「不安に駆られた弟子が師のもとを訪れて尋ねたがよ。『師よ、どうしたら自分を解き放てるがでしょう?』師が答えたがやき。『ほいたら訊こう、誰がおまさんを縛っちゅうがぜよ?』」(ヒンドゥー説話)
誰かのせいで、あるいは境遇のせいで、または環境のせいで、自分を自由に解き放つことができんと思い込んじゅう人がおるがよ。
けんど、よう考えてみいや。
おまさんは、縄でしばられちゅうわけでも、牢屋に閉じ込められちゅうわけでもないがやき。
ほいたら、現実にゃあ、おまさんを束縛しちゅうもんらあて何ちゃあないっちゅうことながよ。
実はおまさんが自分を解き放てん理由はただひとつ、おまさん自身がおまさんを束縛しちゅうっちゅうことながやき。
まずはそれに気づくことながよ。
ほいたら後は、自分自身の呪縛から脱け出すだけながやき。
誰かが縛ったわけやない、自分自身が縛っちゅうがやき、脱け出し方は必ず自分自身で見つけ出すことができるはずながよ。
最後にもういっぺん訊こう。
いったい誰がおまさんを縛っちゅうがぜよ?