、さらに一部が英語でのバイリンガル表記になっちゅうき和風好きの外人さんにとったち堪えられん、こんなオシャレな書籍まで出版されたがやき。
さて、ほいたらその内容やけんど、まずは「かまわぬのはじまり」っちゅうタイトルで、代官山の店の紹介がされちゅうがよ。
続いては、「日本が誇る『注染(ちゅうせん)』の技術」として、てぬぐいの注染についての紹介や、「てぬぐいができるまで」、「型紙のはなし」らあが詳しゅうに紹介されちゅうがやき。
さらに、そんな合間にも、眺めるだけやち美しい、様々なてぬぐいの図柄が、ズラリと紹介されちゅうがよ。

また、「かまわぬあれこれ」として、各界で活躍中のイラストレーターや雑誌編集者の方々の「てぬぐい生活」が紹介されちょったり、「てぬぐいってすごい」として、その様々な使い道が紹介されちょったりするがやき。
さらに、「企業やキャラクターとのコラボレーション」として、2002年に発売されたサントリーの「涼屋麦茶」のパッケージデザインを担当した事例や、タリーズコーヒージャパン、スターフライヤー、長谷川町子美術館、横浜F・マリノス・・・等々とのコラボてぬぐいらあが紹介されちゅうがよ。



ほんでそんな中に、ナント!司牡丹の事例として、「半纏てぬぐい」もバッチリ紹介されちゅうがやき。

この書籍の画像だけじゃあ分からんかもしれんけんど、この「半纏てぬぐい」は、実は1枚のてぬぐいを折り畳んでできちゅうがよ。
ちなみに本物の半纏と並べてみたら、こんな感じながやき。


ほんで、折り畳みを広げてみりゃあ、こんな感じながよ。

こりゃいっぺん広げてしもうたら、二度と折り畳めんやいか・・・ちゅう心配はご無用!
この「半纏てぬぐい」にゃあ、折り畳み方の説明書も付けられちゅうがやき。

ちなみにこの「半纏てぬぐい」は、司牡丹本社内に併設のアンテナショップ「司牡丹・酒ギャラリー ほてい」にて、1000円(+消費税)にて販売されゆうがよ。
また「ほてい」じゃあ、「かまわぬ」ブランドの様々な図柄のてぬぐいも、仕入れさいてもうて販売しゆうきに、是非チェックしにいらしてくださいや!

また、ご存じの方もいらっしゃるろうけんど、司牡丹の「山廃純米かまわぬ」(山廃仕込純米酒)っちゅう商品は、もちろん「かまわぬ」のお店から拝借した命名ながやき。

山廃仕込みたぁ、司牡丹でも平成7酒造年度より、40数年ぶりに復活さいたっちゅう伝統的な酒造技法ながよ。
現在やち、高知県内酒造メーカーの中で山廃仕込みのお酒は、この商品が唯一ながやき。
山廃仕込みは、乳酸の添加らあの、人工的な操作をほとんど加えん、ある意味自然にゆだねる酒造りやき、「人が構ってない」っちゅう意味から、「かまわぬ」を酒名とさいてもうたっちゅう訳ながよ。
・・・おっと、話題が書籍から離れてしもうたき、また書籍に戻しますぜよ。
さらにこの書籍の内容としちゃあ、「かまわぬの活動」として、「かまわぬ浅草店」や「伊東屋てぬぐいデザインコンテスト」や、ちんまいてぬぐい専門店「まめぐい」(http://www.mamegui.jp/)、移動販売カーの「CARまわぬ」、バネ口ポーチ専門店「BANE口」、手染め技術を活かしたスカーフの新ブランドを世界に向けて発信する「BY KAMAWANU」(http://bykamawanu.jp/)らあも、紹介されちゅうがやき。



ほんでラストにゃあ、「かまわぬの歳時記」として、日本の四季折々の情緒をぎゅっと詰め込んだかのような様々なてぬぐい文様が、解説付きでズラリと紹介されちゅうがよ。

「かまわぬのデザイン」・・・脈々と受け継がれてきた職人技に新たな生命が吹き込まれて復活した、古うて新しい「和」のデザインの数々を、是非本書でご堪能くださいや!
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司牡丹酒造株式会社