「人間は、自分をその実際の姿と違うもんに見せかけろうとするときばあ、滑稽に見えるこたぁないがぜよ。」(ジャコモ・レオパルディ)
19世紀初頭の、イタリア近代最大の抒情詩人、ジャコモ・レオパルディさんの言の葉ながやき。
人間、まだ自分が未熟でありゃあ未熟であるばあ、自分を大きゅう見せたいと思うてしまうもんながよ。
その頃は、自分の得意とする分野やろうが、不得意とする分野やろうが、どんな分野やち知ったかぶりをしてしまいがちながやき。
けんど、ある程度年齢を重ねてくりゃあ、ある日ふと気づくがよ。
人間誰やち、得意とする分野もありゃあ、不得意とする分野もあるっちゅうことに気づくがやき。
そりゃあつまり、どんな天才やち、不得意とする分野はあるっちゅうことながよ。
ほいたら、もはや自分を必要以上に大きゅう見せる必要らあて、何ちゃあないがやき。
自分は自分であり、それ以上でもそれ以下でもないがよ。
等身大の自分を、他人じゃ替えれん、かけがえのない1人の人間として、そのまんま受け入れることができたとき、初めて人間は一皮むけて、お子様から大人になるっちゅうことながやき。
そこに気づいてない大人は、気づいちゅう人から見りゃあ、滑稽でしかないっちゅうことながぜよ。