「避けることができんもんは、抱擁してしまわにゃあならん。」(ウィリアム・シェイクスピア)
イギリス文学史上最高の作家と言われる、かのウィリアム・シェイクスピア(1564〜1616)さんの言の葉ながやき。
人間誰にやち、自分が生きていく上で、どうあがいたち避けることができん問題や障害や敵に見える存在らあが、必ず現れるもんながよ。
ほんでそん時に、その問題や障害や敵に見える存在らあに、立ち向かおうとして闘いを挑むっちゅうことになってしまいがちながやき。
けんど、たいていの場合闘いを挑んだところで、問題が解決する訳やないし、障害が消えてのうなる訳やないし、敵が降参してくれる訳でもないがよ。
ほいたら、どうすりゃあえいがか?
かの天才シェイクスピアさんは、それらあに闘いを挑むがやのうて、逆に「抱擁してしまわにゃあならん」っちゅうがやき。
「抱擁する」たぁ、どういう意味やろか?
問題や障害や敵に見える存在を、愛しいものとして抱き締めるっちゅうことながよ。
つまり、自分の外のもんとして対処するがやのうて、自分の内側に引き込む、自分の一部として取り込むっちゅうことながやき。
そりゃあ簡単なことやないろうけんど、それができるばあの、清濁併せ呑むばあの度量の大きい人間にならにゃあイカンっちゅうことながよ。
ほんで、それができた時に初めて、問題や障害や敵に見えよった存在は、消えてないなるっちゅうことながぜよ。