「物を売るバカ」〜売れない時代の新しい売り方〜(川上徹也 著 角川oneテーマ21 2014年5月10日初版発行 800円＋税)っちゅう新書本をご紹介しますぜよ。
この書籍の著者である川上さんの本は、以前に「星ヶ丘のチンパンジー」っちゅう書籍をご紹介(「2012年3月23日」のブログ参照)したことがあったけんど、「星ヶ丘〜」のキャッチコピーは「世界一やさしいマーケティングの教科書」やったがやき。
ほんで今回の書籍のキャッチコピーは、「すべての営業マン必読！」「ストーリーブランディングの決定版！」ながよ。
前回の書籍も、内容は「ストーリーブランディング」やったがやけんど、今回はその決定版っちゅうことながやき。
この書籍は、タイトルやキャッチコピーも秀逸で、カバーのラーメンの写真もシズル感があるもんやき、こぢゃんと売れゆうようで、研修・課題図書にする企業が続出っちゅうて、新しいカバーの内側に記載されちゅうほどで、ワシが買うたがは2014年9月20日発行の第7版やったがよ。
ちなみにラーメンの写真が掲載されちゅう新しいカバーの下にゃあ、無味乾燥な通常の新書本のカバーが出てきたがやき。
新しいカバーの方が、売れ行きは倍増、いや下手したら10倍増にゃあなるがやないろうか。
さて、内容やけんど、まずタイトルの「物を売るバカ」っちゅうんは、物(＝商品)だっけを売って飛ぶように売れる時代はもうとっくに終わっちゅうっちゅう意味ながよ。
どれっぱあえい商品やち、それだっけを売ろうとすりゃあなかなか売れんがやき。
頑張りゆうにバカをみてしまうがよ。
普通じゃあ売れん時代やからこそ、新しい売り方が必要やと、著者は言うがやき。
「商品だけを売りゆう店」は、価格、立地、品揃えらあの効率的な利便性によって商売が繁盛するかどうかが決まるがよ。
それじゃあ、ちんまい会社や店にゃあ未来はないがやき。
しかも今の時代は、「価格」も「広告」も「流通」も、「品質」や「サービス」ですらも、どっこもそれほど大差がのうなってきて、生活者にゃあ区別がつかんきに、それで差別化するっちゅうんは、まっこと難しい時代やっちゅうがよ。
ほいたら、どうすりゃあえいがか？
ここで著者は、「価格」「広告」「流通」「品質」「サービス」らあ以外の「選ばれる要素」が存在する、つまり「商品」そのものを売らんと別の要素を売りゃあえいっちゅうがやき。
本書じゃあ、その要素を詳しゅう分析し、どうすりゃあ使いこなすことができるかを豊富な実例を交えて、やさしゅうお話ししていくっちゅうもんながよ。
ほいたら、その要素は何かっちゅうたら、そりゃあズバリ、「物語(ストーリー)」やっちゅうがやき。
「商品を売るがに物語が大切や」と書かれちゅう本は足るばああるろうけんど、ほいたらどんな「物語」が人の心をつかみ動かすかを説明できるかよ？どうすりゃあ効果的に「物語」を発信できるか知っちゅうかよ？・・・多くの本は、そのあたりをちゃんと説明してないと、著者は言うがよ。
さらに著者は、どこにやちある商品でも「物語」で売るこたぁできると、断言するがやき。
「商品」の「物語」が難しいがやったら、「志」や「理念」やち、「物語」になるっちゅうがよ。
さらに、「体験」「人人のつながり」「社会貢献」「正直である」「社員を大切にする」「ビジョンがある」「接客」「経営者の生い立ち」「創業者の思い」「従業員のキャラクター」「売り方」「おもてなしの気持ち」「おまけ」「店頭の陳列法」「包装」「遊び心」「コミュニティ」「サプライズ」「秘密」「期待値越えのサービス」・・・等々があるっちゅうがやき。
ほんで、これらあの「物語の種」を拾い上げ、人が共感できるように育ててうまいこと発信すりゃあ、他の会社やお店たぁ違う独自の存在になることができるっちゅうがよ。
たとえ扱いゆうがが、どこの店やち買える商品であってもやっちゅうがやき。
また著者は、人類の三大発明は、「言葉」と「物語」と「文字」やっちゅうがよ。
ここまでが、「はじめに」の要約ながやき。
ほんで本論の第一章は、「スーパーより高い野菜が通販で売れる謎」(〜人は物だけを買いゆうがじゃない〜)っちゅうタイトルで、まずOisix(オイシックス)さんの実例が掲載されちゅうがよ。
しかも、創業してまだ数年やったオイシックスさんが、最初に出したヒット商品で、それを手掛けたがが、当時新人バイヤーやった小堀夏佳さんやっちゅうて掲載されちゅうがやき！
実は小堀さんは、何度も高知に来られたことがあって、ワシも懇意にさいてもらいゆう方やき、こんなところでお目にかかれるたぁ思うてなかったき、まっこと嬉しい限りながよ。
さてそのヒット商品たぁ、千葉県の農家の田中さんが細々と育てよった「はくれい」っちゅう品種の「かぶ」やっちゅうがやき。
こぢゃんと甘うてジューシーやに、色がようないっちゅう理由であんまり売れてなかったこの「かぶ」を、小堀さんは「桃みたいに甘うてジューシー」っちゅう理由から「ピーチかぶ」と名付け、発掘までの経緯らあを物語にして、田中さんの顔写真とともにサイトに掲載して販売したら、スーパーよりかかなり高額にもかかわらず注文が殺到し、オイシックスを代表する大ヒット商品になったっちゅうがよ。
さらに、書籍の表紙に掲載されちゅう、ラーメン屋の事例も掲載されちゅうがやき。
ここじゃあ、あえて紹介せんき、是非本書をご覧くださいや。
ほんで著者は、マーケティングにおける「物語(ストーリー)」たぁ、以下のように定義しちゅうっちゅうがよ。
『お客さん・社員・取引先らあに対して語る、本当にあった(フィクションやない)「個人」「会社」「お店」「商品」らあにまつわるエピソードやビジョン。』
さらに、「物語」を使う7大メリットについても挙げられちゅうがやき。
�ゞ縮�を持ってもらえる。
��感情移入してもらえる。
�� 記憶に残る。
�ぅ�ンリーワンになれる。
�ゼ最圓鮓譴襪海箸任茲蠖爾ざΥ兇鯑世襦�
�Εぅ瓠璽犬魘ν�できる。
�Ц�コミをしとうなる。
続いて第二章は、「なんでこの「もやし」が買いとうなるがか？」(〜どこにやちある商品でも物語は作れる〜)っちゅうタイトルながよ。
まず掲載されちゅう事例は、どこにやちある「もやし」ながやき。
新潟の「雪国まいたけ」が、「もやし」の原料である緑豆を、バングラデシュで生産して輸入し、日本で栽培して販売しゆうがやけんど、これを現地の貧困解消や生活改善に役立てるソーシャルビジネスの側面を持たせ、「もやしのきずな」っちゅう商品名で、その物語とともに売り出してヒットさいたっちゅう事例ながよ。
その他にも、ワシもうかごうて感動した代官山蔦屋書店の事例や、函館でしか味わえん「ラッピ体験」で大人気のチェーンのハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」の事例、道北のちんまいビジネスホテルやに外国人観光客が押し寄せて人気の「うたのぼりグリーンパークホテル」の事例、「みんなあと一緒にレモンを育てる楽しさ」を売る三重県の園芸ガーデニング通販サイト「花ひろばオンライン」の事例・・・等々が、テンコ盛りで、こぢゃんと参考になるがやき。
お次の第三章は、『「奇跡のリンゴ」が映画になった理由』(〜人類共通の感動のツボとは？〜)っちゅうタイトルながよ。
この章でも様々な事例が紹介され、著者は、人類共通の感動のツボを押す、「ストーリーの黄金律」を挙げるがやき。
【ストーリーの黄金律】
�＿燭�が欠落しちゅう、または欠落させられた主人公が
��何としてもやり遂げろうとする遠く険しい目標やゴールに向こうて
��数多くの葛藤、障害、敵対するもんを乗り越えていく
続いての第四章は、「ちんまいオフィス機器販売会社がモテる理由」(〜価値を「見える化」する3本の矢〜)っちゅうタイトルながよ。
この章でも、「社会貢献からはじまるいろいろな物語」を売る会社として伸びゆう、京都のちんまいオフィス機器販売会社「カスタネット」らあの事例が紹介されちゅうがやき。
ほんで著者は、「おまさんくから買いたい！」と言われるようなモテる会社になるためにゃあ、「ストーリーブランディングの3本の矢」を構築していくことが大事やっちゅうて、これらあを詳しゅう解説されちゅうがよ。
【ストーリーブランディングの3本の矢】
�〇�
��独自化のポイント
�Ｌノ賄�なエピソード
さらに、「3本の矢」を完成させるワークショップも紹介と解説があり、至れり尽くせりながやき。
お次の第五章は、「おんなじ新幹線の車内販売で4倍売れる秘訣」(〜お客さんと相思相愛になるラブストーリー戦略〜)っちゅうタイトルながよ。
最初の事例は、まさにタイトルの、新幹線の車内販売で人の4倍売る女性の事例ながやき。
著者は、彼女が売りゆうがは、「彼女自身」であり、「お客さんとの間にうまれる物語」を売りゆうがやっちゅうがよ。
さらに、お客さんと「ラブラブ」になることで地ビールのトップブランドになった長野県の「ヤッホーブルーイング」の事例も紹介されちゅうがやき。
ほんで著者は、お客さんを濃ゆうて熱いファンにするための、「ラブストーリー戦略」を紹介し、詳しゅう解説しちゅうがよ。
【ラブストーリー戦略】〜お客さんと相思相愛になるための7つの魔法〜
〈MAGIC� 喨�を売るな、物語を売れ！
〈MAGIC�◆咾�もしろそう、と思わせる。
〈MAGIC��〉五感すべてに訴えかけよ。
〈MAGIC�ぁ咾�客さんと親密になり、一緒に行動せよ。
〈MAGIC�ァ喙�分をさらけだせ。
〈MAGIC�Α咼潺好謄螢▲垢瞥彖任鮖弔察�
〈MAGIC�А售�待値を1％でも上回り続けよ。
さらに最後に、「花屋でラブストーリー戦略を考えてみろう」っちゅうワークショップも用意されちょって、まっこと学びになるがやき。
続いての第六章は、「結局すべては「人」なんだ、ちゅう法則」(〜人は人の思いに共感する。共感すりゃあ買いとうなる〜)ちゅうタイトルながよ。
これまで挙げてきた事例すべてに共通しちゅうポイントとして、ここで著者は、そりゃあ「人」やっちゅうがやき。
つまり、「商品に人をプラスすりゃあ物語になる」っちゅうんが、原則やっちゅうがよ。
ほんで、この単純な原則さえ知っちょりゃあ、「物語で売る」ことができるっちゅうがやき。
さらにその物語が、「黄金律」にそうちょったり、「3本の矢」を兼ね備えちょったり、お客さんとの「ラブストーリー」を描けるもんになっちょったら、お客さんとの関係はより強固になり、どんどん売れていくやろうっちゅうがよ。
この最後の章でも、たくさんの事例が示され、著者は「社内で、お客さんと従業員との『ちょっとえい話』を集めていこう」っちゅうて提案し、さらにそれを「ちゃんと言語化」し、「社員全員で共有できる仕組み」を作ろうやっちゅうて、提案して締め括っちゅうがやき。
「物を売るバカ」・・・200ページばあの新書でこぢゃんと読みやすいけんど、きっとあらゆるビジネスにこぢゃんと役に立つ内容やき、ビジネスパーソン必携の書籍ながぜよ。
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