「幸福たぁ、幸福を問題にせん時をいうがぜよ。」(芥川龍之介)
大正から昭和にかけて活躍した小説家、芥川龍之介さんの言の葉ながやき。
確かに人間、ホンマに幸福な時にゃあ、幸福を問題にしちゃあせんがよ。
ちゅうことは、幸福を問題にしちゅうっちゅうことは、幸福やないっちゅうことながやき。
幸福を問題にすること自体が、「どうしたら幸福になれるがか?」とか、「この不幸から脱出するにゃあ?」とか、要するに悩んじゅう訳やき、不幸やっちゅうことながよ。
一方、ホンマに幸福な時にゃあ、自分が幸福やとか不幸やとかっちゅうようなことを、考えてもないがやき。
つまり、ホンマに幸福な時っちゅうんは、いろいろ考える間ものう、何かに夢中になっちゅう時、何かに熱中しちゅう時やっちゅうことやないろうか。
その、何かに夢中になっちょったり、何かに熱中しちゅう時ゃあ、自分が幸福やとか思うてもないがやけんど、後から考えてみりゃあ、あの夢中になっちゅう時、熱中しちゅう時が幸福やったがやと気がつく・・・幸福たぁ、そういうもんながやないろうかのう。