「ワシゃあよう疲れ果て、信念も勇気も失くしてしもうたように感じることがあるけんど、これを嫌うたり、追い出そうと抗うたりしちゃあイカンと思うちゅうがよ。必要ながは、こうした感情に屈し、時に泣き、あてどのう考えを巡らせることながやき。そうしゆううちに、魂が生き続けちゅうことに・・・前進しちゅうことに気づくがぜよ。」(ヘルマン・ヘッセ)
20世紀前半のドイツ文学を代表する作家、ヘルマン・ヘッセさんの言の葉ながよ。
人間、どれっぱあ優秀な人やち、どれっぱあ楽天的な人やち、疲れ果てて、信念も勇気も失くしてしもうたように感じる時があるがやき。
そんな時、そんな状態の自分に嫌悪感を抱いたり、そんな状態を無理矢理追い出そうとしたりしてしまいがちやけんど、そりゃあイカンと、かのヘルマン・ヘッセさんは断言するがよ。
こうした感情に屈することも、時にゃあ泣くことも、あてどのう考えを巡らせることも、必要なことやっちゅうがやき。
そりゃあ竹で言やあ節、つらい冬に節ができるきにこそ、竹はしなったち折れん強さを身につけるがよ。
そりゃあ刃物で言やあ砥石、砥石っちゅう異物で研かれるきにこそ、刃物としての重要な役割を担うことができるがやき。
つまり人は、そんな逆境の中でこそ、自分の魂が生き続けちゅうことに気づき、魂が進化しちゅうことに気づくことができるっちゅうことながぜよ。