8月21日(金)は、「ザ クラウンパレス新阪急高知」にて18時から、高知県蒲鉾組合と高知県酒造組合との合同夏季研修と懇親会が開催されたがやき。
高知県蒲鉾組合からの提案での初の合同夏季研修やって、高知県酒造組合からは、司牡丹のワシ以外は亀泉さん、酔鯨さん、西岡さんと、事務局の秋久さんの5名が出席やったがよ。
全員で10数名ばあかと思いよったら、蒲鉾組合さんの方は仕入れ業者や取引先の方々らあも招かれちょって、20名以上いらっしゃったもんやき、酒造組合としちゃあちくと肩身が狭かったがやき。
さて、まずは高知県蒲鉾組合の岡村理事長さんがご挨拶されたがよ。
ほんで、土佐食株式会社の野村明社長さんのご講演ながやき。
ちなみに野村社長さんは、元は高知県工業技術センターにて、食品加工部長や研究企画部長らあを歴任された農学博士ながよ。
専門は水産化学、水産利用学で、特に「土佐湾沿岸で漁獲される練り製品原料魚のかまぼこ適性について」で、現在も高知県工業技術センターの食品加工特別技術支援員を務められゆうっちゅう、蒲鉾博士ながやき。
ご講演は、まずは「かまぼこの話」からスタートながよ。
「水産伝統食品いろいろ」から始まり、「水産伝統食品におけるかまぼことは」から、「日本最古のかまぼこ」、「かまぼこの面白さ」らあについて、詳しゅう語ってくださったがやき。
特に、「かまぼこの面白さ」は、「原料魚に対する許容性」がある、つまりかまぼこに出来ん魚はないっちゅうことと、「加工の自由度」が高い、つまりいろんな新しい手法らあもまだまだ試せる余地があるっちゅう2点やっちゅうくらあが、興味深かったがよ。
さらに「品評会で見られた配合素材」についてや、「長い歴史の中で先人達が考え出した成形手法」について、「加熱方法」について、「加工の自由度のまとめ」について、「全国名産かまぼこ」についてらあのお話をいただき、なかなか面白かったがやき。
また、「大正〜昭和初期と現在のつくり方の違い」についてらあを詳しゅう語られ、現在かまぼこ業界が低迷しちゅうがは、大量生産により品質が落ちちゅうからやっちゅうて、警鐘をならされたがよ。
まず、現在は冷凍すり身を多用することにより、かつてはよっぽどクセの強い魚を使う時にしか行わんかった「水晒し」を行うもんやき、魚の風味も何ものうなってしもうたっちゅうがやき。
さらに、昔は絶対行わんかった「二段加熱」が、水を加えて量を増やしたち足が強うなる(粘弾性のこと)っちゅうことから一般的になり、さらに美味しゅうなくなったっちゅうがよ。
その上、機械化により、熟練の職人も不在になり、ますますかまぼこ本来の味わいからは離れていきゆうっちゅうがやき。
かなり辛辣なお話やったがやけんど、蒲鉾組合の皆さんは、このお話をいったいどう聴かれたがやろうかのう?
その後も、酒造組合のメンバーに向けて、「酒と魚」についてのお話らあをしてくださったがよ。
「魚」っちゅう字は、音読みじゃあ「ぎょ」で、訓読みの場合は「うお」と「さかな」の二通りの読み方があるがやき。
「うお」と「さかな」はどう違うがかっちゅうたら、まず「うお」は魚類の総称であり、生き物としての呼び名やっちゅうがよ。
次に「さかな」は、広辞苑で調べりゃあ、「酒菜の意」とあり、酒を飲むときに添えて食うもんとあるっちゅうがやき。
もちろん食用としての「うお」っちゅう意味も記載されちゅうけんど、三番目に上げられちゅうっちゅうがよ。
つまり、食べ物としての呼び名が「さかな」やっちゅうことながやき。
日本に生息する動植物の種類は莫大な数に上るけんど、食べ物としての呼び名を他に持つ例は「魚」の他に見当たらんっちゅうがよ。
日本人が有史以前から魚介類と特別の関わりを持って暮らしてきたっちゅうことやし、また「酒の菜=魚」であり、魚あってのお酒、お酒あっての魚っちゅう密接不離の関係をズバリ言い当てちゅうっちゅうがやき。
こうして18時半にゃあ、野村社長さんのご講演は終了したがよ。
ほんで引き続きそのまんま、懇親会の開催ながやき。
まずは高知県酒造組合を代表してワシから、ご挨拶をさいてもうたがよ。
まずはこのような合同での研修会と懇親会を開催していただいたことに対する御礼と、野村社長さんのご講演は、日本酒メーカーにとったちこぢゃんと学びになったっちゅうことらあを述べさいてもうたがやき。
特に、大量生産のための「水晒し」や「二段加熱」らあで、かまぼこの品質が落ちたき全体の需要も減ったっちゅうあたりは、まるでかつて日本酒が、大量生産の三倍増醸酒だらけになり、ベタ甘い酒だらけになって需要が落ちていったっちゅうあたりと、見事にかぶるがよ。
その後、日本酒業界は地方銘酒を中心として、本物志向の純米酒や吟醸酒を普及さいていき、いまや日本酒の中で年々伸びゆうがは純米酒や吟醸酒だけになり、若者や海外でも大人気となっちゅうがやき。
きっとかまぼこ業界も、おんなじような道をたどり、本物が復活することにより、需要も復活していくがやないろうかっちゅうお話もさいてもうたがよ。
続いては、高知県蒲鉾組合の方のご発声で、もちろん土佐酒で乾杯をして、宴席がスタートしたがやき。
そっから後は、ビールをチェイサー代わりに、土佐酒の燗酒を酌み交わし、飲んで食べて語り合うて、飲んで食べて語り合うて・・・盛り上がったがよ。
アチコチのテーブルも移動しもって、蒲鉾組合の方々とも、いろいろお話さいてもうたがやき。
土佐酒と土佐かまぼこで、今後はいろんなコラボやジョイントができそうで、まっこと楽しみながよ。
また、宴席の中で野村社長さんとも、さらに突っ込んだお話をいろいろさいてもうたがやき。
そんな中で、野村社長さんが何気のう語られた「かまぼこを50℃程度で加熱しただけのもんは、食感がプリップリで絶品やった!ただしすぐに食べにゃあ雑菌が繁殖するき、販売はできんけんど・・・」っちゅう話題に、ワシゃあこぢゃんと反応してしもうたがよ。
「持ち帰りは不可にして、その場ですぐに食べてもらやあえいやないですか!そんなかまぼこ、日本中探いたちないき、土佐の高知に来にゃあ食べれん、サイコーのウリになりますよっ!何より一番、ワシが食べてみたいっ!」っちゅうてコーフン気味に語ってしもうたがやき。
野村社長さんも周りの蒲鉾組合の方も、ほいたらちくと実験してもうかっちゅうことになったようながよ。
こりゃまっこと、高知県観光の食の目玉の1つになるような前代未聞の凄いかまぼこが、これから誕生するかもしれんがやき!
こうして大盛り上がりのうちに、20時半ばあに高知県酒造組合の「亀泉」の川澤さんの中〆にて、高知県蒲鉾組合と高知県酒造組合の合同夏季研修会と懇親会は、無事お開きとなったがぜよ。
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司牡丹酒造株式会社