「わずかの人間の決めた賞らあて、そうたいした名誉やあないがよ。ワシのほしいがは、大衆の喝采ながやき。大衆がワシの仕事を賞賛してくれりゃあ、それで十分ぜよ。」(チャールズ・チャップリン)
英国の俳優・映画監督・コメディアンで、「喜劇王」と呼ばれたチャールズ・チャップリンさんの言の葉ながよ。
この言の葉は、まっことそのまんま、ワシらあ日本酒蔵元にも当てはまるがやき。
「全国新酒鑑評会」や「SAKE COMPETITION」や「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)・日本酒部門」らあを筆頭に、いま日本酒業界じゃあ海外も巻き込んで、アッチでもコッチでも日本酒のコンテストが花盛りながよ。
ほんで、それらあのコンテストで上位に入賞すりゃあ、一夜にしてスター銘柄になり、一気に品切れになったりっちゅう現象が起こりゆうがやき。
もちろん、司牡丹やちそれらあのコンテストに出品もしゆうし、上位入賞を果たしたりすりゃあそりゃあ嬉しいし、それらあのコンテストが存在しちゅうことは業界にとってえいことやと思うし、否定したり非難したりするつもりは毛頭ないがよ。
けんど、そん時に、このチャップリンさんの言の葉の意味を、絶対に忘れちゃあイカンがやき。
わずかの人間のために、つまり「賞」のために日本酒を醸すようになってしもうちゃあイカンっちゅうことながよ。
日本酒は、あくまで身銭をきって買うてくださりゆう、飲んでくださりゆう方々の人生を豊かにするために醸しゆうっちゅうことだけは、絶対に忘れちゃあイカンがぜよ。