3月4日(水)は、朝8時過ぎばあから、司牡丹・最高峰の純米大吟醸「深尾(ふかお)」の槽搾り(ふねしぼり)と斗瓶取り(とびんどり)が行われたき、今回はその貴重な画像をご紹介さいていただきますぜよ。
ちなみに「深尾」たぁ、元々は司牡丹社長のプライベートボトルとして、毎年お世話になった方々のみに年末に贈呈しよった非売品やったがやき。
けんど、アチコチから「あの酒は凄い!」っちゅう声が上がり、またファンの方々からの強い要望もあり、平成3年から500本(720ml)程度のみを、一般市場に流通させるようになったもんながよ。
毎年寒さが最も厳しゅうなる1月末から2月上旬にかけて、司牡丹の最高ランク(精米歩合35%・40%)の純米大吟醸は、タンク4本分ほどが仕込まれるがやき。
発酵期間は1ヶ月以上かかるき、搾りは2月末から3月上旬になるがよ。
その搾りは、昔ながらの圧搾機、「槽(ふね)」で搾られるがやき。
まずは、モロミを酒袋に詰めて、「槽」の中に注意深う並べて積んでいくがよ。
こん時に酒袋に入れる量を一定にしちょかにゃあ、積んだ酒袋が崩れる恐れがあるし、酒袋の折り方が下手やったら、モロミが漏れてしもうたりするきに、なかなか気を遣う大変な作業ながやき。
ほんで、本来は上から圧力をかけて搾るがやけんど、最初のうちは圧力はかけんと、モロミ自身の重みだっけで自然に搾られた酒が、「槽」の垂れ口からチョロチョロと流れ出してくるがよ。
最初のうちは、まだ酒袋の目が詰まってないき、にごった酒が出てくるがやけんど、ちくと経って酒袋の目が詰まってきたら、流れ出てくる酒が透明に近うなってくるがやき。
こん時を見計ろうて、斗瓶(とびん)と呼ばれる1升瓶10本分が入る寸胴瓶で抜き取るがよ。
司牡丹の最高ランクの純米大吟醸の仕込みは、白米1トンばあの仕込みながやけんど、この1本の純米大吟醸の搾りの中から、わずかに斗瓶5本分(90リットル)ばあしか抜き取らんがやき。
つまり、最高ランクの純米大吟醸の、さらに少量の最高の部分だっけを抜き取るっちゅうことながよ。
いかに貴重で凄い酒か、お分かりいただけますろう。
しかも、これで「深尾」の完成・・・たぁならんがやき!
この斗瓶を低温の冷蔵庫に静置し、まだちくとにごったオリの部分を除く「オリ引き」っちゅう作業らあを、斗瓶1本1本手作業で行うがよ。
さらにその後も斗瓶のまんま、低温冷蔵庫にてゆっくりゆっくり熟成さいて(斗瓶囲い)、実に9ヶ月もの時を重ねさせるがやき。
ほんで、低温冷蔵庫でじっくりゆっくり熟成されて、アルコールの角が取れて円くまろやかになってきた頃、つまり今年の年末の11月ばあに、1本1本720ml瓶に詰めて、湯煎にかけて瓶燗して、冷風や冷水で急冷し、12月になってラベルが貼られてはじめて、「深尾」の完成となるがよ!
ちなみに酒名の「深尾」たぁ、司牡丹のふる里である佐川の城主・深尾公からいただいたもんながやき。
関ヶ原で功を得た山内一豊公が土佐に封ぜられたとき、山内家の首席家老である深尾重良公が城主として佐川に入られたがよ。
司牡丹の先祖はこの深尾の殿様のお抱えの酒屋として佐川に入り、酒造業を創業したとされちゅうき、慶長8年(1603年)が創業で、実に410年以上の歴史を誇っちゅうがやき。
ほんでこの酒の香味は、芸術とも言える美しゅうて華やかな吟醸香と、比類ないばあまろやかに膨らむ豊かな味わいを持っちょって、その圧倒的な美味しさと品格は、心の中に大輪の牡丹の花が開くかのようながよ。
ところで、今回の画像の今年の「深尾」は、これから低温貯蔵される段階やき、発売は今年の年末12月まで待たにゃあイカンがやき。
ほいたら昨年12月発売の「深尾」はっちゅうたら、ロクに宣伝もしてないに今年の1月にゃあ既に完売してしもうて、司牡丹の在庫はもはやゼロながよ。
ただしどっかの酒販店さんにゃあ、まだ在庫があるかもしれんき、どうしても入手したい方は、申し訳ないけんど、ご自身でお探しくださいや。
あ、「土佐酒バル」(高知市追手筋1-9-5 TEL:088-823-2216)に行きゃあ、まだ何本か「深尾」を確保しちゅうみたいなき、コチラやったら「リーデル大吟醸グラス」で1杯(40ml程度)600円ばあの格安の価格で、バッチリ堪能することが可能やき、こぢゃんとお薦めさいていただきますぜよ。
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司牡丹酒造株式会社