12月22日(火)の冬至の日は、「旬どき・うまいもの自慢会・土佐」(http://tosa-no-umaimono.cocolog-nifty.com/blog/)の〈第38回・冬の集い〉やったがやき。
この自然の美しい土佐の高知の四季を愛で、海の幸・野山の幸・川の幸っちゅう恵まれた旬の豊かな食を味わいもって、さらにその季節ならではの旬の土佐酒を楽しむ・・・。
そんな「集い」を、季節ごっとに毎年4回開催していく団体。
それが「旬どき・うまいもの自慢会・土佐」ながよ。
ほんで今回のメイン食材は、栄養価抜群の檮原町の「キジ肉」と、幻の在来野菜と言われる「潮江菜」での、鍋料理ながやき。
詳しゅうは後ほど解説するとして、まずはワシゃあ16時半ばあに、会場の「土佐料理 花鶴」さんに到着し、ちくと打ち合わせや準備をしたがよ。
お酒や料理の組み合わせや順番、グラスの準備や資料の配布等々、だいたい終わった頃、受付や司会のお手伝いをお願いしちょった長崎さんと松田さんが到着。
18時前ばあから、ぼちぼちお客様が集まられだいたがやき。
ほんで18時半、32名のお客様がほぼ集まられ、いよいよ開会ながよ。
いっつも、旬の野菜らあをご提供いただきゆうファーム・ベジコ(http://vegeco.jp/)の長崎さんの司会進行でスタートし、まずは主催者を代表してワシからのご挨拶ながやき。
続いては、「花鶴」さんの大将・刈谷さんから、この日のお料理メニューについて、ちくと解説があったがよ。
お次は、潮江菜の生産者である「潮江旬菜」代表の熊澤さんから、メイン食材の潮江菜についての解説があったがやき。
潮江菜は、牧野富太郎博士の指示で採取・保存されちょった土佐の潮江地区原産の幻の在来野菜のひとつで、今年高知新聞にも記事が掲載され、大変な話題となったがよ。
故・宮尾登美子さんも、食することを熱望され、亡くなられてから棺にまで入れられたっちゅう、伝説の野菜ながやき。
そんな潮江菜を、この冬、販売可能なばあの量の生産に成功し、遂に復活さいたがが、熊澤さんながよ。
熊澤さんいわく、潮江菜は水菜の原種であり、日本最古の野菜であり、実は物凄い栄養価があるっちゅうがやき。
今、ある大学の研究者らあと潮江菜を調べゆうところらしいがやけんど、栄養価的に信じられんばあの数値が出たりしゆうらしゅうて、発表したら大変なことになるがやないかっちゅうがよ。
さらに潮江菜は、肝機能を強化してくれる成分らあも含まれちゅうらしいきに、飲兵衛にとってもこぢゃんと嬉しい食材やっちゅうがやき。
こりゃあ、ますます期待で胸が膨らむっちゅうもんながよ!
さあ、乾杯のお酒「美薫司牡丹」(純米吟醸酒)が配られ、日銀高知支店長の河合さんのご発声にて乾杯し、宴席のスタートながやき。
★「美薫司牡丹」(純米吟醸酒)
●先付:潮江菜のサラダ
この酒の優雅で美しき薫りと、なめらかでソフトな味わいに、「こりゃ旨い!」「フルーティでスッキリ!」「乾杯にピッタリ!」らあの声があがったがよ。
ほんで、「潮江菜のサラダ」は、熊澤さんくの「潮江旬菜」の潮江菜を中心に、春菊、赤軸ホウレン草、辛子菜らあと、海老とベーコンが入っちょって、ドレッシングはナチュラルでアッサリ味やき、野菜の旨みが引き立つがやき。
ほんで、この酒の味わいの中に密かに潜んじゅうハーブ様の風味が、このサラダの野菜の旨みを一層引き立て、美味しさを倍増さいてくれるがよ。
★「司牡丹・生鮮酒〈冬〉あらばしり」(本醸造生原酒)
●前菜:正月盛り(海老、牛蒡、黒豆、数の子、大丸、田づくり、筍、鞠麩、チョロギ)
お次は、今年の新酒「あらばしり」と「正月盛り」の組み合わせながやき。
この酒の、荒々しいばあに弾けるフレッシュな新酒の香りと、爽やかな柑橘類を彷彿とさせる酸味をしのばせた生命力あふれるリッチな味わいが、おせち風の正月盛り料理の濃い味わいや酸味に見事にマッチして、互いの美味しさを引き出し合うて、杯も箸も止まらんなるがよ。
★「船中八策・しぼりたて」(超辛口・純米生原酒)
●造り:ハガツオの塩だれタタキ
続いては、これまた新酒で「船中しぼりたて」と「ハガツオの塩だれタタキ」の組み合わせながやき。
この前のお酒と飲み比べりゃあ、「本醸造しぼりたて生原酒」と「純米しぼりたて生原酒」の飲み比べにもなるがよ。
「船中しぼりたて」のフレッシュでフルーティな果実香と、豊かでどっしりとした味わいでありもって酸をしのばせた爽やかな後口が、ハガツオのタタキの芳ばしい旨みと酢みかんの酸味の効いた塩だれの風味と、気持ちえいばあ融合し、爽やかな余韻を残しもって流れていくもんやき、これまた交互にやりゃあ止まらんなるがやき。
このあたりで宴席もイッキに盛り上がりだいて、ワイワイ状態になって、ワシの説明らあもほとんど聞こえんなっちょったがよ。
★「司牡丹・仁淀ブルー」(純米酒)
●焼物:サザエの焼物(サザエ、ナガレコ、カキ)
お次は、「仁淀ブルー」と「サザエ」の組み合わせながやき。
ホンマはサザエの焼き物だっけの予定やったがやけんど、この朝は市場に20個ばあしかなかったっちゅうことで、刈谷さんが急遽ナガレコ(トコブシ)とカキも追加で用意してくださったがよ。
ちなみにワシのおった8人の島のお客様は皆さん、サザエよりかナガレコやカキを好んで選ばれたようで、ワシにゃあ当初の予定通りのサザエが回ってきたがやき。
このお酒の艶やかでナチュラルな香りがサザエの磯の風味に海風のような心地よさを与え、このお酒の柑橘類を想わせるほのかな酸をしのばせた淡麗辛口の味わいがサザエの濃厚な旨みとホロ苦さに酢みかんを搾りかけたような爽やかを与え、こりゃまっこと旨いとしか言いようがないがよ。
★特別出品:「司牡丹大吟醸・天香国色」(大吟醸原酒)
●煮物:ファーム・ベジコの根菜の煮物
続いては、特別出品の本年度金賞受賞の大吟醸「天香国色(てんこうこくしょく)」に「ファーム・ベジコ」の長崎さんくの根菜の煮物の組み合わせながやき。
ここでワイワイの宴席の中、長崎さんが野菜の解説をしてくださったがよ。
今回の煮物に使われたがは、長崎さんからご提供いただいた、ニンジン、紫大根、赤大根、さらに弘岡カブやっちゅうがやき。
その紫大根や赤大根の色が溶け出し、この煮物の絶妙なピンクっぽい色を演出しちゅうがよ。
しかも今回は、トリュフも使うて、洋風の煮物やっちゅうき、こりゃまっことどんな味わいながか、こぢゃんと楽しみながやき。
まず、このお酒のそれこそ天にも昇るかと思うような風格ある華やかな吟醸香と、比類ないばあまろやかかつ繊細に膨らむ味わいの至高の調和に、アチコチから感嘆のタメイキが漏れよったがよ。
そんな大吟醸が、野菜の旨みエキスを濃縮しそのスピリッツを蒸留したかのようなナチュラルな洋風煮物の美味しさの格を、ワンランク引き上げてくれ、まさに天まで届くばあ絶品の相性やったがやき。
★特別出品:「司牡丹・深尾」(斗瓶囲い純米大吟醸原酒)
●揚物:ファーム・ベジコの野菜のかき揚げ
お次は、司牡丹最高ランクの超希少品「深尾」の登場に、皆さんヤンヤの喝采ながよ。
ただし、申し訳ございませんぜよ、「深尾」は12月上旬の発売と同時にアッちゅう間に完売し、今回3本(720ml)しか用意できざったき、お1人様60mlばあずつにしてくださいやっちゅうて、お詫びを申し上げたがやき。
ほんじゃき今回は、この前の「天香国色」と合わせて、金賞受賞の本醸造大吟醸と、斗瓶囲いの純米大吟醸の究極の飲み比べを用意さいてもうたがよ。
長崎さんくのサツマイモを使うたかき揚げのホクホクした旨みが、このお酒の芸術といえるばあ美しい吟醸香と神秘の湖のような深みのあるまろやかな味わいで、まるで貴婦人のような高貴さまで感じられ、思わず「ホ〜〜ッ!」っちゅうてうなってしもうたばあながやき。
★「船中八策」(超辛口・純米酒):ぬる燗(40℃程度)
★「山廃純米かまわぬ」(山廃仕込み純米酒):ぬる燗(40℃程度)
●鍋物:潮江菜入りキジ鍋
さあ、お待たせしましたのメイン料理、「潮江菜入りキジ鍋」の登場ながよ。
しかも、合わせるお酒は2種類の燗酒の飲み比べ!
ちょっと前からワシがお燗番となって、燗酒の定番である高知県唯一の山廃仕込み純米酒「かまわぬ」と、この10月の日経新聞の燗酒ランキングで並み居る強豪銘柄を抑えて第2位に輝いた超辛口純米酒「船中八策」を、ベストなぬる燗につけさいてもうたがやき。
さてここで、今回のキジ肉について、ちくと解説ながよ。
キジは日本の国鳥でもあり、実は平安時代から宮中料理の最高峰に位置づけられちょって、その群を抜く栄養価の高さとヘルシーさは、他の肉類を圧倒するばあやっちゅうがやき。
高タンパクで、脂肪が少のうて低カロリー(鶏肉の半分!)、しかも体内で作ることのできん必須アミノ酸8種類を全て含むっちゅうき、驚きながよ!
しかも、元々「花鶴」さんは、先代・先々代の時代はキジ鍋が一番の名物料理やったっちゅうがやき、三代続く秘伝のキジ鍋レシピで調理してくださっちゅうがやき。
さらにさらに、そこに物凄い栄養価やっちゅう幻の潮江菜が入るっちゅうがやき、こりゃこの組み合わせは、もはや奇跡の組み合わせとしかいえんがぜよ!
お客様も皆さん大悦びで、鍋の熱も加わって、会場全体がイッキにヒートアップし、温度が2〜3度ばあ上がった感じやったがよ。
さあ、早速いただきますぜよ!
まずはキジ鍋を一口。
キジだっけの出汁やっちゅうスープは、アッサリしちゅうき一口目はちくと物足りんように感じるがやき。
けんど、二口目あたりで、こりゃただの「アッサリ」やないっちゅうことに気づくがよ。
「アッサリ」の中に、「味わい」の構成成分の全てが緻密に凝縮されて存在しちゅうかのように、味わやあ味わうばあ、次第に深みを増していくがやき。
さらに潮江菜は、こぢゃんと煮込んだにもかかわらず、緑色がキレイなまんまで、しかも茎の部分にゃあ歯ごたえのあるシャキシャキ感が残っちょってビックリながよ。
菜っ葉自体のナチュラルな旨みも強うて、キジ鍋の高貴な脂や出汁との相性もバッチリで、いただきゃあいただくばあ、体内にパワーを充電しゆうかと思うばあ、栄養価が流れ込んでくるっちゅう感じながやき。
そんな絶品キジ鍋に、2種類の燗酒を合わせて堪能すりゃあ、もはやそこは地上の楽園ながよ!
どちらの燗酒も、味わいの膨らみと後口のキレが特徴的ながやけんど、「船中」の燗酒を合わせりゃあ、味わいの膨らみは小さめで後口のキレが抜群やき、ナンボやち箸も杯も進むっちゅう合い方ながやき。
一方「かまわぬ」の燗酒は、後口のキレは普通やけんど、味わいの膨らみが大きいき、鍋の旨みとお酒の旨みが互いに引き立て合う感じを、ジックリゆっくり堪能できるっちゅう合い方ながよ。
ほんじゃき、「鍋」「船中」「鍋」「かまわぬ」「鍋」「船中」「鍋」「かまわぬ」・・・ちゅうてやっていきゃあ、もはや無限ループのように止まらんなるがぜよ!
●締め:うどん(キジ出汁) 銀不老豆の赤飯
締めにゃあ、キジ鍋の中に投入したうどんと、これまた貴重な土佐の在来野菜である銀不老(ぎんぶろう)豆の赤飯が登場したがやき。
キジ出汁のうどんが、旨いこと、旨いこと!
銀不老豆の赤飯は、ナチュラルな豆の風味が力強うて、生命力にあふれちゅうっちゅう美味しさやったがよ。
◎特別出品:西麻布「ラ・ボンバンス」の手作りカラスミ
ここにきて、メニューにゃあない特別出品、日本料理の名店・西麻布「ラ・ボンバンス」の岡元料理長さん手作りのカラスミが、焼いての登場ながやき。
これにゃあ皆さん、メロンパンナのメロメロパンチを受けたばあ、メロメロになって、またまた思い思いのお酒が進むこと、進むこと!
★デザート酒:「司牡丹・山柚子搾り・ゆずの酒」(リキュール)
●水菓子:生麩の笹巻
さあ、いよいよラストはデザート酒と水菓子、「山柚子搾り」と「生麩」ながよ。
ナチュラルで爽やか柚子酒の風味が、生麩のナチュラルな旨みと合わさりゃあ、見事にワンランク上の「和」の味わいに昇華するっちゅう感じながやき。
この時点で、スタートから3時間経過の21時半近うになっちょったがよ。
ほんじゃき、お客様もポロポロと流れ解散的になり、中締めをした時にゃあ数名しかおらんかったがやき。
けんど、皆さんのお帰りの際の表情は、いっつも以上に満足と幸せにあふれちょったがよ。
プラス、いっつも以上に千鳥足やったけんど。
ご参加いただきました皆さん、まっことありがとうございました!
ほいたら最後に、皆さんから頂戴しましたアンケートの中から、悦びの声のほんの一部を、以下にご紹介さいてもうて、締めとさいていただきますぜよ。
●良き友ができる(良い友と「のむ」酒は良き酒だ)
●最高です。
●初めて参加させていただいて、不安もありましたが、皆が話しかけてくださって、料理もお酒も楽しめました。
●おいしいはしあわせ。
●酒と肴、切っても切れない間。
●何食べても飲んでも、goodでした!
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